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2006年4月6日記(深川耕治)

中国全人代で遼寧省丹東に「中朝経済特区」設置案を提出した洪可柱氏

 三月に閉幕した中国の全国人民代表大会(全人代=国会)で、北朝鮮との国境に接する遼寧省丹東市に北朝鮮の経済開放を前提とした保税区や経済特区を設置する案を提出した。

 北朝鮮新義州と接する遼寧省丹東市内に将来、「中朝友誼(ゆうぎ)経済特区」を建設する目的で「中朝連合保税区」を設立しようとの内容だ。中朝経済に関する提案が全人代に提出されるのは初めてで、各方面から注目が集まった。

 「韓国と北朝鮮の経済協力は大きく推進し、二〇〇五年の南北間の人員往来は過去最多。中国がこの保税区構想による投資チャンスを逃せば、中国企業が進出する機会が確実に減るだろう」と語り、丹東の地の利を生かして韓国に主導権を握られない中国式改革開放を北朝鮮に選択させようとの意図が明確だ。

 「中朝連合保税区」構想は、丹東と新義州にまたがる十平方キロ前後の土地を連合保税区として試験的なエリアとし、中朝双方の税関が共同管理し、広東省、浙江省、福建省、江蘇省、山東省など経済発展が進む中国各地の企業を積極的に進駐させ、現地の労働力や技術職員は優先的に北朝鮮側から派遣する特別エリア構想だ。あくまでも新義州側の経済発展を促すのが第一段階。

 第二段階では保税区の規模を四十平方キロに拡大し、資本取引の対象を中国内だけでなく台湾、香港、マカオの中国系企業にまで広げ、第三段階では同保税区を「中朝友誼経済特区」に格上げしてハイテクパークやテクノパーク、中朝韓留学生エリアなど多方面での北東アジア共同の人材、技術、産業育成を図って北朝鮮経済を活性化させるとしている。

 「中朝友誼特区」構想は北朝鮮人民の民族習慣や“政治信仰”を十分尊重し、北朝鮮側の生態系保護も優先。投資方法や投資範囲については中朝双方の法律法規を順守しながら北朝鮮側が市場経済、商業意識に対する大きな転換を図るよう促すのが最大の狙いだ。

 福建省●侯県生まれ。清華大学卒業後、中国建工部、国家建設委員会などで勤務後、中国建築総公司第三工程局長に就任。第九期、第十期の全人代代表に選出される。経済専門家として武漢大学教授や華中化学技術大学教授、浙江大学顧問を兼任している。武漢市政府参事。六十二歳。

(●=門の中に虫)