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2009年11月26日記 最新中国株情報 WINTRADE


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新型インフル、中国で猛威
第二波到来で急拡大へ

死者増え集団感染で混乱も

対策後手、政府発表に疑念の声


 新型インフルエンザが中国本土で猛威を振るい始めている。中国衛生省の公式発表では感染者数6万9160人、死者53人(11月15日現在)。冬に向けてウイルス感染しやすい時期を迎え、学校など公共施設での集団感染が急増している。死者数集計に疑問の声が出る中、香港と接する広東省では新型肺炎(SARS)のような再来防止へ本格的な対策に追われているが、対策は後手に回り、感染爆発による混乱が回避されそうにない。(深川耕治、写真も=09年11月26日記)

上海浦東空港でマスクをつけて入境する日本人旅行者たち=深川耕治撮影
 新型肺炎流行時に政府の感染者数隠ぺいを批判して活躍した鐘南山・広州呼吸疾病研究所長は11月18日、政府発表の新型インフルエンザ死者数について「一部地域で隠ぺいされている。公表数値は全く信じられない」と発言、政府発表数値に正面から疑念を投げかけた。

新型インフルエンザ患者が増える香港の病院
 専門家が政府発表数値を批判したのは初めて。とくに問題となるのは、感染の疑いがありながら死後、ウイルス検査を行わない故意の隠ぺい行為だ。鍾所長は流行ピーク期には中国の人口の最大で2割が感染して入院患者は800万〜1700万人になる可能性があると見通し、対策が遅れれば国内総生産(GDP)が0.5%前後減少する経済打撃になると警告している。

 WHO(世界保健機構)駐中国代表は「新型インフルエンザの中国での死者数は氷山の一角。実際は政府発表よりも高いだろう」と判断。11月24日、同代表は中国本土で新型インフルエンザウイルス変異症例が確認されたと発表している。

今後の香港のインフルエンザ対策について記者会見する香港衛生防護センターの曽浩輝総監
 北京市衛生局が11月24日に発表した同市内での新型インフルエンザ死者数は26人。前回発表の死者3人から急増した。理由について市当局は「死因がインフルエンザ以外の疾患のケースが増え、感染を確認するのに手間取った」としているが、11月中旬のインフルエンザによる急診数が同月上旬に比べて20.9%減少していると発表していることから見ても矛盾をはらむ結果となっている。

 北京で最初の死亡例は北京航空宇宙大学で軍事訓練を受けていた男性。肺に感染が認められた後、先月27日に死亡し、その後、死者数が26人に急増。感染者数は11月24日現在、9007人(うち重症例80人)に達している。

 来春、万博が開催される上海市では11月19日現在、新型インフルエンザの感染者数は1688人(うち重症例4人)で死者がゼロ。万博準備期に感染拡大を抑制したい上海市政府だが、北京と比較しても感染者数が五分の一も低く、正確さに疑問が残る。

1日50万人が出入境する香港と深センはインフルエンザ対策でどこまで感染を防げるか疑問視される写真は香港側の羅湖
 一方、香港と接する広東省深セン(土ヘンに川)も感染が拡大。20日、同市内で新型インフルエンザによる初の死者が確認された。死亡したのは市内の衣料品販売の女性(20)。単なる風邪と思い込み、市販薬を服用して重症化し、入院時には手遅れになっていた。市衛生当局は同日、「このまま流行拡大すれば新型インフルエンザ感染者数が100万人を超える」との見通しを発表している。

 深セン市では今年8月から新型インフルエンザ患者が出始め、9月以降は季節性インフルエンザ患者数を上回って10月後半からは大半が新型インフルエンザ患者。すでにピーク期を迎えつつある。

 深セン市疾病予防コントロールセンターの程錦泉主任は「疑似病例を細かく検査しているわけではないので、実際の感染者数は市政府発表数値をはるかに上回るはず。専門家の見通しでは少なく見積もっても人口の1割に達する」と指摘する。

中国での新型インフルエンザワクチン接種風景
 新型肺炎で水際対策ができなかった香港にも深セン市衛生当局の発表に衝撃が走っている。香港衛生防護センターの発表によると、香港では、18日現在、感染者数が3万2091人、死者40人。今年7月から新型インフルエンザの第一波が襲い、同月10日にフィリピン籍男性が死亡。10月末から第二波が広がりつつあり、早ければ12月からピーク期に入ると予想されている。

 感染対策や統計数値に厳格な香港(総人口700万人)に対し、深セン(総人口1200万人)は感染者が1136人、死者1人となっており、中国側の数値は疑問が残るものだ。

 香港では毎日50万人が深センとの間を出入りし、観光客が増えるクリスマス期間や来年2月の春節(旧正月)の帰省ラッシュでの感染拡大を憂慮している。香港人のうち成人の約15万5千人が中国本土に居住し、大半が深セン。「深センがくしゃみをすれば、香港は風邪を引く」という状態だ。

 広東省の新型インフルエンザのピーク期予想は12月。同省の死者数は20日現在、7人(広州2、東莞2、茂名1、仏山1、深セン1)に達している。広東省では感染者拡大に伴う入院設備や医療従事者数が不足。同省新型インフル臨床専門家チームは「病床数、救急の重症患者に対応する医師、看護師数が絶対的に不足している。とくに重症患者のための集中治療室(ICU)が足りない」(同チームの肖正倫副主任)と警告している。

 新型肺炎騒ぎの時と同様、感染爆発に対応できるだけの緊急措置は人材、設備を含めて不十分なままだ。中国政府はワクチン接種による対策のみ強調。広東省ですら新型インフル危機管理対策が後手に回っており、中国の他地域ではさらに医療態勢の不備が吹き上がりそうだ。


 




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