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2012年8月10日記


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6人確実、残り枠激烈な闘い 中国党大会
北戴河会議で人事大詰め


 
秋の第18回中国共産党大会で一新される最高指導部の政治局常務委員会人事を控え、党内の現、元最高幹部らが河北省の避暑地・北戴河で次期最高指導部人事などについて話し合う恒例の非公式会合「北戴河(ほくたいが)会議」が6日までに始まった。胡錦涛派が江沢民派を抑えて主導権を握り、習近平国家副主席を中心とする太子党も盛り返し、水面下の権力闘争は山場を迎えている。(深川耕治=2012年7月21日記)

薄煕来氏の妻初公判、即日結審
胡派が主導権、習派盛り返し


8月9日、中国安徽省合肥市の裁判所で開かれた初公判で入廷する谷開来被告(左から2人目)と共犯の使用人(右端)=中国中央テレビのテレビ画像より
 当初、7月末に開かれる予定だった今年の北戴河会議は、政治局常務委入りが取り沙汰されていた薄煕来氏の処遇をめぐり混乱し、人事案調整が遅れて8月初めまで延ばされた。

 人事案調整を混乱させているのは、3月に失脚した薄煕来・前重慶市党委書記の妻・谷開来被告が家族ぐるみで親密だった英国人ビジネスマン、ニール・ヘイウッド氏を毒殺したとされる殺人事件だ。その初公判が9日、安徽省合肥市の中級人民法院(地裁)で開かれ、谷被告は起訴内容を大筋で認めた。

 訴状には薄氏本人が殺人事件に直接関与した記述はなく、調査で浮上していた巨額の海外資産を巡る経済犯罪疑惑についても表記はない。薄氏は谷被告の事件とは無関係との判断が出されていれば、刑事責任は追及されないまま、党内規律違反に基づく党籍はく奪処分で決着する可能性が濃厚になっている。

2007年1月、父・薄一波氏の葬儀に参列した薄煕来氏と谷開来夫人(左)
 党内右派勢力には薄氏の処分をめぐって強い反発や不満が根強く残っており、最高指導部人事の内定作業で党内対立をできるだけ回避し、早期決着で習近平国家副主席を含む太子党(党内幹部子弟)全体への悪影響を打ち消す狙いもあると見られる。

 5日、胡錦涛国家主席に代わって国家主席や総書記に就任することが確実視される習近平国家副主席が北戴河で各分野の専門家と会見。中国初の有人ドッキング実験を成功させた宇宙船「神舟9号」の飛行士らとにこやかに談笑する姿が中国中央テレビに放映された。

 会見では、政治局常務委入りが有力視される李源潮党中央組織部長や劉延東国務委員、政治局入りが有力な令計画党中央弁公庁主任らが同席し、新たな党内序列を暗示させる。

 江沢民前国家主席、朱鎔基前首相、曽慶紅前国家副主席らも北戴河入りし、江沢民氏率いる上海閥が人事上、胡錦涛派に取って代わられる動きに抵抗し、党内長老として一定の政治的発言力を保つ構え。

 とくに死去誤報で注目された江沢民氏については自己の政治的存在感のアピールに躍起だ。名実共に衰退しつつある上海閥は、権力掌握の要である中央軍事委員会主席ポストに当分居座りたい胡錦涛国家主席の権力基盤を削ぐため、習近平国家副主席を中心とする太子党との連携を強め、習氏の権力基盤拡大を後方支援している。

 香港紙「明報」(9日付)は北京の消息筋の話として今秋決まる次期党大会での政治局常務委員会(現在9人)人事について、6人がすでに確定し、胡総書記直系の李源潮党組織部長、太子党で上海閥の兪正声上海市党委書記、上海閥の張徳江副首相(重慶市党委書記兼任)、太子党の王岐山副首相の現政治局員4人が新たに常務委入りする見込みと報じている。

 胡総書記は自派である団派(共産主義青年団出身者)の権力基盤掌握をしやすくするため、政治局常務委メンバーを現行の9人から7人に減らすことを提案しているとされるが、上海閥や太子党など他派閥は現行の9人制で権力拡大空間を広げたい意向で、どちらに決着するか、北戴河会議での焦点となっている。

 同紙は、常務委が9人体制を維持した場合、団派の劉雲山党宣伝部長、団派の汪洋広東省党委書記、上海閥の張高麗天津市党委書記が加わると予想し、7人に減る場合は、この3人のうちの1人が常務委員になるとの見方を紹介している。

 最近の動向としては、汪洋氏が北戴河会議に関する中国中央テレビの報道で取り上げられない場面が多く、団派の勢いを封じる象徴として汪洋氏外しが取り沙汰されている。