香港企画記事速報
2007年12月6日記 深川耕治


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議員就任直後、バッシング受ける陳方氏 香港立法会
親中派閣僚が高官時代からの転身ぶり批判
民主派は発言撤回求め猛抗議


 12月2日の香港立法会(議会・定数60)補欠選挙で民主派の支援を受けて当選した陳方安生(アンソン・チャン)元政務官が12月5日、議員宣誓後、初登院し、香港政府閣僚から陳方氏の政務官時代を暗に批判する発言が相次いで民主派は猛反発、専門家からも「閣僚発言は香港特別行政区政府の公的イメージを損なう」と憂慮する声が出ている。(香港・深川耕治=07年12月6日記)


香港立法会で初めて発言する陳方安生立法会議員
 5日、陳方氏は立法会に初登院して議員宣誓を行い、午後の討議で「選挙期間、貧困層の現状を見てみると、香港政府は貧困層の就業対策が不足しており、見直すべきだ」「民主と民生は不可分。民主なくして公的正義はなく、市民の権益を保障できない」と三分間発言した。

 これに対し、香港政府の曽徳成民生事務局長は「新議員はかつての政府高官でありながら政府を批判している。陳方氏は最近になって貧困層に対する窮状を突然気にかけ始め、民主化や民生問題についての態度を突然変えた」と批判。陳方氏は「まるで理由のない個人攻撃。立法会議員としてのスタートになぜ、香港政府が水を差すような攻撃をするのか理解できない」と反論した。

陳方氏批判をした曽徳成民生事務局長
 また、商業経済発展局の馬時亨局長は答弁で「香港政府が巨額を投じた香港ディズニーランドの運営収益が目標を下回った失敗の責任は当時の政府官僚にもある。当時の官僚はこの議事堂の中にもいる」と陳方氏を暗に批判。香港ナンバー2である政務官を2001年4月末に引退した陳方氏は民主派の支援を得て立法会議員に就任したことで、親中派が多数を占める香港閣僚から早くもバッシングを受けた形だ。

 とくに陳方氏を登院初日から猛攻撃した曽民生事務局長は、学生当時の一九六七年、英領香港で香港企業を解雇された労働者たちが前年から始まった文化大革命の影響に感化されて「打倒英帝国主義」を掲げて警察と衝突した「六七暴動」で香港政庁に反対するビラをまいて逮捕され、二年間、投獄された経験を持つ。1990年以降、全国人民代表大会(中国の国会)香港代表に就任しており、筋金入りの親中派、中国共産党支持者として知られる。

 民主派は閣僚の陳方氏への個人的バッシングについて「節度と人格に欠ける侮辱的な発言。民主的な選挙で選ばれた議員を蔑視する言動であり、謝罪と発言撤回を求める」(民主党の張文光立法会議員)と猛反発。香港の政治に詳しい香港中文大学政治行政学系の蔡子強研究員は「英領植民地時代の香港政庁高官への不満まで持ち出す曽民生局長の発言は節操に欠ける。閣僚の立場である本人だけでなく、一国二制度を堅持する香港特別行政区政府に対する公的イメージを損なう発言だ」と憂慮している。