香港企画記事速報

2004年6月11日記


天安門15年、民主化要求増幅−香港

中国政府の分断工作も

 中国が民主化運動を鎮圧した天安門事件から十五周年を迎えた四日夜、香港のビクトリア公園で犠牲者を追悼する大規模なキャンドル追悼大会が行われた。中央政府は主催者である香港市民支援愛国民主運動連合会(支連会=司徒華主席)の分断をもくろんでいるが、中国本土進出の台湾企業への工作のようにうまくいくかどうか…。
(香港で=2004年6月11日記、写真も)


4日、天安門事件の犠牲者を追悼するために香港島ビクトリア公園で行われたキャンドル追悼大会

 支連会によると、同日の集会は一九九七年七月の香港返還以降では最大規模となる八万二千人が参加。返還後、参加者数が低迷して同事件の風化が懸念される時期もあったが、今年は民主派が強く求めていた二〇〇七年の立法会議員の完全普通選挙実現や〇八年の行政長官直接選挙の実施を中央政府が全国人民代表大会(国会)決議で拒絶したことで香港人の強い反発を呼び覚まし、同集会の参加者急増をもたらした。

 参加者は中央政府のいいなりになっている董建華行政長官の指導力不足や中国政府の強圧ぶりに対して「政治を人民に返せ」と民主化スローガンを唱え、集会が単なる追悼の域を超えた民主化要求大会に変質していることを印象付けた。

 先月三十日、支連会が行った天安門事件の再評価を求める抗議デモでも、参加者数は五千六百人(主催者発表)で返還後で最多を記録した。勢いづく民主派にとっては、七月一日に行う民主化要求大規模デモで昨年同日に行われた約五十万人参加抗議デモと同レベルの参加者数を募りたいところだ。

 これで民意が民主派にあることを示し、九月十二日に行われる立法会議員選挙(議席総数六〇)で民主派は単独過半数を目指し、議会の主導権を握って香港の政治改革を本格的に断行する足掛かりとしている。

 これに対し、中央政府は民主派の立法会議員らの回郷証(中国本土に入境するための許可証)を奪って故郷への帰省を禁止。

 九日、支連会の常務委員で野党・職工盟主席の劉千石立法会議員が「このまま中央政府と民主派が対立すれば双方討ち死にしてしまうだけ。意思疎通を行って双方が生き残るために支連会から離脱する」と意思表明。背景には回郷証を奪われたまま、広東省広州にいる病気の母親に再会することさえ許さない中国政府の政治工作に屈した形だ。

 支連会主席で野党・民主党の司徒華立法会議員はこれについて「人生の道筋では人と別れることもあれば、再会することもある」と許容。民主派の野党系立法会議員の中には同様の回郷証問題を抱えるケースが多いが、“各個撃破”をもくろむ中央政府の分断工作がどれだけの効果を上げるかは未知数だ。