香港企画記事速報
2004年8月25日記

民主党候補、買春事件の波紋広がる 香港
立法院選挙直前、中国東莞で拘束
珠海の買春事件は落着、ホテル再稼働
 九月十二日投開票の香港立法会議員選挙で直接選挙枠の九竜東地区から最大野党・民主党候補として立候補していた何偉途氏(46)(写真右)が十三日、中国広東省東莞市内のホテルで現地公安当局から買春容疑で逮捕された。

 何氏は衣料関係の企業マネージャーで、既婚。妻と実子一人の三人家族。同事件は政党候補者のモラル欠如を印象づけただけでなく、民主派優勢の選挙情勢に大きな影を落とし始めている。九竜東地区の民主党候補の支持率低落だけでなく、九竜西地区の民主党候補の支持率も急落。有権者の浮動票は、中央政府の“期待”とは裏腹に、親中派政党ではなく、民主党以外の民主派へ流れる動きを見せ始めている。

 東莞市公安局が十八日、公表した同事件の概要によると、何氏は十二日夜、東莞市内のホテル三階のカラオケバーでカラオケを楽しんだ後、翌十三日午前五時ごろ、同ホテル宿泊中に同公安局が踏み込み、同カラオケ店ディスクジョッキーの女性店員と全裸でいるところを拘束された。拘束された二人の供述によると、七月末から二回にわたって買売春関係を結び、何氏は女性に現金一千元(一万三千円)と一千二百香港ドル(一万八千円)相当のノキア製携帯電話を手渡したという。

 拘束された二人は懲役六月となり、労働キャンプでの思想改造教育を義務づけられた。何氏の妻は、何氏が肝臓病を患っているとの理由で香港での治療名目の仮釈放を中国政府に要望しているが、現段階では拒絶されており、九月十二日の選挙当日までに香港にもどる見込みはない状態だ。

中国政府は政治的意図を持つ拘束を否定、東莞市内で香港人や台湾人ビジネスマンを狙った買春行為が頻発していることへの取締りの一環であることを強調している。民主党の楊森党主席もこの点には触れず、「投票日まで同事件の批判が続くことを覚悟し、できるだけ誠実に答えていきたい」と述べるに留まっている。

 一方、昨年九月に中国広東省珠海市で起こった日本人観光客集団買春事件では売春を組織した地元ホテル幹部ら中国人二人に終身刑、残りの中国人十二人に二−十五年の懲役刑が下されたが、事件発覚後、営業停止となっていた宴会現場の粤海ホテルと宿泊場所の国際会議センターホテル(写真左=撮影・深川耕治)は今年に入って営業を再開。リニューアルされた国際会議センターホテルは日本人観光客の宿泊が激減し、「香港人や中国人向けの宿泊パックを主商品に切り替えたが、稼働率はリニューアル前の半分に満たない苦しい経営が続いている」(同ホテルマネージャー)との悪影響は残ったままだ。(深川耕治、04年8月25日記)