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2010年9月1日記 最新中国株情報 WINTRADE


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香港で8万人が無言デモ
比バスジャック事件に抗議
香港人8人死亡で追悼集会


 8月23日、フィリピンの首都マニラで香港人8人が死亡したバスジャック事件は香港や中国国内で在外中国人や香港人の安全保護についての不安と不満が広がり、中国政府と華人、華僑の新たな結束が生じている。中国人のビザ(査証)緩和が拡大する中で所得水準の高い中国人だけでなく中産階級も海外渡航が急増し、国民の要求する海外での安全確保は中国政府にとって頭痛の種だ。(深川耕治=201年9月1日記)

中港が結束、真相究明求める
華人の微妙な立場代弁
「嫌中感情」噴出を危惧

 8月23日午前、マニラのリサール(ルネタ)公園前で香港人観光客ら25人を乗せたバスが武装した元警官に乗っ取られ、地元警察と犯人が銃撃戦の末、犯人は射殺、香港人の人質8人が死亡、3人重軽傷という悲惨な結末となった。

 犯人はマニラ警察の元警邏(ら)部隊長で国家警察から何度も表彰された優秀な警官だったが、部下の起こした麻薬恐喝事件で共謀容疑がかかり、免職。名誉回復(復職)を求めて犯行に及んだ。バスジャック後、犯人は人質10人を解放したものの、実弟が警察に拘束されたとの情報が伝わり、激高。人質に乱射したため、訓練経験の浅い警官隊が突入して銃撃戦となり、最悪の結末となった。

8月26日、香港・ワンチャイの金紫荊広場で香港特別行政区旗を半旗にしてマニラのバスジャック事件で犠牲になった香港人を追悼する曽蔭権(ドナルド・ツァン)香港行政長官ら=香港政府新聞局提供
 8月23日夜、香港の曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官は「大変な悲劇であり、遺憾だ。この事件へのフィリピン政府の対応、特に結果に失望している」と非難。中国政府も「中国人を安全確保する具体的措置を講ずるよう求める」との声明を出して杜撰な対処を厳しく批判した。

 8月25日夜、8人の遺体はチャーター機で香港に戻り、26日午前、曽蔭権行政長官ら香港政府首脳が参列する中、湾仔(ワンチャイ)の金紫荊広場で犠牲者追悼のために半旗を掲揚。3分間の黙祷では香港各地の人々も同時刻に黙祷し、曽長官が終始、涙を流す姿がテレビ映像で流れた。

天安門事件追悼に似た現象に
香港の比家政婦もデモ参加


8月29日、香港・コーズウェイベイ付近で沈黙のデモ行進をする香港人の参加者たち
 8月29日、香港・コーズウェイベイでは黒と白のモノトーンで統一されたTシャツを着た香港人が集まり、沈黙で犠牲者を追悼する無言デモを決行。主催した香港立法会議員団は集合場所のステージで黙祷を捧げ、親中派議員がこぞって参加した以外は毎年6月4日に行う天安門事件追悼集会に酷似した状況となった。参加者数は主催者発表で8万人(警察発表は2万6000人)。同事件に対する香港人の危機感は予想以上に強い。同デモには少数だが、香港在住のフィリピン人女性も参加した。

 同日夜、香港在住のフィリピン人女性たち約300人は同事件で犠牲になった香港人を追悼するキャンドル集会を開催。同事件発生後、香港でフィリピン人家政婦の解雇が増えたことに対する重苦しい空気を変え、犠牲者への哀悼の意は変わらないことを強調した。

 香港とフィリピンは人的交流で切っても切れない関係にある。人口700万人の香港では外国籍の家政婦は約20万人。そのうち約13万人がフィリピン人女性で、他業種を含めると香港在住のフィリピン人は約20万人。英語が堪能で意思疎通が容易な上、家事や香港人の子供たちの教育も請け負うことが多い。

「嫌中感情」噴出を危惧

8月29日夜、香港・セントラルの公園でマニラのバスジャック事件で犠牲になった香港人を追悼するフィリピン人のキャンドル集会が行われた
 しかし、メイドの立場を卑下する香港人の視線も強く、香港人コラムニストの陶傑氏が南沙諸島の領有権をフィリピンが主張していることについて昨年3月発行の香港誌に「召使いの国は主人に刃向かえない」「給与を上げてほしいならば南沙諸島は中国領有と主張しろ」と差別的に書いたことが物議を醸し、香港在住のフィリピン人女性1000人がデモを起こしたこともある。このような嫌中感情はフィリピン以外でも根強く、むしろ逆に強まっている。その空気を最も敏感に察知しているのが世界各地の華僑、華人だ。

 今回の事件での香港人や中国人の強い反応は、中国政府が海外で中国人が事件に巻き込まれた場合、中国政府がどこまで身柄の安全を最優先するよう各国に働きかけることができるかという期待値と国民の要求値の高さを示唆するものでもある。

8月29日、香港・コーズウェイベイで沈黙のデモ行進を行う前に追悼のための黙祷を捧げる香港立法会議員たち
 今後、中国人の海外渡航が急増する中で海外での誘拐事件や今回のような捕虜事件が増える事態が想定され、中国政府や香港政府に対する安全確保へ中国人や香港人の期待度は高まるばかりだ。英国の保険会社ヒスコックスの調査によると、世界で発生した誘拐事件は1998年〜2008年の10年間で3倍以上増加し、そのうち中国人が被害に遭うケースが最多。中国外務省も海外の中国企業や中国人を標的にしたテロや誘拐事件が急増していることを警告しており、中国人富裕層が急増する中で海外での事件に巻き込まれるケースはさらに増えそうだ。

南沙諸島の中台共同開発浮上

 一方、親中系香港月刊誌「鏡報」最新号(9月号)はフィリピン、ベトナム、台湾、中国、マレーシア、ブルネイが領有権を主張している南シナ海上のスプラトリー諸島(南沙諸島)のうち、台湾が実効支配する一番大きな島である太平島について中台(両岸)が領有権争いを棚上げし、外国の挑戦を排除して共同開発すべきだとの軍事専門家の意見を掲載。太平島付近に軍民両用の飛行場を埋め立て建設して新太平島とし、油田開発や観光、軍事偵察機の離着陸に有効活用すべきだと提言している。

 海底油田など海洋資源が豊富なスプラトリー諸島に関しては、ベトナムが南威島、フィリピンがパガサ島(中業島)を実行支配しており、スプラトリー諸島全体について各国が領有権を争っている。


 




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