香港企画記事速報
2007年12月1日記 深川耕治


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米艦の香港寄港拒否で“報復合戦” 米中
拒否は中国指導部の決定 香港誌報道
台湾海峡通過し帰港 キティホーク
政治問題で揺れる米中軍事交流


中国が米空母キティホークや米フリゲート艦の香港寄港を十一月に拒否した問題で米中軍事交流に微妙な影を落とす中、入港拒否が中国側の単純ミスではなく、中国最高指導部が硬軟両様を用いて外交主導権を奪取しようとする新外交戦略に転じた結果との見方が出てきている。(香港・深川耕治)


米空母キティホーク
 香港誌「亜洲週刊」最新号は、中国当局がキティホークの香港寄港を拒否した後に許可した背景は、十一月二十日午前に軍トップである胡錦濤中央軍事委主席が召集した外務省、中央軍事委の幹部を集めた会議で決定した硬軟入り交じった揺さぶりによる新外交戦略の結果であると報じた。

 米空母キティホークと護衛艦五隻は感謝祭の乗員休養のために十一月二十一日から四日間、香港寄港を予定していたが、「一ヶ月前に申請していたにも関わらず、二十一日午前になって突然、中国外務省が寄港を拒否したため、香港水域に入る直前に引き返した」(香港の米国領事館)。その後、通常航路である台湾本島の南海域を通過せず、中台関係を緊張化させかねない台湾海峡をあえて通過して母港・横須賀へ戻るルートを選んだ。

 中国当局は、同十九日、波浪回避と給油のために香港寄港を求めた米掃海艇の入港を拒否。同二十二日には、十二月下旬に香港寄港を予定していた米フリゲート艦「ルーベンジェームズ」の入港を拒否していた。ところが同日、キティホークに関しては「人道的立場から入港を許可する」として入港拒否を撤回して受け入れた。キティホークはすでに台湾海峡を通過しようとする航路上で、「香港寄港時に隊員八千人らが家族とともに過ごすはずの感謝祭の時間を失った」(米海軍のディック・レン司令官)として香港再寄港は実現しなかった。

 二十八日、米国防総省は駐米中国大使館の武官を呼んで正式抗議し、ブッシュ米大統領も同日、楊潔●(竹かんむりに褫のつくり)中国外相との会談で寄港拒否に対して米側の懸念を伝えた一方、楊外相は「誤解によるもの」として重大問題として扱おうとしなかった。

 しかし、二十九日、中国外務省の劉建超報道官は、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ十四世が十月訪米時に議会でメダル授与されたことや米国が台湾へ武器売却を決定したことを挙げて米側を非難、寄港拒否の理由との見方を示した。米紙ワシントン・タイムズは米艦の香港寄港拒否問題が米ネット基盤製造会社のスリーコム社を買収しようとしている中国の華為技術有限公司の動きに影響があると報じており、米中両国の軍事交流に微妙なきしみをもたらし始めている。