広州モーターショー



どっちがホンモノ?コピー横行の中国
広州モーターショーでも堂々と展示
意匠権裁判、原告敗北も多く


 
わが目を疑った。

 「内外装はそっくりで、シャーシ、エンジンは異なり、値段も安い。裁判で提訴中でも、中国メーカーは堂々とここで展示している」と中国で意匠権侵害の提訴をしたホンダ(中国)の社員の話を聞いて、双環汽車が河北省石家荘の工場で生産・出展する「来宝S−RV」(写真=左下=深川耕治撮影)を見た時のことだ。

 11月23日から29日まで中国広東省広州の国際コンベンションセンターで開かれた「第二回中国(広州)国際自動車ショー」。ホンダは広州本田の展示ブースで二足歩行ロボット「アシモ」やF1マシーンを登場させ、最先端ハイテク技術をPRした。

 東風汽車とホンダの合弁会社である東風ホンダも国内販売を始めている「CR−V」(写真=右上=深川耕治撮影)を展示したが、見た目はそっくりでエンブレム(登録図形商標)だけが違う「来宝S−RV」が堂々と別のブースで展示されていることにホンダの関係者は眉をひそめた。

 実際は来宝S−RVのエンブレム部分も偽造したホンダのマークに変えてはめ込む専門業者も存在し、双環汽車側は「客を騙して販売していない。客はホンダと自社の違いがはっきり分かって購入している」と裁判すら気にしていない。

 ホンダのCR−Vは百六十カ国・地域で販売されて人気を博し、中国でも武漢市で四月から販売が開始されている。CR−Vは販売価格が約二十五万元(1元=13円)であるのに対し、来宝S−RVは約十万元で故障もしやすい。安さ目的で車を購入するか、ブランドの信用度で高くても購入するか、客層は棲(す)み分けができているというのが実情、と双環汽車側は言わんばかりだ。

 中国内では北京、上海に続く三大国際モーターショーとして定着し始めている広州モーターショー。とくに広州に工場を持つ日系メーカーの躍進は目覚ましく、ホンダ、トヨタ自動車、日産自動車など日系三社の展示スペースが他社を圧倒した。

 だが、高級自動車が集う華やかなショーの裏側で先進国の知的財産を侵害・模倣する中国自動車メーカーの動きはどこまで規制できるのか。意匠権裁判で原告が敗訴するケースが多い中国で、日系メーカーの意匠権問題をめぐる苦悩は当分続きそうだ。(文と写真・深川耕治)