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2008年6月20日記 最新中国株情報 WINTRADE


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中国東莞の台湾人学校−馬政権で関係改善に期待

 中台間の対話再開と経済貿易関係が急速に緊密化する中、中国広東省東莞(とうかん)市にある台湾人ビジネスマンの子供たちを対象にした台湾人学校「東莞台商子弟学校」(生徒総数千七百五十人)。「一つの中国」をめぐる政治問題棚上げで台湾内と同じ授業内容を続けることへの干渉も軽減されるとの期待感が高まっている。(中国広東省東莞・深川耕治、写真も=08年6月20日記)

25%が大陸の大学に進学

「中華民族」を重視した教育

葉宏燈理事長
 同学校は二〇〇〇年九月、中台双方が認可した初の台湾人学校として開校。開校時は幼稚園から小中高校まで合わせて生徒数約七百人だったが、現在は千七百五十人まで増えた。中国広東省には台湾企業の進出が集中しており、台商(台湾人ビジネスマン)にとって家族と共に駐在し、安心して教育を託す場が切望され、開校にいたっていた。

 独立志向が強い陳水扁政権時代の〇七年には、台湾から取り寄せた高校の歴史教科書が中国当局の「一つの中国」政策に反するとして使用禁止処分になるなど中国当局の干渉が強まっていた。台湾が馬英九政権になったことで中台対話再開が本格化し、独自の教育カリキュラムができるだけ維持されるのではないか、との期待感が高まっている。

 中台双方から認可された台湾人学校は同校が初めてで、上海、深●、江蘇省昆山で次々と開校した。東莞台商子弟学校は中国初の模範的な台湾人学校だ。教師の大半は台湾人だが、音楽、美術などの授業は中国人の教師が教え、英語の授業は外国人教師が担当している。教科書は台湾のものを使用しているが、台湾を独立した国のように表現された部分は事前に中国当局が検閲して黒く塗ったり、使用を不許可にしたりした。
東莞台商子弟学校の食堂で昼食を楽しむ台湾人の小学生たち
 同校の卒業生は半数以上が台湾に戻って進学し、25%が中国の大学へ進学。カナダ、オーストラリアへ留学するケースもある。最近では韓国や日本の大学への進学も枠が広がった。

 同校の葉宏燈理事長は「両岸人民は共通の言語、文字、文化、中国人としてのアイデンティティーがあり、両岸同胞にとって血は水よりも濃い中華民族としての情感がある」と中華民族のアイデンティティーを重視。北京人民大など中国内の各大学、中高校との姉妹校提携も進められており、大陸志向は強い。四川大地震では同校から五十万元(七百五十万円)の義援金を送った。

 子供二人を同校に入学させた台北出身の葉騏銓さん(室内装飾業の経営者)は「馬英九政権になって両岸関係が改善する動きに期待している。大陸にある台湾人学校の教育環境も改善されると良い」と話す。

 広東省に進出している台湾企業は一万三千社、そのうち東莞は五千三百社で、中国に進出している台湾企業の一割を占め、約十万人の台湾人が長期生活している。外資の三分の一が台湾企業によるものだ。電子機器、靴製造、家具、紡績、おもちゃ製造など低賃金労働者を使った労働集約型の企業が多い。東莞の台商は多層的な金融市場を通して中国、日本、韓国などの銀行の融資も受けている。

 葉理事長本人は「東連融資租賃有限公司」という台湾企業に資金を融資してもらうための仲介企業を立ち上げ、東奔西走の毎日だ。葉理事長は「安い労働力が魅力だった従来の労働集約型の企業体質から脱却するため、まずは資金が必要。台湾企業のこれまでのノウハウがあれば、十分転換できる」と胸を張る。問題は資金力だったが、これが徐々に解決してきている。
中華民族の歴史を壁画にして中国政府にも認められやすい歴史教育を行う東莞台商子弟学校
 珠江デルタ地帯の台湾企業は75%が人件費急増などによる減益で悪影響が出ている。だが、東莞台商協会の最新調査によると、東莞の台商で現地工場を撤収したのは全体の5%にとどまり、二割は影響を受けていないと答えた。夜逃げ同然で工場閉鎖するケースが増える他地域に比べ、企業体質の転換がスムーズに行われているといえる。

 校長室の江★君さんは湖南省系の外省人二世。馬英九氏と同じく親が湖南省生まれで本人は台北生まれだ。「いかに台湾人としての自覚と誇りを持つか」を自問自答し、本省人(戦前から台湾に移り住んでいる人々)の厳しい視線に耐えてやってきた。

 台商子弟学校では中華民族の歴史を炎帝時代にさかのぼって教える。当然、中華民国の国父、孫文の生き様、国家観も詳細に教える。しかし、校舎内にある中華民族の歴史を表す壮大なレリーフ像には、蒋介石は中国当局の干渉を恐れ、省かれていた。

 同校では、いかに台湾内での教育を忠実に行うかに力を入れる。ここで授業を受け、単位を取れば、台湾内の国民学校と同じ卒業資格が取得できるし、台湾の各大学に入学できるのが魅力だ。中国内の大学、たとえば中国人民大学などと提携し、留学できるようになった。北京大の合格者もおり、日本や米国の大学との提携も進む。中台対話の再開、三通(中台の交通、通商、通信の直接往来)解禁へ動き出す中、知恵を絞りながら生き残りを懸ける東莞の台商の生きざまが見えてくる。

●=土へんに川

★=王へんに凧







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