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2008年9月11日記 最新中国株情報 WINTRADE


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親中派がじわり議席増、過半数維持 香港立法会選
民主派は「否決権」死守 退潮最小限食い止め

「愛国」浸透、中国依存進む
民主派の分断工作で否決阻止も 親中派


 香港の民主化と「一国二制度」の行方を左右する香港立法会(議会、定数六〇)議員選挙が七日、投開票され、中国政府に近い親中派が三十七議席(改選前三十四)を獲得して過半数を維持した。苦戦が予想された民主派も二十三議席(同二十六)を獲得し、親中派に有利な選挙改革案成立を否決するために必要な「三分の一分超」(二十一議席以上)を死守。親中派の議席増、民主派の議席減で香港の「中国化」は徐々に進みつつある。(深川耕治=08年9月11日記)


当選した民主派の香港立法会議員ら。退潮を最小限食い止めた
 四年ごとに行われる同選挙は五選挙区比例代表制の直接選挙(三十議席)と業界団体別の職能間接選挙(三十議席)で選出。民意が直接反映する直接選挙枠では史上最多の百四十四人、親中派に有利な間接選挙枠は六十人が立候補。直接選挙枠の有権者登録数は約三百三十七万人の過去最高を記録した。

 だが、政治争点が見えず、無党派中間層の関心度が薄れたことで投票率は前回より一〇ポイント下回る四五・二%。中国返還後、四回行われた同選挙では二〇〇〇年の四三・五%に次いで二番目に低い投票率となった。前回選挙で親中派は三十五議席、民主派は二十五議席を獲得。その後、親中
香港島区で民建聯から出馬していた蔡素玉氏が落選確定した際は、曽●(金ヘンに玉)成・民建聯主席が男泣きする落胆ぶり
派の議員が一人死去し、補欠選挙で民主派の陳方安生(アンソン・チャン)元政務官が当選したため、民主派の議席は二十六に増えていた。新議員の任期は十月一日から四年間。

 今回、三議席増の三十七議席(直接選挙枠十一議席、間接選挙枠二十六議席)を獲得した親中派は、政党別で見ると、決して順風とは言えない。議会第一党である民主建港協進連盟(民建連)は二議席減の十議席でかろうじて第一党を維持。香港島区で出馬していた蔡素玉氏が落選確定した際は、曽●(金ヘンに玉)成党主席が男泣きする落胆ぶりだった。

 親中派で財界系の自由党は三議席減の七議席に落ち込み、「最大の敗者」(九日付香港各紙)と評されている。直接選挙枠では党首の田北俊主席、周梁淑怡副主席を含む四人が出馬して全員落選。田、周梁の両氏は落選確定後、党主席、副主席の辞任を表明し、香港特別行政区政府の最高政策決定機関である行政会議メンバーも辞意表明して事実上の政界引退を宣言した。

 自由党の大敗について「梁展文事件(住宅担当高官の天下り問題)が原因の一つ」(田北俊氏)、「自由党支持者は穏健な中間路線の有権者で政治問題に敏感ではなく、選挙への関心度が低いことが不利に働いた」(周梁淑怡氏)との見解だ。

引退したアンソン・チャン氏(左から3人目)と引退する民主党の李柱銘(マーチン・リー)氏は民主派候補を懸命に応援
 インフレ上昇による景気停滞、香港政府の不透明な高官人事任命に対する市民の不満などで曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官の支持率が低迷し、親中派にとっては逆風もあったが、民主派の退潮や世代交代に助けられる形で結果的に二議席増やした。背景には中国政府の経済支援や「愛国」教育の浸透、北京五輪後の中国人金メダリスト代表団の香港凱旋訪問で市民の対中感情が好転し、中国への依存度が高まることへの警戒感が薄れている点が大きい。

 一方、退潮傾向に危機感を募らせていた民主派は、直接選挙で前回と同じ十九議席を死守。間接選挙では二議席減の四議席となり、最低目標の二十一議席を上回る二十三議席となった。最大政党の民主党が二議席減の八議席、穏健派の公民党が一議席減の五議席で政党別では退潮傾向。急進民主派の新政党・社会民主連戦(社民連)は梁国雄氏の再選など三議席を獲得し、民主派内での発言力が強まりそうだ。

親中派で財界系の自由党は田北俊党主席(中央)が落選し、三議席減の七議席。田氏は党主席を辞任した
 民主派内では民主党元主席の李柱銘(マーチン・リー)氏や〇七年十二月の補欠選挙で当選した陳方安生元政務長官らが高齢などを理由に相次いで不出馬を表明。これらの大物議員に代わる有力な若手が育っておらず、民主派の求心力が保てるかどうかが課題だったが、民主党の議席減を公民党が補う形で退潮傾向を最小限に食い止めた形だ。

 前回より約十九万五千票も減少した民主派が議席数を大幅に減らすことなく、得票率も五七・八%(前回比二・八ポイント減)を保った理由については前回選挙の派内協力失敗を教訓にし、「幸運にも民主派支持の有権者が知恵を絞って民主派のどの政党に投票すれば効果的に当選者を増やせるか票配分し、有権者への選挙前世論調査を拒否することで親中派の票配分戦略を錯乱できたことが大きい」(民主党の単仲偕副主席)。

民主派は新人女性議員の誕生で注目される動きもあった
 懸念材料としては民主派二十三人のうち、少なくとも二、三人の議員が民主派に加わるかどうか堅固な意志表示をしておらず、親中派に有利な選挙改革案の審議で賛成に回る可能性が残されている点だ。公民党の余若薇党主席は「民主派内での協力強化を進め、有権者に民主化への理解と信頼を得ていきたい」と表明しているが、民主党と公民党の合併統合問題についても「決して容易ではない」(民主党の何俊仁主席)と見通しは暗く、民主派内の結束強化や有権者への信頼回復には、なお時間がかかりそうだ。

 中国全国人民代表大会(全人代=国会)は昨年十二月、二○一七年以後をめどとする香港行政長官と立法会全議員の直接選挙実施に向けた制度改革を決定。香港政府と親中派はできるだけ自分たちに有利な選挙制度改革案を作成する検討を重ねてきたが、今選挙結果で民主派が三分の一以上の議席を確保したことで、民主派内の切り崩し工作を開始し、改革案の否決阻止に動く可能性が出てきた。

 同選挙結果に対し、中国政府は香港の高度な自治を保障する一国二制度を尊重するために表向きは静観の構えだ。中国国営新華社通信も党派別の議席数に触れないまま、専門家の分析結果なども出さず、経済的結びつきを強化しながら愛国愛港(祖国中国と香港を愛する)を進め、選挙制度改革についても民主派の出方を見極めながら親中派にできるだけ優位な道を模索する動きだ。

【香港立法会(60議席)の政党別議席数】
親中派 計37(35)    民主派 計23(25)
民建連 10(12)     民主党 9(11)
自由党 7(10)      公民党 5(4)
工連会 4(3)       社民連 3(−)
緒派・無所属 16(10)  緒派・無所属 6(11) 
※カッコ内は前回選挙の獲得議席数 社民連は新政党、公民党の前身は45条関注組








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