話題の人登場 2012年3月9日記(深川耕治)

   



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財界との癒着疑惑で苦境に立つ曾蔭権(ドナルド・ツァン)香港行政長官

 3月25日に行われる香港行政長官選挙に向け、有力候補である香港政府ナンバー2の政務官だった唐英年(ヘンリー・タン)氏が自宅豪邸に違法地下室を造っていたことが発覚して支持率が急落する中、5年間、香港トップに君臨してきた本人も、退任まで4ヶ月という時期に批判の矢面に立ち、苦境に陥っている。

 発端は2月17〜19日、プライベートでマカオへ豪華クルージングに赴き、カジノホテルで財界人ら数百人が参加する新春パーティーに出席したことが香港各紙に報じられたことだ。参加者には暴力団関係者もいたことで倫理的な資質も問われている。

 その後も、自家用機での日本旅行やタイ旅行、行政長官退任後に居住する見込みだった広東省深セン(土ヘンに川)市内の高級マンション購入などが次々と発覚、報道され、批判の矢面に立つ。

 同報道について一部メディアの取材に対して現職の7年間に4回、域外旅行の接待を受けたことを認め、「公私の区別は明確にしている。豪遊ではないし、野心もない」と弁解。1日、香港立法会(議会)で同疑惑について混乱を招いたことを謝罪し、各支払額を具体的に挙げ、「深センでの住宅契約は取り消す」と表明した。

 しかし、「疑惑は払しょくされていない」とする民主派は3、4日の両日、抗議デモを展開し、各3000人以上が集まった。汚職を取り締まる香港廉政公署(ICAC)も賄賂防止条例に抵触するかどうか、同疑惑の調査を開始。本人の支持率も46.6ポイント(1.7ポイント減)となり、今後はさらに低迷すると予想されている。

 1944年10月7日、香港生まれ。64年、香港華仁書院予科卒業後、香港大学建築系に入学。香港政庁入り後、1981年に米ハーバード大学に入学し、公共行政学修士号を取得。中国返還直後の1997年には香港ナンバー3の財政官、2001年にナンバー2の政務官となり、2005年3月、董建華行政長官(当時)の辞任に伴い、同6月の行政長官選で対抗馬なく当選。2007年3月の行政長官選で再選を果たし、返還10周年の7月1日から5年間再任。カトリック教徒で、曽鮑笑薇夫人との間に二男。67歳。



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