香港企画記事速報
2007年11月30日記 深川耕治


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陳方安生氏、一歩リード 香港立法会補選
民主派退潮で苦戦バネに


 12月1日投票の香港立法会(議会=定数60)の補欠選挙は元女性高官2人の一騎打ちで激戦が展開、民主派の支持を受ける陳方安生(アンソン・チャン)元政務官(67)が親中派の後押しを受ける葉劉淑儀(レジーナ・イップ)元保安局長(57)に一歩リードする形で最終盤を迎えている。(香港・深川耕治=07年11月30日記)


陳方安生氏
葉劉淑儀氏
 同補選は親中派最大政党・民主建港連盟(民建連)の馬力前主席が八月、死去したことに伴い、香港島区(有権者約62万人)で行われるもの。11月18日の香港区議会(地方議会)選挙で親中派の民建連が議席を大きく伸ばして躍進、民主派は大敗した直後の選挙だけに、中国返還十年を過ぎた香港の民主化を問う選挙民の支持度を見る上で中央政府も強い関心を寄せている。

 今月初め、香港大学の世論調査結果(下図)では、陳方氏の支持率が41%、葉劉氏が38%で大接戦だったが、両者とも街頭応援に繰り出した区議選投票日直前になると、陳方氏(52%)が葉劉氏(31%)を大幅リード。だが、民主派が大敗した区議選直後から選挙情勢が変わり、今月末の時点では陳方氏(43%)が葉劉氏(32%)を一歩リードする形でじわじわと差を縮めつつある。

 最大の争点は2012年の行政長官選、立法会議員選が完全な直接選挙制を導入するかどうかの是非。陳方氏は政務官時代から中国の香港統治介入に反対する立場で欧米メディアから「香港の良心」と評され、区議選での民主派大敗で苦戦を強いられる危機感をバネに民主派を結束させ、大半の選挙民が強い関心を示す一二年の直接選挙導入を強く訴えている。

 一方、葉劉氏は2012年あるいは2017年の導入を求め、前提として中国政府の同意が必須で(親中派を含めた)市民コンセンサスが重要とのスタンスだ。葉劉氏は中国政府転覆を謀る活動を禁じる国家保安条例案の制定問題で施行推進を香港政府内で実務責任者(保安局長)として果たそうとしたが、同条例案阻止を求める50万人を超える民主化デモで2003年6月に辞任した苦い経験がある。その後、米スタンフォード大への留学を終え、香港でシンクタンク「匯賢智庫」を立ち上げ、区議選では匯賢智庫から出馬した4人の研究者のうち2人が当選している。