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2004年7月8日記

香港の民主派政党「フロンテ イア(前線)」召集人、エミリー・ラウ(劉彗卿)立法会議員
 7月1日、香港の民主化要求デモが熱気を帯びる中、デモ参加者でごった返す香港島ワンチャイで辻舌鋒に立った民主派の烈女は「香港市民の皆さん、こんなに集まってくれてありがとう。香港の民主化は必ず成し遂げられるでしょう」と感極まった。

 九月十二日に行われる立法会議員選挙(議席六〇)を前に、自らも現職として立候補を予定しているため、まるで熱烈な支持者を集めての選挙演説会のような様相を呈した。今回の選挙は直接選挙枠が三十議席に増え、前線も本人と何秀蘭議員の現職二人以外に議席増を狙いたいところだ。

 香港生まれで教育熱心な母親の影響でジャーナリストを志す。南カリフォルニア大学に留学してテレビ報道を専攻、英ロンドン大学で政治学も学ぶ「親英派」と見られていたが、香港の民主化勢力の一角を担う筋金入りの反中国のスタンスは、反日、愛国による親中スタンスに路線を転換した日和見主義的な李柱銘(マーチン・リー)元民主党主席とは別格扱い。中央政府にとっては、懐柔不能なやっかいな相手に見えるはずだ。

 香港英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」の記者や香港のテレビ局記者、BBC記者、「ファーイースタン・エコノミックレビュー」誌記者などを経た生え抜きの女性ジャーナリストは、過去のすべてのキャリアを捨てて、香港が中国に返還される一年前(一九九六年)に「前線」を結党。「他の立法会議員は議員が副職で本業は別にある。私は議員専従で民意を理解しているつもり」ときっぱり言い切る。

 一日のデモは〇七年の香港行政長官選挙と二〇〇八年の香港立法会議員選挙の完全普通選挙の実現を香港政府や中央政府に訴えたものだったが、香港トップの董建華行政長官は「十分に市民の声を聴取し、実行で答える」と述べたものの、完全普通選挙の実施時期について明示しないままだ。七日、民主派系の立法会議員二十二人が董長官と会談し、明示を迫った。劉慧卿議員も明示を迫った議員の一人だ。

 「香港人の民意は成熟している。民主主義が何であるか知っているので普通選挙を行っても問題はない」ときっぱり。

 夫は香港人の弁護士、潘松輝氏。香港生まれの五十二歳。
(04年7月7日記=写真は深川耕治撮影)