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2009年7月24日記 最新中国株情報 WINTRADE


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広東テレビが新型汚職を詳細報道 中国
広州市職員が山林土木業者と不正売買
潜入現場取材で告発、反響大きく

土砂売買で暴利、担当者は免職に
ネット普及でメディア監視力高まる

 
中国各地では地方政府幹部と不動産会社が結託して農民の土地を不法に買い上げた上、巨大な商業施設や高級マンション群に変貌させて巨利を得る汚職が金融危機前まで後を絶たなかったが、最近は、さらに狡猾な新型の汚職方法が増えてきている。改革開放の最前線である広東省も例外ではなく、地元テレビ局が潜入取材を試みて汚職現場を告発する番組が高支持を得るほどだ。地方政府も報道をきっかけに汚職官僚の摘発に踏み切らざるを得ないメディアによる不正監視が高まりつつある。(深川耕治、写真も=09年7月24日記)

広東省の省都・広州の新たな犯罪防止に苦悩する広州市公安局=深川耕治撮影

■地質調査院職員の職権乱用で山林業者が結託

 広東省の省都・広州市地質調査院職員と山林開発の土木業者が結託して不正な暴利をむさぼっていたことを詳細にテレビの特集番組で報じたのは広東省内だけでなく衛星チャンネルで海外の華僑や国内に幅広い視聴者(視聴者総数約7億人)を持つ広東テレビだ。同局の中でも視聴率が高く、現場潜入取材で社会問題を深く掘り下げる人気報道番組「社会縦横」だった。

 7月21日に放送された告発報道は、汚職取り締まりを強化しているはずの広州市政府職員が職権を乱用し、山林の砂利や泥土を掘削売却し、巨額を得ている実態を暴き、多くの視聴者の怒りを買った。

広州市地質調査院職員による山林汚職を報じる報道番組「社会縦横」=7月21日の広東テレビのテレビ映像より
 各地方都市の地質調査研究院といえば、管轄エリアの地質を調査し、土砂崩れなどの自然災害の危険がある場合、土木工事業者を使って安全な土地へ改良する工事を許可するなどの権限を持つ。汚職の元凶は広州市地質調査院の一部の職員が山林土木の開発業者と結託し、自然災害の恐れがない山林を勝手に災害危険区域に指定し、山にある土砂や泥土をトラックで掘り出して高額で売りさばき、巨利を得るという手法だった。

 しかも、本来は自然災害とは無縁で安全だった周辺地域が逆に山林の土砂を掘り出すことで災害を引き起こす危険地域に変貌。周辺住民の生命と財産に脅威を及ぼす結果となる犯罪ともいえるあくどいものだ。

■TV局記者の潜入取材で証拠映像公開

 事実関係を事前に把握した広東テレビの記者は10日、土砂売買業者を装い、広州市地質調査院の地質災害早期警報室の幹部の紹介で同院の地質審査部副部長と接触。同院が土砂を掘り出すエリアを災害危険区域として地質災害報告を出す見返りに二万五千元(1元=14円)を支払うことで裏交渉が成立、副部長が「他人に言いふらすな」と再三口止めする交渉の一部始終を隠しカメラ映像で録画した。

 13日午後、記者は指定された災害危険区域で副部長と再会し、副部長は現場で実地調査をまったくしないまま、わずか数分で調査報告書を書き上げ、報告書を提出すべき広州市国土資源不動産管理局の実印をすでに押した書類を完成。自然災害を防止する山地土砂掘削作業を開始した。

 同番組では、偽造の土木作業許可証を一件作成するごとに担当職員には4万元が懐に入り、土木業者がトラックで土砂を積み出し、運輸コストを除く土砂売買の純利益だけでトラック一台分300元、一回の総作業での純利益が30万元に達する暴利をむさぼっていることを業者のコメントとして映像に収め、紹介している。

■汚職構造、「氷山の一角」と視聴者非難

広州市地質調査院職員による山林汚職を報じる報道番組「社会縦横」=7月21日のテレビ映像より
 同番組放送後、偽造許可証を作成した市担当職員2人は停職処分となり、「氷山の一角でトカゲのしっぽ切り」「黒幕がいるはず」「他の地方政府も徹底調査すべきだ」など視聴者の反響を呼んだ。

記載されるべき調査報告書の番号記入欄が空欄のまま=広東テレビのテレビ映像より
 高視聴率番組「社会縦横」は男女2人(張琳月、劉偉)のキャスターが交互に司会を務め、平日夜に社会ニュースを独自取材で掘り下げる専門番組。放送時間はわずか10分間だ。すでに番組開始から16年が過ぎ、広東省幹部から一般視聴者まで幅広く関心が持たれる人気番組に成長した。放送中から電話やファックスによる視聴者の感想が殺到し、電子メールによる投書も急増している。他局でも同様の潜入取材報道が流行化している。

 これまで中国では、地方メディアが政府系企業や地方政府の不正を暴く報道を行った場合、地方政府の圧力でもみ消されるケースが圧倒的に多かった。内モンゴル自治区の経済紙「財経時報」は昨年7月11日、中国農業銀行湖南省常徳支店が不良債権を資産管理会社に売却したかのように見せかけ、経済損失を隠匿したとスクープ報道。しかし、同自治区新聞出版局は「報道は不適当」と3ヶ月間の停刊処分を下し、100人余の記者が全員解雇されている。

■汚職告発報道への地方政府の圧力強大

報道番組「社会縦横」は女性キャスターの張琳月を司会に広東省内の社会問題を現場取材を重ねて掘り下げていく人気報道番組
 一方、インターネットの急速な普及で徐々に地方メディアの監視能力が認められるケースが増え始めている。新華社傘下の週刊誌「瞭望東方週刊」(2008年8月28日号)は山西省内の鉱山で発生した土砂崩れ事故で当初死者11人と報じられながら実際は41人に上っている隠蔽をスクープ報道。地元政府は猛烈に圧力をかけたが、報じた記者がブログ上で不正行為を暴露し、温家宝首相が閲覧して徹底調査が行われ、孟学農山西省長(当時)を辞任に追い込んだ。

 江西省や浙江省でも同様の公費流用がネット告発で明らかになっており、温首相ら党指導部もネット上の告発に目を光らせ、現地調査を指示したケースも多い。逆にネットでの告発者が汚職を隠蔽したい地元政府から逆拘束されたり、拷問を受けた上、自殺する安徽省阜陽市の事件例もある。告発者の身の安全が保証されないリスクは常につきまとっているのが実情だ。

■メディア告発で汚職摘発へ変化の兆しも

 問題の広東省でもインターネットは地方政府の不正監視に新たな威力を発揮している。広東省肇慶市政府の幹部らが2007年、公費で14日間のアフリカ視察旅行に行った際、視察名目の観光豪遊旅行だったことを暴露した動画が今年2月17日にネット上で紹介され、同省紀律検査委員会は事情調査を開始。公費を私的に流用した事実が発覚し、公費で豪遊した肇慶市の区長らは辞任、党の職務も解かれた。この事件で中央政府は公務員の不正な海外出国を厳しく取り締まる異例の通知を出す事態に発展している。

 今回、広東テレビで暴露された広州市の地質調査を悪用した汚職事件は、広州市に限定された特殊な汚職方法ではない。地方政府幹部の利権との関わりがないケースと見られているが、真相は不透明。地方政府の地質調査院職員であれば同様の手口で汚職に手を染め、暴利を得る仕組みが出来上がっており、告発報道による汚職暴露はネット上でも反響が広がり始めており、全国的に新型の汚職手法に監視の目が強化されそうだ。


 




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