台湾関連情報  2008年4月16日記  最新中国株情報 WINTRADE


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「一つの中国」棚上げ、微妙なしこり 中国ボアオフォーラム
胡主席・蕭万長氏会談、友好を演出
蕭氏の厚遇、チベット批判削ぐ狙い


 
4月12日、中国海南島のリゾート地・博鰲(ボアオ)で開催されたボアオアジアフォーラムで中国の胡錦濤国家主席と台湾の蕭万長次期副総統(写真=深川耕治撮影)が会談し、陳水扁政権下で冷却化した中台関係の雪解けが始まった。チベット騒乱鎮圧への国際批判を削ぐ蕭氏への異例の厚遇ぶりは友好ムードを演出し、北京五輪前の中台関係安定化を象徴させる中国側の意図と五月二十日に発足する馬英九新政権が公約した中台経済交流拡大を示す国民党の狙いが合致したもの。だが、その裏には「一つの中国」を巡る中台の確執も見え隠れする。(深川耕治=08年4月16日記)


 蕭氏の同フォーラム参加は6回目。2003年以降、民間団体「両岸共同市場基金会」会長の肩書きで同フォーラムに毎年出席している蕭氏は「これまでは二列目か三列目だったが、今回初めて最前列に座った」と談笑。4月11日に開かれた海南省政府主催の晩餐会では胡錦濤国家主席らと共に主賓席テーブルに夫婦で座り、各国の国家元首級に相当する待遇を受けた。

 蕭氏は締め切り期限が過ぎた3月下旬に出席意向を示し、主催者側は同意。胡主席との会談にも応じた。この点に対して「25万ドル支払って貴賓待遇を受けた」(台湾紙「自由時報」)、「再三の中国側の電話攻勢依頼に屈して香港やマカオの行政長官と同じ待遇を受けている」(陳水扁総統)などの批判を受け、蕭氏や同フォーラム側は誤解として反論している。

 蕭氏は胡国家主席との会談で(1)中台直行の週末チャーター便実施(2)中国人観光客の台湾への早期渡航拡大(3)中台の経済貿易正常化(4)中台対話の枠組み再構築−の四項目を提示。「中台双方の現実を直視して争いを棚上げし、ウイン・ウイン関係を追求していこう」と呼びかけた。胡錦濤国家主席は「台湾との関係改善を深く考えるきっかけとなった」と話すと、蕭氏は「ほぼ十年ぶりに中台対話を公式に再開する」と発表した。
 会談では経済交流強化が合意された一方、「一つの中国」をめぐる政治的に敏感な話題は避け、歩み寄りはないままだ。

 同フォーラムで注目されたのは、中台和解を対外的に示すわずか20分の胡−蕭会談よりも、4月13日に開かれた「両岸経済貿易展望に関する円卓会議」で蕭万長氏と中国の陳徳銘商務相が共同司会を務め、その打ち合わせの形で会談した際の動向だ。

 同円卓会議で蕭氏は「将来、中国大陸の観光客受け入れ拡大や週末チャーター便解禁、大陸資本の台湾への投資開放、金融業や航空・運輸業の開放を行いたい。台湾の次期政権が打ち出す経済政策は中台貿易の新たなビジネスチャンスを生み出す」と述べ、総統選での公約をあくまで死守する決意だ。

 だが、同円卓会議後、中国商務省が発表した合意事項の4項目目には「『一つの中国』の原則に基づき、速やかに話し合いの道を確立する」との一文がプレス発表で入れられていた。中国国営新華社通信が公表した共同声明にも同表現は入っておらず、蕭氏は討議内容に一切なかったと反発して「一つの中国」を正式文書では入れないことが確認された。中国商務省担当者はあくまで中国大陸メディア用の発表内容で台湾側メディアに配布されるものではないとして政治的に敏感な争議を誘発させないよう火消しに必死だった。

 中国メディアは次期台湾副総統である蕭氏があくまで民間団体トップとして胡主席と会談したことだけを強調、陳政権下の中台関係が「政冷経熱」(蕭氏)であることを打開したい中国側としては政治的に敏感な「一つの中国」の原則を台湾側に強引に認めさせるには外交舞台ではない同フォーラムでは時期尚早と受け止めつつ、国内向けには何らかの得点を示したい思惑が垣間見える動きだ。

 胡−蕭会談を受け、4月14日、馬英九次期総統と蕭万長次期副総統は台北市内で記者会見し、馬次期総統は中台直行チャーター便を7月から毎週末に運航し、中国人観光客受け入れのため、就任後できるだけ早い時期に中国との実務協議に入る方針を明らかにした。

 馬氏は「中台間の氷山の一角が溶けただけだ。長い道のりを一歩一歩前進し、軽率に行動したり、引き返すことは絶対にできない」と述べ、台湾の対中民間窓口機関である次期海峡交流基金理事長に江丙坤国民党副主席を抜擢することを発表。江氏は東京大学に留学して農業経済学博士号を取得した知日派で李登輝政権時代の経済部長(経済相)など経済担当を歴任しており、中台関係改善に期待がかかっている。

 関西地方から台湾に戻ったばかりの江氏は4月末に国民党副主席の立場で中国入りし、中台直行便や中国人観光客の台湾観光枠拡大、人民元の取り扱いなどについて中国当局と意見交換する予定だ。国民党筋によると、正式な海峡交流基金会理事長就任前なので協定署名などはできない立場だという。

 馬氏は会見で「中国大陸や香港を訪問する計画は当面ない」とも述べ、胡−蕭会談はチベット騒乱の国際的批判をそらすもので台湾は騙される恐れがあるとの一部指摘については「騙す手口かどうか判断する常識はわれわれに備わっている」とかわした。

 馬次期総統は生まれた土地である香港への愛着も語り、中台間の直行便が実現した場合の香港への経済的悪影響懸念を一蹴。「香港人が台湾を訪れやすくする道を探る」と香港との関係強化へ期待をにじませた。

 蕭次期副総統は「対話再開の時期を語るのは時期尚早」と慎重だが、馬次期総統は五月の総統就任後、できるだけ早い時期に実施したい意向を示した。中台対話は「一中各述」(「一つの中国」について各自解釈する)で合意した一九九二年のシンガポール会談で開始されたが、九九年、李登輝総統(当時)が中台関係は特殊な国と国の関係と定義したことで協議が決裂(表参照)。〇〇年以降、独立色の強い陳水扁政権八年間は関係が冷え込んだ。馬英九氏と蕭万長氏は中台関係の改善で低迷する台湾経済をテコ入れするとの選挙公約で三月二十二日、正副総統に当選し、実現への期待が高まっている。

 また、次期行政院長(首相)には行政院副院長や交通部長(交通相)を歴任した東呉大学の劉兆玄学長を起用。馬次期総統と同じ原籍が中国湖南省の劉氏は国民党政権で行政院長が蕭万長氏だった時代、行政副院長として一九九九年に二千四百人以上の死者を出した台湾中部大地震で救助活動の指揮を執って高い評価を得ている。

 台湾の張五岳淡江大学大陸研究所教授は「米国経済の悪化、原油や天然ガス価格の高騰など国際経済環境が台湾にも悪影響を及ぼす中、馬英九次期総統は総統正式就任前に『準』副総統や『準』海峡交流基金会長を中台経済拡大のキーマンとして積極的な第三のパイプを積極的にフル活用し、台湾経済改善の突破口にしようと試みている」と分析している。

【中台関係をめぐる主な動き】
1949年10月 中華人民共和国成立、12月に国民党が台湾へ。
1955年9月 中国人民解放軍と台湾軍が金門島で砲撃戦
1971年10月 中国が国連加盟、台湾が国連脱退
1987年7月 台湾が38年ぶりに戒厳令解除、退役軍人の中国帰省を認可
1993年4月 中国の汪道涵海峡両岸関係協会長と台湾の辜振甫海峡交流基金会理事長がシンガポールで初の中台「民間」のトップ会談
1996年3月 中国人民解放軍が台湾海峡でミサイル演習。台湾初の総統直接選挙で国民党の李登輝氏当選
1999年7月 李登輝総統が中台「二国論」(中国と台湾は特殊な国と国の関係)を表明、中国猛反発
2000年5月 台湾総統に民進党の陳水扁氏が就任、国民党が下野
2002年8月 陳水扁総統が「一辺一国」論(中国と台湾はそれぞれ別々の国)を提起
2005年1月 中国と台湾が春節(旧正月)時に初の直行チャーター便運航
2005年3月 中国が反国家分裂法を制定
2005年4月 台湾の連戦国民党主席が訪中し中国の胡錦濤党総書記と60年ぶり国共トップ会談
2006年2月 台湾で「国家統一綱領」を事実上廃止
2007年9月 北京五輪の聖火、台湾通過協議が決裂
2008年3月 台湾総統選で国民党の馬英九氏が初当選
2008年4月 中国の胡錦濤国家主席と台湾の蕭万長次期副総統が会談



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