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2007年12月4日記    



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香港立法会補選で当選した陳方安生(アンソン・チャン)氏

 12月2日投票の香港立法会(議会=定数60)補欠選挙(香港島区・定数1=有権者約六十二万人)で親中派の後押しを受ける葉劉淑儀(レジーナ・イップ)元保安局長(57)を約三万八千票差で退け、17万5千票余を獲得して初当選した。5日に立法会議員として宣誓就任することで立法会は親中派が34議席、民主派は26議席となる。

 議員になっての初動議は「2012年の完全普通選挙実施」と断じる。葉劉淑儀氏との事実上、一騎打ちとなった今選挙の最大争点は2012年の行政長官選、立法会議員選が完全な直接選挙制を導入するかどうかの是非。自身は政務官時代から中国の香港統治介入に反対する立場で欧米メディアから「香港の良心」と評され、区議選での民主派大敗で苦戦を強いられる危機感をバネに民主派を結束させ、大半の選挙民が強い関心を示す2012年の直接選挙導入を強く訴えていた。

 当選確定直後、「勝利は私個人のものではなく、民主化を熱愛する香港人のものだ。有権者の視線は普通選挙の早期実現問題に強く向いている」と勝利宣言。「危機的な民主化運動にとって今回の勝利は後押しになる。今選挙運動の経験から真の民主主義こそが私たちの自由や価値を守り、思いやりある公正公平な社会を形成する唯一の道であることをより強く確信した」と話す。

 11月18日投開票の区議会(地方議会)選挙で親中派が躍進、民主派は屈辱的な大敗だったことで、同補欠選では背水の陣を敷いた民主派は多大な資金と人材を投入して陳方氏を支援。「民主派は資金の使い方、草の根レベルの組織との接し方など戦略を見直せば次回は好結果を残せるはず」と期待感をにじませ、来年九月十四日投票の立法会議員選に向けて自身が「民主派の顔」になることに抵抗感はない。

 「エリートすぎて庶民の痛みが分からない」との親中派からの批判に対しては「香港社会は富める者と富まざる者の格差拡大が悪化し、目に見える経済繁栄の華やかさによって直面する社会問題を見えなくさせてはいけない」とかわす。中央政府や親中派は次期行政長官ポストを狙うための準備ではないかとの疑念を持ち、警戒感を高めている。

 中国返還前は「公正中立で有能」と評価されていた香港の高級公務員だが、今回の選挙で表立って陳方氏を応援することはできず、むしろ中央政府を恐れて葉劉氏支持のスタンスに鞍替えする陳方氏の元部下にあたる元政府高官も多かった。陳方氏は長年の友情や信頼が「親中化」されていく政府内部で失われる様を内心失望しながら見つめていた。

 しかし、変わらぬ信頼関係もあった。一番感激したのは「親友の任関●(にんべんに凧)英(リリー・ヤム)氏と夫が支え続けてくれたこと」と語る。任関・元環境食物局長は同選出馬の提案を陳方氏に行ったことが明らかになった後、外部からの様々な嫌がらせ圧力に屈せず、応援し続けてくれたという。

 陳方氏の当選は、香港が経済的繁栄を享受して満足しているとしても、とくに香港島区で主流となっている中産階級の人々にとってはさらなる民主主義の拡大が大きな関心事であることを香港政府や中央政府に対して突きつける格好となった。

 1940年1月17日、上海生まれ。双子の妹(陸方寧生)がいる。1948年に家族とともに香港に渡り、香港大学文学部(英文学)卒業後、香港政庁入りし、公務員上級試験に女性として初めて合格。香港ナンバー2である政務官を2001年4月末に引退。祖父は中国国民党の名将として知られる方振武将軍(日中戦争で死亡)で、安徽省の名家の出身。67歳。

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