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2007年11月12日記 最新中国株情報 WINTRADE


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独特の奇岩、夕日の湖に映える 中国広東省肇慶
冬でも遊泳、地元民の健康法
素朴な生活、不動産高騰で憤る住民も


 中国広東省中西部にある風光明媚な肇慶(ちょうけい)は、日本人で書道に通じている人なら行ってみたい「端渓(たんけい)硯」の産地。「タンケイスズリ アリマス」とカタカナ表記して宣伝する店もあり、「日本人の書家が硯を買いに来る姿を時々見かける」と硯売りは話す。肇慶は広東省都・広州からバスで西へ約2時間。2市4県3区に356万人が暮らしている。

 「桂林の山、杭州の水あり」と評され、奇岩の山が多い桂林や西湖で有名な杭州の美景のどちらも兼ね備えるような自然は、市街地から北部に広がる七星岩風景区に集中している。五つの湖と七つの石灰岩でできた岩山が独特の奇観を作り上げ、遊覧船や三輪バイクで秋風を感じながら周遊するのは爽快だ。古来より文人が詩を詠み、墨跡を残す広東人が誇る景勝地で、湖畔に沈む夕日はひときわ美しい。

 他に昔から僧侶の修行地でハイキングコースになっている鼎湖山風景区(市街地から北へ20キロ)や市中心部にある城壁に囲まれた旧城エリアが見所。紀元前111年に高要県が設置されたのが町の始まりで、590年(随の開皇10年)に端州に名前を変え、端渓硯が有名になった。

 観音菩薩信仰による仏教との縁深い場所でもある。そして愚直で素朴、まじめな地元民の真摯さが印象的だ。十月末というのに、遊泳着に着替えた地元民たちが七星岩風景区にある五湖の一つ、仙女湖で朝夕、遊泳している。「これが一番の健康法。朝晩、泳がないと一日のサイクルが落ち着かない」と話すのは肇慶生まれの袁江さん(42)。

 夏の間にすっかり日焼けした李鳳蘭さん(35)は、農民の夫との間に一男二女を育てながら、三輪バイクで観光客を名所や地元料理店に案内する。

 「朝、太陽が昇ると共に野良仕事を始め、日が暮れると仕事を終える。大都会ではお金ばかりを気にする拝金主義と大気汚染で住む気がしないし、こんな平凡で平穏な暮らしに感謝している」と自然豊かな肇慶での生活に満足している。「桂林にも行ったことがあるけど、町が欧米文化に染まりすぎていてがっかり。観光客に土産を高く売りつける行為も目につき、私たちはそれを反面教師にして、真心で客を迎えたい」と屈託ない。

 李肇珍さん(46)と莫偉光さん(46)夫婦は十五年前から地元のガイドをしている。李さんの父親は肇慶市政府で官僚となり、定年退職。莫さんの父親も地元の公安(警官)職の後、退職している。夫婦そろって、いわば、親のコネで地元ガイドをしながら生活している立場だが、周りが裕福になっていく中で、妻の李さんは子供を成人させて満足感があっても、夫の莫さんは現在の収入に不満で、時々、夫婦喧嘩になる。原因は貧富の格差へのどうすることもできない憤りだ。

 李規●(女ヘンに弟)さん(40)はタクシー運転手歴十五年の女性ドライバー。「新築マンションは地元民も外部の連中も金持ちだったらだれでも購入している。私たちのように貧乏人には手が届かない高嶺の花だけどね」と吐き捨てるように言った。

 最近、広東省各地の景勝地に行くと、周辺では至る所で高級マンションの建築ラッシュ。景勝地の景観を損なわない形で宅地造成したり、ヴィラ風の一戸建て高級住宅の建設が続く。肇慶も例外ではなく、広東省内の富裕層が投資目的で次々と購入。不動産価格が急騰し、売り抜くという繰り返しが市街地に住む庶民生活を脅かすようになった。李さんに限らず、貧富の格差拡大を実感する一般住民で高級マンション建築ラッシュに激しい憤りを持つ人は多い。

 秋空晴れ渡った十月末、肇慶郊外の鼎湖山に登る。鼎湖山風景区は国家重点風景区だけあって環境管理も行き届き、大気汚染が深刻化する広東省の大都市住民らが一時、ゆったりと深呼吸しながらハイキングするにはぴったりの場所だ。移動には観光用の電気自動車を使っている。環境に優しいエコ車を使うところは地方都市にしては粋な計らいだ。鼎湖周辺の散策、その周辺の亜熱帯林に飛び交う湖蝶を見ることができるし、清流が流れる滝・飛水潭もすがすがしい。

 七星岩風景区にはいくつもの洞窟がある。龍岩洞と碧霞洞は小舟で洞内を巡ることができ、ライトアップされた鍾乳洞の内部は神秘的な輝きを放つ。夜になると、中心湖南端の音楽噴泉では噴水による音楽ショーが30分ほど行われ、観光客や地元民の楽しみになっている。
(中国広東省肇慶・深川耕治,、写真も=07年11月11日記)










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