話題の人登場 2012年1月28日記(深川耕治)

   



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台湾の民主化綴るブログが中国で人気の中国人留学生・蔡博芸さん

 1月14日投開票した台湾総統選と立法委員(国会議員)選は、中国でも中国版ツイッター・微博(ウェイボ)に状況が続々と転載され、高い関心を持たれた。

 その情報源の一つとして台湾で「陸生(ルーシャン=大陸留学生の略)」と呼ばれる中国大陸からの留学生たちの存在がある。台湾の私立大である淡江大学1年生として昨秋から留学し、昨年11月から留学体験を中国の人人網に書き綴った日記「台湾でのわが青春(我在台湾我正青春)」が一躍人気の的となり、一日数万アクセスとなっている。

 台湾総統選挙の中盤から終盤に向かう時期と重なっただけに、台湾へ旅行目的で来る中国人観光客と違い、政治経済や文化、生活の違いなどを鋭く切り込み、しかも「他人を論評する資格も罵る資格もない」との謙虚な九〇後(1990年代以降に生まれた世代)の瑞々しい感性が中国大陸で高い評価を受けている。

 馬英九政権が対中融和策として三通(中台間の通信、通商、通航の直接往来)を解禁させると同時に推進している交換留学が拡大することで、昨年は中国大陸学生の台湾留学元年とも呼ばれ、中国大陸の学生975人が台湾各地の高校、大学に留学。蔡さんもその一人だ。

 「同じ普通語(標準中国語)でも細かい表現が違い、最初は戸惑った」「中国の物価は意外と高い」など生活観を表し、「台湾と大陸は地理的距離は遠くないが心理的距離が遠いのだ。時間差ではなく、時代差がある」とも。台湾の同級生と交流して分かったことは台湾が民主化が成熟しているとは言っても「大多数が統一を望まず、現状維持を望んでいる」「台湾のメディアは娯楽化しすぎている」「民主政治でも、とても良いとは言えない(最良ではない)」。

 ブログに「四年後は台湾の重厚な経験を吸収して大陸に変えるスポンジになる」と記し、台湾の出版社が作家デビューを打診。好運をつかみつつある。中国・甘粛省生まれ。浙江省湖州で育った19歳。


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