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2009年6月21日記 最新中国株情報 WINTRADE


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建国60周年へ愛国映画ブーム醸成 中国
中華スター勢揃いの映画「建国大業」
海外作品上映の規制、地殻変動も


 
10月1日の新中国建国60周年に向け、記念映画や記念ドラマが続々と制作され、愛国ムードを醸成している。映画「レッドクリフ」で三国志の世界が国際的に評価され、中国の歴史素材を生かした作品づくりが国家の繁栄と安定のためのソフトパワーになると見る中国政府は、海外作品の厳しい上映規制を国益優先に調整しつつ、香港、台湾と連携しながら中国映画の活性化と愛国映画輩出による新たな市場拡大を目指している。(深川耕治、写真も=09年6月21日記)


映画「レッドクリフ」の人気に乗じて江蘇省無錫にある三国志のテーマパーク「三国城」ではドラマ「三国演義」のオープンセットと共に騎馬武者のアトラクションが好評=深川耕治撮影
 このところ、中国映画界は活況だ。中国映画産業の地殻変動を起こしたのは、ジョン・ウー(呉宇森)監督による中国のアクション映画「レッドクリフ PartT・U」(原題・赤壁)が中国国産映画の興業新記録を打ち立てたことが大きい。構想から18年、アジア映画史上最高額となる総製作費100億円を投じた三国志最大の決戦「赤壁の戦い」を描いた「レッドクリフ PartI」(日本では昨年11月公開)だけでも日本の最終興収50億5000万円、動員数407万人。今年4月に日本で公開された「レッドクリフ Part II」は5月18日時点でパートTを抜き、合わせてアジア映画の興行収入新記録となる100億円を突破した。中国、台湾、香港などを合わせると、興行収入は200億円を超え、破格の規模を誇る。

 同作品が中国で上映されて以来、中国中央テレビの連続ドラマ「三国演義」のオープンセットをテーマパークにした江蘇省無錫の「三国城」は国内外の観光客入場数がうなぎ上りとなり、予想以上の副次効果が上がっている。

韓三平氏
 この動きを「他国に先を越されていた中国映画が発展する好機」と見ているのが、映画「レッドクリフ」の製作総指揮であり、中国映画界の第一人者となった韓三平(ハン・サンピン)氏(=写真左)だ。

 韓氏は中国最大の映画集団である中国電影集団公司の総裁であり、大作や海外との合作映画を多く製作し、外国映画の配給も行う。中国政府は、中国建国60周年の大型記念映画「建国大業」の総監督に韓三平総裁に白羽の矢を立て、「レットクリフ」とはひと味違う愛国映画を作り上げるようクランクインさせた。

 6月16日、第12回上海国際映画祭(6月13日〜21日)の記念フォーラムに参加した韓三平総裁は「去年1年間で中国の映画興行収入は30%伸び、市場が急速に発展している。今後10年間で中国の映画興行収入は300億元(1元=14円)に達し、関連産業も1000億元を超えると確信している」と自信たっぷりだ。

 北京、上海など大都市部の興行収入の年平均成長率は20%に上り、130億元以上に達している。シネマコンプレックスの建設が急ピッチで進められている地方都市でも150億元以上の収入が見込まれている。韓総裁は「中国、香港、台湾の三つの地域が力を合わせて巨大市場を共同開発すると共に多くの中国人映像作家を育てていきたい」と話している。

中国建国60周年の記念映画「建国大業」の1シーン
 中国映画界を牽引する韓三平氏が総監督、黄建新氏が監督を務める中国建国60周年を記念した大型巨編の「建国大業」(九月に中国公開)だ。第1回政治協商会議準備作業を主軸として1945年の日中戦争終了から中国共産党と中国国民党の内戦を経て1949年10月、北京の天安門で毛沢東が建国宣言するまでを描いている。

 毛沢東役に唐国強、蒋介石役に張国立、国民党海軍上将役に李連杰(ジェット・リー)、軍人・周志柔役に劉徳華(アンディ・ラウ)をキャスティングし、陳凱歌(チェン・カイコー)監督、馮小剛監督も参加する中華スターをそろい踏みさせる豪華ラインナップだ。上海でクランクインし、撮影は完全非公開という徹底ぶり。

王進喜ら油田開発の英雄を描く愛国映画「鉄人」(2009年5月公開)
 他にも、新彊タリム油田開発に不屈の闘志で挑んだ石油採掘の先駆者・王進喜ら英雄を描く映画「鉄人」(2009年5月公開)、中国初の有人人工衛星「神舟5号」打ち上げを宇宙飛行士・楊利偉氏の生き方から描く映画「航天英雄」、中国共産党A東北革命根拠地の建設と紅十軍創建に尽力した方志敏(江西省出身)の生き方を描く映画「可愛的中国」、10月1日公開予定の映画「天安門」など愛国映画の上映が目白押しだ。

 中国の地方テレビ局では建国記念に合わせ、愛国テレビドラマとして戦争ドラマ「東方紅」、農村ドラマ「永遠の田野」、地域ドラマ「走西口」、改革開放記念ドラマ「私の三
愛国テレビドラマ「東方紅」の1シーン
十年」などを続々と放映。北京五輪開閉会式を総合演出した張芸謀監督が10月1日夜の北京花火大会を再び総合監督し、ジャッキー・チェンらが歌う建国60周年記念歌「国家」も制作され、愛国ムード一色になっている。

 インド、米国に続く世界第三位の映画生産国となっている中国だが、映画「レッドクリフ」以前、中国映画の海外販売総収入はヒットするハリウッド映画一作品に比べても低かった。現段階でも、限られた予算で制作された大半の中国語映画は香港や中国本土、台湾でのみ上映され、国際的な配給手段がない袋小路状態にある。

 中国では国産映画を保護するために海外映画上映本数を法的に規制、輸入本数も年間20本で海外映画の上映時間も全体の3分の1以下に抑える保護政策を続けている。海外アニメも全アニメ放映の三割以下しかテレビ放映できない。1990年代からの海賊版VCD・DVDの氾濫も興行収入激減の要因となっていた。

 だが、映画「レッドクリフ」の大成功で08年の中国映画総興業収入は42億元を超えて新記録を更新。国産映画は25億6300万元に達し、海外輸入映画を抑えて興業収入の六割以上を占める勢いだ。昨年一年で国産映画は406作品が制作され、興業収入は前年比三割増。大手映画会社による寡占状態を防止する「映画促進法」の制定を呼びかける動きや議論も起きており、国産保護主義から脱却する中国映画産業の新たな地殻変動は着実に起こりつつある。


 




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