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2009年9月5日記 最新中国株情報 WINTRADE


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中台に隙間風、蜜月冷却も ダライ・ラマ訪台
民進党が招請、中国の圧力で馬総統苦境

台風対応遅延で政権批判集中
与党は滞在中に中止圧力

 
チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が台湾へ台風水害被害の慰問に訪れ、蜜月化しつつあった中台関係に隙間風となって政治問題化している。水害対策の遅延と不手際で閣僚が辞任し、馬英九政権の支持率が急下降。年末の地方選に向け、野党・民進党はダライ・ラマ訪台の奇策で巻き返しを図り、中台関係の冷却化に神経を尖らせる与党・国民党率いる馬政権は訪台を許可しながら滞在日程に圧力をかけ、中国のしたたかなアメとムチ戦略に右往左往している。(深川耕治=09年9月5日記)

ECFA締結に暗雲、交流中断も
年末地方選へ与野党が思惑


8月22日、台風の水害被災で犠牲になった雄県甲仙郷小林村の人々の法要に参加するかなり痩せた馬英九総統(左から2番目)と王金平立法院長(右から2番目)
 8月30日に台湾入りしたダライ・ラマ法王は訪台目的について「政治とは全く関係ない純粋な宗教活動」と述べ、8月31日、台風8号の洪水被害が最も深刻だった台湾南部・高雄県甲仙郷小林村を訪れて法要を行い、9月1日、高雄で講演した。

 法王の台湾訪問は8年ぶり。今回は民進党首長の陳菊高雄市長ら台湾南部の7県市首長が台風8号の犠牲者法会に参加してもらう人道的な慰問目的で招請したものだ。2001年の訪台では野党だった馬主席とも会談しているが、今回は「宗教指導者として被災者の法会に訪問することを歓迎する」(台湾総統府)と許可しながらも中国政府の予想以上の反発に遭い、馬政権の高官はだれ一人会おうとしないきわめて冷たい政治的な対応と
ダライ・ラマ法王の訪台に反対する中台統一派の団体「中華統一促進会」メンバーら。訪台期間中、執拗に抗議し続けた
なった。

 空港や駅、ホテルでは中台統一派の団体「中華統一促進会」メンバーらがが五星紅旗(中国国旗)を掲げ、「チベットは中国領」と叫ぶなど抗議活動を展開。ダライ・ラマ法王は「言論は自由だ」と鷹揚に応じ、黙々と被災地で慰霊追悼を行っている法王一行の姿に対し、大半が原住民の暮らす被災地では「信仰している宗教が違っても深く感動した」との反応と「政治を持ち込むな」とプラカードを持って反対する姿の双方が混在していたことを台湾各紙は報じている。

 8月8日の台風8号上陸による水害は台湾中南部を中心に650人以上の死者・行方不明者を出し、救援活動が遅れて人命が失われたばかりでなく、馬総統はじめ高官らが責任逃れの失言を繰り返し、水害被害当日、対策に奔走するどころか、家族などと悠長に食事していた事実も発覚。8月19日には陳肇敏国防部長(国防相)、薛香川行政院秘書長(官房長
被災民のために高雄で合掌するダライ・ラマ法王赤い帽子をかぶり、台湾の与野党のせめぎ合いとは政治的に関係ないことを示唆した
官)、陳伸賢水利署長が辞意を表明する事態に陥った。同日行った中国時報の世論調査では馬総統の支持率は29.6%(総統就任時から26.4ポイント減)、親中派テレビ局TVBSの調査では16%(2ヶ月前から31ポイント減)で急落。

 中国も間髪入れず、建国以来最大の対外援助となる義援金を送り、総額7億8180万元(約107億円)、支援物資2500万元(約3億4300万円)に達した。

 ダライ・ラマ法王は昨年12月、訪台の意向を示していたが、馬総統は就任後、政治的に微妙な問題があるとして中台融和を最優先するため、訪台を認めなかったが、ここにきて支持率急落や政府の無策ぶりに不満を露わにする被災民の感情もあり、民進党の招請による人道目的の訪台に許可を与えざるを得なかった。

 だが、中国政府の対応は台湾当局の楽観的予想に反して極めて強行な反発だった。義援金によるアメと対照的なムチだ。

9月1日午前、1万7000人が集まった高雄ドームではダライ・ラマ法王の登場に注目が集まった
 8月30日、中国国務院台湾事務弁公室は「国家分裂活動を続けているダライの訪台は民進党が画策している。いかなる形式、身分でも断固反対する」と批判した上で「ダライ訪台は中台関係に必ずマイナスの影響をもたらす。事態を注視する」と警告。馬政権は使者を派遣して中国政府に理解を求めたが、さらなる制裁が待っていた。

 中台間の定期直行航空便が8月31日に開始され、中国各地では記念式典が予定されていたが、急きょ中止。蘇寧中国人民銀行副総裁や朱善●(王ヘンに路)南京市党委書記の訪台は延期となり、山東省済南市の張建国市長率いる100人規模の訪台もキャンセルとなった。
 9月5日、台北で行われた「デフリンピック(聴覚障害者オリンピック)夏季大会」開会式では7月に行われたワールドゲームズ高雄大会同様、中国代表団の出席を見合わせ、年内の交渉開始を予定している両岸経済協力枠組み協定(ECFA)にも暗雲が広がっている。

台北国際空港でダライ・ラマ法王の訪台に熱狂的な歓迎をするチベット系住民
 中台関係に影を落とし始めることで中国政府の強行圧力に屈した形で8月31日のダライ・ラマ法王の記者会見が突如中止となり、9月1日の高雄での講演会は当初の会場から変更、3日の桃園での講演会も中止された。

 ダライ・ラマ法王は9月1日、当初予定されていた講演場所(高雄ドーム)の変更を余儀なくされ、台湾南部・高雄の蓮譚会館で「一つの地球、共同責任」と題して講演。法王は赤い帽子をかぶり、袈裟姿で現れ、「この帽子は藍色(与党・国民党のシンボルカラー)でも緑色(野党・民進党のシンボルカラー)でもない。実用的な帽子」とウィットを効かせて話し出し、1200人満席の会場を沸かせた。

 法王は「台湾の民主は世界の模範だ。私が台湾を愛する理由はそこにある」と台湾の政治状況を評価。参加者に対して「日常生活品に中国大陸製品が多く使われているのは、相互扶助と豊かに生きる必要条件だからだ」と台中関係の深さを挙げ、「個人ではなく
台湾紙「りんご日報」8月31日付。ダライ・ラマ法王が訪台直後に語った「助けるために来た。混乱させるためではない」との見出しが躍る
グローバルな観点から心の平安を求めて下さい。かつて共産国家は戦争から平和を勝ち取ると考えたが、それは真の平和ではなく、心の平安を求めるべきだ」と指摘。鍵となるポイントとして「違う考え方の立場から対話し、相手の見方を尊重すること」と対話と慈悲による平和実現を訴えた。

 講演前、法王は高雄ドームでの水害被災者のための法会に出席。立錐の余地もない1万7000人の参加者はダライ・ラマ法王の登場を注視。カメラ撮影のフラッシュを浴び、法王は「ここに来たのは写真を撮られるためではなく、被災者やその家族を慰問し、苦楽を共にするため」とだけ述べた。

 水害被害遅延と不手際で国防部長や行政院秘書長が辞意を表明したことで9月7日に発表される内閣改造は、今回の一連の騒動による影響を最小限に食い止めるため小幅になる見込み。12月には台北市と高雄市を除く23県市の首長を選出する統一地方選挙が行われることもあり、与野党の駆け引きは中台蜜月関係に風穴を開けるダライ・ラマ法王の訪台は、有権者への実績作りを含め、選挙戦略への思惑も絡まっている。

 9月4日から訪日している台湾の李登輝元総統は総統在任中、洪水や地震などの危機管理対策が徹底していて再評価されており、馬総統の指導力との差が浮き彫りになっている。

 




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