中国企画記事 特選

2004年8月26日記

春暁ガス田の開発が本格始動 中国
パイプライン建設へ着工/日本の権益、侵害の懸念高まる

 中国浙江省で発行されている日刊紙「寧波日報」(8月26日付)などによると、日中中間線ぎりぎりの中国側海域にある天然ガス採掘現場「春暁ガス田」の開発が実質的な実行段階に入っている。

 日中中間線から中国側へわずか五`の位置にある同ガス田から寧波まで約四百七十`の海底ガスパイプラインがすでに工事を着工、七隻の作業船と約二百人の作業員らが寧波でガス田への入境手続きを終えた。

 今後、施工完了までの期間、二十七カ国に上る船舶と約八百人の作業員がガス田周辺と寧波を結ぶ地域を行き来することになる。採掘施設としてすでに巨大やぐらが海底に建設され、年内完成を目指している。海底ガスパイプラインを通して寧波に年間二十五億立方bの天然ガスが送り込まれる見込みだ。

春暁ガス田群の総合開発は中国の重点投資開発項目となっており、中国の中国海洋石油総公司、中国石化集団公司、米ユノカル社、石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルの四社が採掘を請け負い、ガスパイプラインの敷設や試運転などは韓国の現代重工業が請け負っている。

 春暁ガス田群は寧波の南東三百五十`の海域、総面積約二万二千平方`のエリアに広がり、「天外天」「春暁」「断橋」「残雪」の計四つのガス田がある。パイプラインが完成すれば、浙江省と上海に天然ガスが送られることとなり、エネルギー需要国・中国にとっては重要な天然ガス供給源となる。

 同紙の報道などでは「(日本側が)どうしようもないことを恨むガス田開発」と表現し、中国側の独占が当然との認識を示唆している。春暁ガス田群は一九九五年、中国が日中中間線をはさんだ中国側と日本側領域の双方で試掘に成功し、着々と開発を進めてきた。日本側領域での試掘は日本に事前通報もなく無断で行われており、日本の権益を脅かすとの懸念が強まっている。(深川耕治、04年8月26日記)