中国企画記事 特選

2004年11月15日記

橋の通行料不公平めぐり放火 中国広東省掲陽市
消防車が住民圧死、不満が増幅 9人死傷、武装警察が鎮圧

 中国広東省東部にある掲陽市の榕華大橋料金所で11月10日夜、料金所員が不公平な通行料請求に不満の声を上げた地元婦人を殴打し、それに腹を立てた住民らが料金所にガソリンをまいて放火、駆け付けた消防車が住民を圧死させて騒ぎが拡大し、地元公安当局は武装警察隊を投入して鎮圧した。(04年11月15日記、深川耕治)


 同事件で住民一人が死亡、一人が負傷し、消防隊も七人が負傷。騒ぎを起こした少なくとも五人が公安当局に拘束された。

 十二日付の地元紙「掲陽日報」などによると、事件が発生したのは十日午後九時半(日本時間同十時半)ごろで、消防車がゆっくりしたスピードで住民二人をひき始め、そのうち一人を圧死させたのは地元公安当局が騒ぎを鎮圧する行動に入ったことが原因。香港紙「明報」によると、同事件を周囲で見ていた住民は二万人から三万人に上ったとしている。

 地元住民は数年来、同大橋で強制的に通行料を取られていることに強い不満を抱いており、料金所の竹かごに料金を投げ入れるよう指示され、領収書すら発行しない不透明な徴収方法について、たびたび地元政府に抗議していた。バイク一台で橋を通過する場合、片道二元(一元=十三円)、往復四元を強制徴収。地元政府の規定に従い、十月になって一旦は徴収を廃止したが、十一月に入って再び徴収を再開していた。

 事件は地元婦人一人が橋の通行料徴収に不満を主張して料金所員と言い合いになり、料金所員が婦人を殴打したことが地元住民らに伝わると、約一千人の地元住民がガソリンを料金所や料金所の車輌にまいて放火。

 消防車四台で鎮火にかけつけた地元消防隊は地元住民の鎮火阻止に遭い、そのうち二台の消防車が地元公安当局の指示で動き出し、子ども一人と老人一人をひいた。ひかれた子どもは死亡、老人は病院に搬送され、重傷を負っている。その後、武装警察隊が騒動を鎮圧し、五人を拘束しているが、事件の首謀者は見つかっておらず、十六日までの期限付きで自首を求めている。

 十月に入り、中国内では地方住民による大規模な争乱事件が頻発している。十月十八日、重慶市万州区では市民同士のけんかをきっかけに政府役人への不満が広がり、市民数万人が区政府庁舎を取り囲んで警察車輌が焼かれる暴動に発展、武装警察が鎮圧した。同月二十七日には河南省中牟県で多数派の漢民族とイスラム系少数民族の回族住民が交通事故をきっかけに五百人規模の衝突を起こし、七人が死亡、多数が負傷。

 同二十八日には四川省漢源県で発電所建設による移民問題で地元住民十万人がデモを行い、警官と衝突して少なくとも一人が死亡、十一月に入って、雲南省昆明市郊外で農村の不当な土地徴収に抗議した地元住民が警察車輌九台を破損させるなどの事件が起こっている。