中国企画記事 特選

2004年11月12日記

中国の「漢型」原潜、音で判明容易
老朽化、故障も多く

 日本政府は、沖縄県宮古列島周辺で日本領海を侵犯した潜水艦を「中国海軍所属の原子力潜水艦」と断定したが、原潜の具体名を避け、日中関係悪化回避に神経をとがらせている。香港の軍事専門家は同原潜を一九七四年から中国海軍で使用されている「漢(はん)型」原子力潜水艦(水中排水量は五五五〇トン)とみて、日本の防衛庁関係者の分析を当然の結論と受け止めている。

 漢型原潜は人民解放軍の原潜型番「〇九一」と呼ばれ、一九七〇年、遼寧省葫盧島造船工場で最初の一艘が完成。七四年、中国海軍で実践使用が認められた。一万五千馬力の圧水式核反応動力を使っているが、潜水艦としての信頼度は低く、九五年の軍事演習中、二艘が同時に故障し、故障艦は同型潜水艦の半数を占めた。最近は老朽化も増し、原潜としての能力は低下する一方だ。

 漢型原潜の最大の欠点は潜行音が一六〇デシベルという大きさで非常に目立ち、哨戒機や哨戒艇でなくても容易に敵に発見される点にある。海底の雑音より大きく、しかも、艦の消磁装置が不足しているため、海底で磁石の大きなかたまりが動いているように簡単に察知され、「スクリュー音が大きすぎてドラをたたきながらデモ行進しているようなもの」という。これだけの音を発しながら日本領海を侵犯しても日本側が対抗策をとらなければ、さらに中国海軍の領海侵犯はエスカレートした可能性が高い。

 九四年、一艘の漢型原潜が黄海で演習中に米空母に発見されて約七十二時間にわたって追尾され、九六年の台湾海峡危機の際も米軍に五艘の漢型原潜が発見されて軍事的緊張のある関係海域から五艘とも排除された。(04年11月12日記、深川耕治)