マカオ関連記事  2007年4月5日記 最新中国株情報 WINTRADE



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凍結資金返還、中朝米にきしみ−迷走するBDA問題
中国銀は受け取りを拒否
米の対話路線裏目に

 米国の対北朝鮮金融制裁をめぐり、マカオの金融機関バンコ・デルタ・アジア(BDA=マカオ匯業銀行と子会社・香港匯業信貸有限公司)に凍結された北朝鮮口座資金約二千五百万j(約二十九億円)の早期返還に向け、米朝両国は北京で大詰めの調整に入っている。だが、返還受け入れ先の中国銀行は拒否。六カ国協議の休会が続き、北朝鮮の核施設封印は期限内で履行することは困難となった。米の対話路線が裏目になり、BDA問題はこのままでは北朝鮮の独り勝ちになりそうだ。(マカオ・深川耕治、写真も)


マカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA=マカオ匯業銀)

 米国は北朝鮮に対して強硬路線から対話路線に転換し、三月十九日、米朝両国はBDAで凍結されていた北朝鮮関連口座の全額を北京の中国銀行にある北朝鮮口座へ返還することで合意。だが、中国銀行は受け入れを拒否し、六カ国協議は二十二日に休会した。その後、グレーザー米財務副次官補(テロ資金・金融犯罪担当)が二十五日、北京入りし、中国銀行への返還問題について中国当局との交渉を重ねているが、米中朝間で思惑が違い、解決の見通しが立たないままだ。

 四月三日、マカオ政府財政部門トップの譚伯源(フランシス・タム)経済財政官は「ここ二日間でBDAの北朝鮮資金移管問題について、マカオ政府内で自主的に検討し始めるような動きは一切ない。顧客の口座照会についてはできるだけ適切に処理される」と話し、あくまで北京の米朝協議の結果次第で受動的立場であることを強調した。譚氏は先月、凍結された北朝鮮関連口座には違法行為の証拠はなかったとのマカオ政府の調査結果を発表している。

 米財務省は二○○五年九月、愛国者法に基づいてBDAを北朝鮮によるマネーロンダリング(資金洗浄)に協力した疑いがある金融機関に指定し、米金融機関はBDAとの取引を停止。その直後からBDAの銀行部門である匯業銀行では預金者らが預金を引き出すための長蛇の列をつくる取り付け騒ぎが発生し、BDAはマカオ当局の管理下に置かれて同行の北朝鮮関連の五十口座(約二千五百万j)を凍結した。

 BDAは一九三五年に創業したマカオの中堅銀行で、香港に二支店、マカオに八支店がある。BDAの区宗傑(スタンレー・アウ)会長は三月二十九日付のマカオ紙「マカオ日報」や中国系香港紙などに「BDAに関する厳正な声明」と題する広告を出し、マカオ当局の管理下に置かれた〇五年九月以降、約十八カ月の監察期間で運用問題で違法行為は一切認められず、二つの著名な国際会計士事務所での監査結果でも違法活動への関与がなかったとの報告が発表されたとして身の潔白を訴えた。

 米当局は当初、中国国有四大商業銀行の一つである中国銀行やマカオのカジノ王と呼ばれるスタンレー・ホー氏が経営する恒興銀行もマネーロンダリングに関与しているか調査しているとされたが、昨年二月、中国銀行香港の子会社である香港の銀行「集友銀行(一九四七年香港開業、香港に二十三支店、福建省に二支店)」に開かれた三口座二百六十七万j(約三億一千万円)以上の口座資金が一年前から米司法当局の要請で凍結状態にあることが米公判資料で明らかになっている程度で、金融制裁のターゲットはあくまでBDAのみとなったことにBDA側は強い不満を抱いている。

 米財務省がBDAをマネーロンダリングの「主要懸念先」に指定した理由の一つは一九九四年、マカオで四十年近く事実上の北朝鮮代表部の役割を果たしながら、輸出入業務やビザ発給を行っていた北朝鮮企業「朝光貿易」が、取引先銀行であるBDAを通して偽造紙幣を両替しようとしたところ、BDAがマカオ警察に通報して摘発された事件が大きい。

 区会長は新聞広告の中でも、同事件について触れ、銀行側が偽造紙幣を発見して警察に通報した立場であり、商業犯罪防止をマカオ当局と協力しながら行っている被害者的立場であることを強調している。

 BDAの北朝鮮関連口座は大半が朝光貿易の元総支配人などが名義人。金正日総書記の私的な秘密資金を取り扱っていたとされる。米財務省による金融制裁が発動され、〇五年末までに朝光貿易はマカオから撤退し、隣接する広東省珠海市内に事務所を移転した。

 しかし、「朝光貿易有限公司」という社名で中国内で商業登録しているのは韓国の別の会社(上海、広州、青島などに事務所)があり、「社名を変更して商業登録し、活動している可能性が高い。ただ、中国では反マネーロンダリング法が制定され、賭博マネーを自由に扱えるマカオのようには抜け道がなく、中国当局の厳しい規制と監視が増しているので違法な地下銀行を利用するしかないのではないか」(珠海市内の貿易商)という。

 六カ国協議で北朝鮮はBDAの北朝鮮関連口座約二千五百万jの資金を北京の中国銀行にある朝鮮貿易銀行名義の口座に送金しなければ実質的な核論議に入らないと主張し、米側が同意。早期再開には、中国銀行がBDAの北朝鮮資金を受け入れるかどうかが大きな鍵を握る。だが、口座名義の確認や決済で難航している。中国銀行だけでなく、BDAに約七百万j(八億円)の口座を保有する英国の金融機関関係者や資金の一部(七百万j)を所有する北朝鮮の外資系金融機関・大同信用銀行も中国銀行への返還を拒否。移管手続き上、口座名義人の了承を得るのにも予想以上に手間取っている。

 三月二十二日、中国銀行の李礼輝頭取は香港で中国銀行(香港)の〇六年度決算報告を行い、「北朝鮮口座資金が違法性のあるものか、現時点では判断できない。香港でも上場した当行は、報じられているようなマネーロンダリングにかかわる北朝鮮の違法資金に一切関与できないし、あくまで法に従って運営する」と述べ、集友銀行の口座凍結問題も抱え、上場銀行が違法性の濃厚な資金を扱うことで国際的信用を失いかねないリスクを強く憂慮している。

 核問題をめぐる六カ国協議は北朝鮮主導で休会が続き、二月に合意した北朝鮮の核施設の稼働停止・封印を六十日以内に履行することは困難になってきた。核論議進展を優先するあまり、金融制裁解除を認めた米国のヒル次官補らの対応に強い批判が米国内から噴出。北朝鮮は資金返還の混乱による巧妙な時間稼ぎを続け、米朝中の思惑の違いを利用して議論のさらなる遅延を図り、いわば独り勝ち状態になりつつある。


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