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2010年1月10日記 最新中国株情報 WINTRADE


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海洋権益を戦略拡大する中国
海南島観光強化で着々と

ベトナム 西沙諸島の支配強化に反発

 
中国政府は昨年12月31日、国内唯一の熱帯に位置する海南島(海南省)を2020年までに「国際観光島」として世界一流のリゾート島にする国家戦略プロジェクトを発表した。海南島とベトナムに近い西沙諸島(パラセル諸島)は中国、ベトナム、台湾が領有権を主張しており、西沙諸島の観光開発も国際観光島計画に含まれる。観光の名を借りた中国の領土拡大戦略と見るベトナムは主権侵害と猛反発。南シナ海だけでなく、尖閣諸島を含む東シナ海の領海権にも影響を与える問題をはらんでいる。(深川耕治、写真も=2010年1月10日記)

海南島三亜市から22`離れた景勝地・天涯海角

 海南島は人口約826万人で台湾統一モデルとなる経済特区の島だ。海浜リゾート地・博鰲(ボアオ)で01年以来、「アジア版の世界経済フォーラム(ダボス会議)」とも評される「ボアオ・アジア・フォーラム」が年1回開かれ、ホスト役の中国にとって地政学上、重要な場所としてアピールしている。

 中国は07年、自国領と主張する西沙諸島、中沙諸島、南沙諸島を管轄する三沙市(海南省)を設置し、西沙諸島では軍事演習を展開するなど、海南省の海洋権益強化は軍事力を露骨に行使する段階に入ってきている。

 一方、反発を強めるベトナムは昨年4月、西沙諸島の政府トップとして黄沙県人民委員会主席を任命。中国外務省は「違法かつ無効」と非難している。

 12月31日、中国政府は「海南国際観光島建設」の国家プロジェクトを発表。1月6日、同プロジェクトに関して海南省トップの衛留成省党委書記が北京で記者会見し、「西沙(諸島)観光の具体策を検討している」と表明した。西沙諸島の観光開発を含めたことに対し、ベトナム外務省は「主権の侵害であり、取り消しを求める」と強く反発している。香港科技大学の丁学良教授はこの動きについて「ベトナムの反発よりも東南アジア諸国連合(ASEAN)が連携して抗議すれば南シナ海の領土問題は大きな火種となりかねない」と分析している。

 海南島が浮かぶ南シナ海は中東原油を日本につなぐシーレーンが通る海上輸送の重要ルートだ。南シナ海には漁業資源だけでなく鉱物、石油、天然ガスが豊富なため、戦後、資源確保を目指して領有権紛争が勃発(ぼっぱつ)。中国は1992年、「中国領海接続水域法」を公布して南シナ海が自国領海であることを一方的に宣言し、領有を主張している各国は猛反発した。

 南シナ海の領有権を主張する国は、西沙諸島では中国、ベトナム、台湾。南沙諸島(スプラトリー諸島)では中国、台湾、ベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイとなっている。特に西沙諸島と南沙諸島をめぐる対立は激しくなっており、日本のシーレーンなど海上輸送の安全に大きな悪影響が及びかねない。

 中国が海南省の領土と主張する西沙諸島は一般人が居住できないサンゴ礁に囲まれた多数の小島だが、同諸島の広大な排他的経済水域(EEZ)内の石油、天然ガス、海産物などの海洋資源が大きな魅力。旧宗主国フランスが戦後、撤退して南ベトナムが管轄していたが、ベトナム戦争で南ベトナム側の管理が手薄になり、74年1月、中国が占領した。現在、事実上、中国が実効支配している。
海南島は中国全土から観光客が訪れる

 西沙諸島周辺では、近年、中国の海洋調査船や漁業監視船が往来し、「準軍事的」手段を行使。航空機や海軍艦艇を派遣するなど、最終的には軍事力で自国領であることを誇示し続けている。

 西沙諸島の海域では近年、ベトナム漁船が中国側から頻繁に拿捕(だほ)され、漁船が返還されないケースもある。昨年9月、台風を避けるために西沙諸島へ避難したベトナム漁船が中国側から発砲され、船員らが暴行を受け、金品を強奪される事件も発生。さらに中国漁船がベトナム領海を侵犯して漁業を繰り返すケースが急増している。

 昨年3月に中国で発表された資源戦略問題の専門家、戴旭空軍大佐の論文では関係各国に対して南シナ海での観光、資源、漁業を網羅する総合基地の共同開発を提起する一方、「南シナ海の豊富な石油や天然ガスは国益なので海軍は当然守る」として共同開発が実現すれば主導権は海軍力を増強する中国にあることを示唆している。

 中国外務省は昨年5月、海洋権益拡大のために領有権の外交交渉に当たる「国境海洋事務局」を新設。さらに中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は先月26日、生態環境と海洋権益保護強化を大義名分に自国領と認める離島の管理方法を定めた「島嶼(とうしょ)保護法案」を可決(3月施行)した。領海上、重要な島は開発許可を制限し、違法開発には最高50万元(約650万円)の罰金を科したり、刑事責任も問われる。

 中国が領海に関して従来の定義通りならば、南シナ海の南沙諸島や西沙諸島、沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)など東シナ海の領有問題で摩擦が強まることは必至の情勢だ。






 




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