話題の人登場 2011年10月1日記(深川耕治)

   



  • 見出し一覧(戻る)
  • 香港情報
  • 台湾情報
  • マカオ情報
  • 中国指導者 WHO'S WHO








香港行政長官選挙へ出馬準備する唐英年香港政務官

 9月28日、香港ナンバー2の政務官を辞任する意向を表明した。香港トップである行政長官選挙に出馬準備するための予想通りの展開だ。

 香港政府の諮問機関である行政会議の召集人で香港基本法(ミニ憲法)の中国との交渉に携わった親中派実業家の梁振英氏(57)も9月26日、辞職届を提出し、同選挙への出馬を表明するとみられる。中国返還後、初めて親中派有力2候補が激突する選挙戦が予想され、香港メディアは「双英対決」と持てはやしながらも、中国政府は唐氏支持に傾いているとの見方が多い。

 5年に1度の香港行政長官選挙は、各界代表1200人から構成される選挙委員会による間接選挙。来年3月に投開票される。親中派が圧倒的に有利な仕組みとなっており、中国政府の意向が強く反映される。第一回の選挙で董建華氏が選出されて以来、水面下で中国政府が支持する候補者が内定される形で選挙が行われてきたが、今回は実質的な選挙で決まる様相を呈している。親中派2人の対決は、より公平な選挙のイメージを対外的に顕示することになり、中国政府にとって大歓迎の構図だ。

 実質的には親中派の二人が、どこまで愛国愛港(中国への愛国忠誠、香港への忠誠)を中国政府へアピールし、中国政府の目にかなうか、競い合う形だ。唐英年氏本人もかつて香港のテレビ局ATVの取材に対し、「上海で投資していた父は30年来、江沢民氏と友人関係で、私も若い頃、江氏と何度も会っている」と話しているほど。30日、政務官辞任について「中央(中国政府)は辞任を批准してくれた。中央と行政長官の信任と支持を受けたことを感謝し、行政長官選挙への参選是非を早急に決めたい」と表明した。

父・唐翔千(左端)、祖父・唐君遠(中央)と唐英年氏(右端)
 1952年9月、香港生まれ。原籍は江蘇省無錫。祖父・唐君遠(故人・元上海市政協副主席)は無錫で紡績業を営んで成功した愛国資本家。英米での留学を終えた父・唐翔千(中国の全国政治協商会議委員)は1950年、上海から香港に移り住んで紡績業を創業し富豪になる。裕福な家庭に育ち、76年、米ミシガン大学卒業後、香港に戻り、父が営む紡績工場の経営を助ける。

 91年、香港立法局議員となり、95年、香港工業総会主席に就任。同年、香港財界で組織される自由党に所属し、立法会議員に選出。97年に香港行政会議(内閣に相当)メンバーとなり、02年に香港工商科技局長に就任して自由党を離党。03年に香港ナンバー3の財政官となり、05年、香港ナンバー2の政務官に就任。今年9月28日に同職の辞任を表明した。郭、浅夫人との間に一男三女。英語名はヘンリー・タン。59歳。






バックナンバー