話題の人登場

2006年10月12日記(深川耕治)

高雄市長選に出馬した陳菊・民進党候補
 台湾・民進党の決起集会での司会としての盛り上げ方、熱情は生まれながらの女性闘士。代々、宜蘭県の農民で、ふくよかな体格の中に台湾農村の熱情がにじみ出る独特の雰囲気は「菊姐」の愛称で高齢の支持者からも親しまれる。

 台湾の党外民主運動家として有名だった郭雨新氏の秘書を務めた後、呂秀蓮副総統と同じく、美麗島事件で六年二カ月にわたり投獄され、未婚のまま。高学歴の呂副総統とは対照的だが、独房で他の囚人たちを励ます「黄昏の故郷」などを歌い、歌声に涙ぐむ者もいたという。

 チェ・ゲバラのポスターやバッジのコレクターであり、恋愛小説の名手で台湾在住の作家・瓊瑤に傾倒。

 今年五月末、民進党内では次期高雄市長選の候補者として本人が絞り込まれ、内定。民進党の堅い地盤で台湾南部の最大都市・高雄の市長は謝長廷市長時代を引き継いで是が非でも死守したいところだ。民進党としては現有ポスト維持だけでなく、台北市長選で民進党候補の謝長廷氏が当選することを狙っているが道は険しい。高雄の政治スキャンダルや陳総統周辺の汚職による陳総統辞任要求などが響き、陳菊氏も苦しい戦い。

 先月二十八日の民進党結党二十周年の大会では「私人の利益のためではなく、理想を追求しよう」と訴えた。

 台湾紙「聯合報」の最新世論調査結果によると、高雄市長選の各候補の支持率は国民党の黄俊英候補が32%(前回比6ポイント減)、陳菊候補は28%(前回比4ポイント増)で支持率調査では、じりじりと差を詰めている。

 民進党結党時代の同志で同党元主席だった施明徳氏が主導する陳総統辞任のための座り込みデモについては「陳総統を引きずり下ろして革命をやろうなど賛成できない。人民だけがあり、英雄などいらない」と切り捨てる。

 一九五〇年六月十日、台湾東部の宜蘭県三星生まれ。世新図書資訊科卒。七九年、東亜人権協会理事に就任後、美麗島事件で逮捕され、懲役十二年の判決を受ける。八六年、保釈後、台湾人権促進会主任、民進党の建党小組メンバーになる。台北市社会局長、高雄市社会局長を経て二〇〇〇年、陳水扁政権発足時に労働委員会主任委員(労相)に就任。〇五年九月に同ポストを辞職し、〇六年、民進党の高雄市長選で民進党候補に選出される。五十六歳。

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