話題の人登場 2012年6月3日記(深川耕治)

   



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香港で天安門事件についての回顧録を出版 陳希同元北京市長

 
中国の民主化要求が武力で弾圧された1989年の天安門事件から4日で23年を迎える。これに合わせ、事件当時の北京市長だった本人の回顧録が1日、香港で出版され、当時の内情の一側面が話題となっている。

 香港の出版社・新世紀出版から刊行されたのは回想録「陳希同親述(陳希同、自ら語る)」。姚監復・元国務院農村発展研究センター研究員が昨年1月から今年4月まで8回にわたって入院先で聞き取り取材してまとめた。同事件当時、党指導部で最強硬派と見られていた本人だが、同著では「傀儡(かいらい)でしかなかった」と主張。「うまく処理すれば死者を出す事態は避けられた」と述べ、「後悔すべき悲劇」と総括して当時の中国指導部に事件の責任の一部があったことを認めている。

 また、「適切な措置が取れず、起きてほしくない悲劇が発生したことは避けられなかった」と述べ、間接的ながら党の武力虐殺を認めた。同4月25日に当時の最高実力者であるケ小平氏に学生の動きを誇張報告したとの説も「多数の情報ルートを持つケ氏をだませるはずがない」と否定した。

 重慶市トップの座から失脚した薄熙来氏については「私や(06年に上海市党委書記を解任された)陳良宇氏のケースにそっくり」「権力闘争の結果だ」と語っている。

 1930年、四川省南部の安岳県生まれ。48年、北京大学中文学部入学(その後中退)、後、翌年に中国共産党入党。文化大革命で下放された後、北京市昌平県党委書記に復帰。79年には北京市副市長、83年には北京市長に就任。87年、北京市党委副書記、88年、国務委員(副首相級)となり、89年の天安門事件では戒厳令を支持。92年、党中央政治局委員、北京市党委書記に就任したが、95年、汚職審査を受けていた王宝森北京市副市長(当時)の自殺で監督責任を取って辞任。本人にも汚職容疑がかけられ、中央政治局委員、中央委員を解任され、97年には党籍はく奪処分を受ける。96年、北京市高級人民法廷は汚職と職務怠慢で懲役16年の実刑判決を下し、服役。04年に病気治療のため仮釈放後、北京市内の病院に入院し、療養中。2013年8月1日、正式な刑期を終える。81歳。



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