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2010年1月23日記 最新中国株情報 WINTRADE


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サッカー八百長、徹底捜査 中国
協会幹部3人を事情聴取 公安当局

副会長職を解任、腐敗深刻
 中国プロサッカーリーグ「中国サッカー・スーパーリーグ(略称:中超、CSL)」の八百長事件が公安当局による徹底捜査の末、中国サッカー協会副会長3人の拘束・取り調べに発展し、地下賭博業者と結託して勝敗を意図的に操作した構図が浮き彫りになってきた。連行された3人のうち2人は国家体育総局サッカー管理センター主任と副主任で政府を代表するサッカー指導者。国家体育総局は1月22日、同職や協会副会長職の解任を発表し、クラブチームぐるみの悪質な八百長は、熱狂的なサポーターを失望させ、中国代表チームのレベル向上を阻む元凶となっている。(深川耕治、写真も=2010年1月23日記)

賭博業者と結託、プロ選手も
選手のレベル上がらぬ元凶に


2007年7月1日、香港返還10周年の親善試合で中国サッカー代表選手と握手する香港サッカー協会の幹部ら=深川耕治撮影
 中国のサッカー八百長事件は1994年にプロリーグ「甲A」(日本のJ1に相当)、「甲B」(日本のJ2に相当)が誕生して以来、地方チームの試合で長年発生しており、根が深い。2003年以降、広州、山西省、青島、成都のプロチームの八百長が次々と発覚し、逮捕者が出ている。

 今回の事件の発端は2009年11月、遼寧省公安当局が広東省サッカー協会の楊旭・元事務局長ら6人を八百長容疑で拘束したことだ。遼寧省公安当局は現地で開かれた試合で八百長疑惑がたびたび浮上していることにメスを入れるため、2009年8月、特別捜査チームを発足させ、胡錦濤中国国家主席も疑惑洗い出しを指示。広東省チームと山西省チームの試合で地下賭博の収益のために広東省チームが勝てるよう楊旭元事務局長が山西省チーム代表に便宜を図ったことを突き止めた。

サッカー協会副主席を解任された南勇氏
 同事件では芋づる式に地方のプロサッカーチームがプロ選手やコーチ、指導者に至るまで100人以上関与していたとして取り調べ、これまでに21人以上を拘束。総元締めになっている地下賭博業者と結託しているサッカー協会関係者の洗い出しを徹底的に行った。

 2009年11月、事態の深刻さを再認識した劉延東国務委員(スポーツ・教育担当)も「改革・刷新する必要がある」と訴え、徹底した不正一掃を強調。その後も同12月に四川省チームの元副社長や元中国サッカー協会商務開発担当責任者らを逮捕。サッカー協会上層部の関与洗い出しを進め、今回の拘束劇に発展した。

 今回拘束されて取り調べを受けているのは国家体育総局サッカー管理センターの南勇主任(48)と楊一民副主任(54)、中国サッカー協会の張健強女子部主任(47)の3人だ。南勇主任と楊一民副主任は中国サッカー協会
中国サッカー協会副主席を解任された楊一民氏
副主席(定数4人)の重責の立場も兼務していたが、拘束後、両ポストとも解任・更迭された。現在、中国サッカー協会主席ポストは2004年に袁偉民・元国家体育総局長が離任して以来、空席のままだ。

 南副主席は国家代表チームの業務を掌握する責任者。楊副主席はリーグ戦全般を任されていた。3人は1月15日午後、特別捜査チームの捜査員に連行され、厳しい事情聴取を受けている。このほか、「上海甲花」の賈秀全・元監督も新たな違法賭博事件で拘束された。

 とくに瀋陽体育学院出身で2002年の日韓W杯で中国チーム団長を務め、国家体育総局サッカー管理センター主任や同センター党委書記でもあった中国政府のサッカー部門の指導者だった南勇氏が拘束されたことは賭博腐敗の構造が政府上層部まで浸透していることを示しており、上層部の更なる関与も取り沙汰されている。

中国サッカー協会女子部主任を解任された張健強氏
 3人はサッカー協会主催の地方リーグ戦で職権を乱用して中間リベートを取った疑いも浮上。南勇氏は英国のIP電話会社を中国プロサッカーリーグのスポンサーに引き入れながらも5400万元(約7億円)のサッカー協会スポンサー料未納のまま倒産した責任問題も指摘されている。

 中国では香港やマカオのようなプロサッカーリーグを対象にした公益くじはなく、ネットや電話での違法賭博が蔓延している。賭博好きな中国人は国内の地下賭博組織や欧米やマレーシア、インドネシアなどの政府公認サッカーくじを利用するケースも多い。サッカー賭博で中国から海外へ毎年130兆円以上の掛け金が流出しているとの指摘もある。

 北京大学中国公益宝くじ事業研究所の王薛紅所長は「国内での合法宝くじと違法賭博の比率は1対10。違法賭博サイトで重層的にブローカーが利益を吸い上げている」と指摘。国内の公益宝くじ売り上げ高は1000億元(1兆3000億円)前後であることから見ると、違法賭博の売上金は1兆元(13兆円)規模の巨額に上ると見られる。

2007年7月1日、香港返還10周年の親善試合に出場した中国サッカー代表選手ら=深川耕治撮影
 プロサッカーなどの違法賭博がリークされるのは、賭博で大損した側の腹いせが大半。2004年のサッカーアジア杯での反日暴動以降、サッカーの試合でのサポーターの暴動事件は違法賭博による敗者の怒りが火に油を注いだとの味方もある。とくに重慶市民の賭博好きは中国内で非常に有名。貧富の格差拡大への不満を梃子(てこ)に家財をかけてでも賭博で一攫千金を狙う中国人気質を悪用しようとする地下組織の存在が巨大マネーを動かす地下賭博の温床だ。

 新華社通信スポーツ記者の楊明氏は「日韓ワールドカップの際も中国代表選手が八百長に関与していた。違法賭博組織がプロリーグの監督誕生パーティーの代金を支払ったケースもある」と著書「ブラックホイッスル」で明らかにしている。中国のプロリーグの選手の年俸が低いことも八百長の誘惑に負けやすい要因との指摘もある。

北京五輪でサッカー観戦する中国人たち=深川耕治撮影
 国際サッカー連盟(FIFA)が2009年11月に発表した最新の国別ランキングで中国男子は97位。2004年9月が48位だったことと比較してもレベルダウンは顕著だ。

 中国スポーツ界での八百長については飛び込み競技や中国プロバスケットボールリーグ(CBA)でも審判員や選手らの告発で疑惑が浮上しており、他種目にも飛び火しかねない状況だ。とくにプロサッカーリーグと共に人気のあるCBAに関しては海外のスポーツくじと結託した違法な地下賭博組織が中国各地に巣くっており、莫大な不正収益を上げ続けているとされる。台湾でもプロ野球の八百長事件が深刻化しており、中華圏での違法賭博はモグラたたき状態の取り締まりでは根絶に程遠い状況が続いている。


 




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