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2008年10月2日記 最新中国株情報 WINTRADE


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米国人殺害で閉鎖続く−北京・鼓楼

腐敗官僚への不満浮き彫りに

 8月8日、壮大な中国の歴史絵巻を演出した開会式でスタートした北京五輪は、米国を抑え、中国が金メダル獲得数トップを躍進中だ。国威発揚と愛国意識高揚が庶民の間でも増している。その一方で「アテネ五輪より警備は厳重」と厳戒態勢を取っていた北京の鼓楼で米国人が中国人から殺害され、新疆ウイグル自治区での警察襲撃事件やロシアとグルジアの軍事紛争勃発など、北京五輪組織委員会は開幕後の相次ぐ内外トラブルに見舞われ、苦境に立たされている。(北京・深川耕治、写真も=08年8月12日記)

「遺書」で中国政府を批判

鼓楼を観光で訪れた欧米人たち。鼓楼内は閉鎖され、一般開放される日程は不明なままだ=深川耕治撮影
 米国人殺害事件から3日後の8月11日、北京市中心部の観光名所・鼓楼の現場は閉鎖されたままだった。古い街並みが保存され、庶民の生活が息づく胡同(フートン)がある鼓楼周辺では欧米人の観光客らが時折、閉ざされた正門前や入場チケット売り場に来て旅行ガイド本を見ながらあきらめ顔で通り過ぎていく。

 ロンドンから北京観光に来たという英国人ウイリアム・デービスさんは「米国人がテロに遭ったので仕方がない。四年後はロンドン五輪なのでこんな失態はしてほしくなかった」と鼓楼訪問を断念する悔しさをにじませた。

 鼓楼は明、清の時代に太鼓を使って時間を知らせた楼閣で日本人観光客もよく訪れる人気スポット。鼓楼の太鼓は、北京で一九九〇年に開催されたアジア大会の開会式でも使われた。

 事件は九日正午(日本時間同午後一時)過ぎ、米国人観光客の男女と中国人女性ガイド一人の計三人が浙江省杭州出身の中国人男性(47)に鼓楼で刃物で突然襲われ、米バレーボールチームのコーチの親類である米国人男性一人が死亡、米国人女性と中国人ガイドの二人も負傷する悲劇となった。

 犯人の男性は犯行直後に鼓楼二階部分から飛び降り、自殺した。

 事件の背景にあるのはゆがんだ貧富の格差からくる犯人のやるせない不満だ。北京公安当局の発表によると、犯人は杭州出身の唐永明容疑者で現在は無職。杭州市内の工場で働いていたが辞め、住居を転売して住所不定。前科のある一人息子を溺愛し、五年前に離婚。今年八月一日、北京入りしていた。香港の人権団体・中国人権民主化運動情報センターによると、立ち退き問題で生活苦にあえぎ、北京に陳情に行ったとの情報もある。

 中国語ウェブサイト・博訊網などには唐容疑者が北京五輪メーンスタジアムの国家体育場設計顧問である中国現代美術家・艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏に宛てたとされる遺書が公開された。

 内容は「中国共産党の統治下にある人民の苦しみを世の中に広く覚醒させるために実行する」「北京五輪は多くの人々の生命を滅ぼす。汚職役人の罪悪は明白だ」など、腐敗官僚への不満が動機として浮き彫りにされている。

 北京五輪開会式に参加しなかった艾未未氏は遺書についてネット上で作られた可能性もあるとしながらも「数十万人の警察が警戒する社会が本当に安全と言えるのか。和諧社会とは抗議者不在の社会ではない」と痛烈に中国政府を批判している。

 同事件で閉鎖された鼓楼周辺のカフェや土産物店は閑古鳥状態。北京五輪景気を見越したはずが、「当局から外部の者には一切話すなと指示されているが、商売上がったりでやってられない」と商店主は憮然とした表情。新たな不満が生まれつつある。



 




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