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2010年8月9日記 最新中国株情報 WINTRADE


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「広東語を守れ」デモ続く 中国・広州
あわや地方蔑視の猛抗議に

香港でも同時抗議集会


 
中国・広東省や香港で幅広く使われている中国語の方言、広東語に関して広州のテレビ局・広東テレビの広東語放送を普通語(北京語)に変える計画が進行しているとの流言が広がり、7月下旬から猛反発する市民らによる大規模な抗議デモが続いている。香港でも支援するデモが同時に行われ、言語や文化に誇りを持つ広東人にとって中央政府と地方の対決構図が根深い広東省の中心都市での「広東語排除」問題は政治的に敏感な問題をはらんでいる。(深川耕治、写真も=2010年8月9日記)

中央に渦巻く不満”爆発”
ネットで協力、若者主体に
今秋のアジア大会に影響も


8月1日、広州市内の人民公園で開かれた広東語を守る抗議集会。警官隊が突入し、参加者を駆逐した=中国のネット掲示板より
 デモの発端は7月5日、広州市の政治諮問機関である人民政治協商会議(政協)の委員が「広東テレビで放送されている広東語チャンネルを標準語に変えるべきだ」と市長に提案したことだ。11月に開催予定のアジア競技大会(11月12〜27日)で広東省以外から多くの中国人が広州を訪れるため、地元テレビ局の広東語放送では他省の人々は理解できないので国際都市のイメージを造るために改善を求めたことが理由だ。

 ネット上では広州市内の小学校で学校側が学生に対して何時間でも普通語を勉強するように要求したとして父兄が猛反発していることを紹介。7月11日には広州市内の人民公園で1980年代以降に生まれた若者たちが「広東語を守り、普通語を追い出そう」と繰り返し叫びながら広東語の流行歌を参加者全員で歌い上げた。7月16日には7月25日に1万人規模の広東語保護集会を開くよう計画準備。しかし、広州市当局は「違法集会」と決めつけ、やむなく25日には市内地下鉄の江南西駅で違法性を問われないよう「散歩」形式の抗議集会を開催し、約2000人が参加して内外メディアの関心を高めた。

8月1日、広東省広州市内で行われた広東語を守る抗議集会で、警官は抵抗する女性デモ参加者を拘束、連行=中国のネット掲示板より
 さらに8月1日午後2時ごろ、広州市内の人民公園で無許可集会を開こうとしたが警官隊に排除され、散歩形式のデモに切り替えて同公園近くの路上で白い服に身を包み、「広東人は広東語を話す」「広東語万歳」「広州を愛し、広東語を守れ」などシュプレヒコール。参加者は3000人にふくれあがり、同時刻に香港でも200人が「広東語を守れ」と専用のTシャツも作成して香港特別行政区政府庁舎前までデモ行進した。

 広州では警官隊約1000人が出動し、デモを阻止。抵抗するデモ参加者を次々と連行し、自然解散。香港のテレビ局2社と香港誌「明報週刊」、ロイター通信の記者ら7人も公共秩序騒乱罪の容疑で拘束された。

 広東テレビは8月1日夜、ニュース番組で同デモが非合法の集会だとする広州市公安当局の声明を読み上げ、「繰り返し発表している通り、普通語だけの放送に変更して広東語をなくすというような事実は一切ない」と広州市政府の立場を報じた。

7月25日の広州でのデモにはノルウェーの広東語研究家も駆けつけた=中国のネット掲示板より
 中国本土と香港で同時に抗議集会が行われるのは天安門事件に抗議する集会以来で珍しいケースだ。とくに際だったのが、デモを主導したのが80後(1980年代生まれ)、90後(1990年代生まれ)などの若者で、ショートメールやフェイスブックなどネットを駆使して香港も巻き込み、細かい連携を取りながら抗議活動を展開したことだ。香港の民主化を求めるデモも90後の若者が主流となる異変が起きており、中央政府はこの動きに敏感だ。

 1982年、中国で標準中国語(北京語)が公用語になって以来、国内のテレビやラジオは原則として北京語以外の方言、言語の使用を禁止している。広東語だけは異例で放送が許可されている分、衛星放送などでの規制が多く、地方政府の収益アップには規制撤廃のために広東語撤廃が不可欠と見ている。

7月25日、広州市内で行われた広東語を守る抗議デモ。警官隊が厳戒態勢で対処した=中国のネット掲示板より
 広東語は使用人口が華僑を含め、全世界で約6700万人。上海語を話す上海、江南地方が上海幇(閥)を造成しているように広東語文化圏は広東幇(閥)を持ち、結束も強い。主に広東省や香港で話され、香港では公用語となっているが、普通語普及による中国化も進んでいる。

 広東語は普通語と発音が全く違っているので他地域の中国人は理解できない。内モンゴルや新彊ウイグル、チベット自治区なども同様の方言があるが、広東省の場合、香港に隣接するため、広東語放送をテレビ局が廃止することは香港の言語を否定する動きにもなりかねず、広東語の歴史と伝統が清朝以来の北方言語よりも古くて長いという誇りも、今回の広東語廃止騒ぎに猛反発を生む原因でもある。

7月25日、広州のデモ参加者は「アイラブ広州」「オレは広東語を話すぞ」とプリントされたTシャツを持ち上げて抗議する人も=中国のネット掲示板より
 8月5日、広東省トップの汪洋広東省党委書記は11月に広州で開幕する「アジア版五輪」とも呼ばれる第16回アジア競技大会の動員集会(100日前集会)で「私も広東語を学習している。広東語廃止などだれも言っていない」と火消しに必死。上海万博に次ぐ中国内での国際イベントである同大会に向けて厳戒態勢に入る中、「広東語を守る集会の参加者は三、四割が学生。広東省を熱愛する市民がアジア競技大会の和諧的な雰囲気を破壊するような行為に唆(そそのか)されないよう希望する」とデモ再発には違法犯罪として取り締まる姿勢を示した。

 広州でのアジア競技大会まで3ヶ月を切り、国家の威信をかけた準備終盤で継続発生する抗議デモ。地方蔑視の動きに敏感な言語・文化に誇りを持つ広東人が言語問題をきっかけに中央政府に対する不満が拡大すれば大会にも影響しかねず、胡錦濤派の汪洋広東省党委書記が束ねる広東省内の不穏な動きに中央政府も神経を尖らせている。


 




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