香港企画記事
  2004年2月5日記



鳥インフルエンザ中国13省区で被害
香港政府 中国本土の鳥輸入停止


 中国本土では一月二十七日に広西チワン族自治区で病死したアヒルかH5Nl型ウイルスが検出されたのに続き、湖南、湖北、広東、要南の各省で感染を確散、上海市でも感染の疑いが報告された。H5Nl型ウイルスは中国本土に拡散し、大上の鳥が病死する被害は五日までに十三省・自治区に広がった(表参照)。


 香港特別行政区政府は一月三十日、隣接する広東省で鳥インフルエンザの感染が疑われる事例が報告されたことから、広西チワン族自治区と湖北、湖南の両省に限っていた活鳥と鳥肉の輸入停止措置を中国全土に拡大した。

 これにより本土で生育した鳥はニワトリ、アヒル、カモなどの食用家きん類だけでなく愛がん用鳥類も含め当面輸入できなくなった。その後、国際獣疫事務所(0IE)のガイドラインに従い、本土からチルド状態で出荷される鳥肉の輸入も禁止した。

 また香港食物環境衛生署は、店頭に活鳥を並べ消費者の目前で食肉加工を施す小売業者に対してエプロンと長靴を身に着けるよう指導し、加工時の手袋着用を義務づけた。医院管理局は括鳥の取扱業者および関連部門の公務員を対象に、管轄下の診療所においてインフルエンザワクチンの接種を無料で実施し、二百人以上が予防注射を受けた。

 このほか、二月十日に予定されていた街市(公設マーケット)定期消毒日は五日に繰り上げられ、同日午後、活鳥販売店の一斉消毒が行われた。鳥インフルエンザの流行で括鳥や鳥肉だけでなく、鶏卵の流通にも影響が出ている。ニワトリの大量処分から鶏卵の生産も減少しており、本土産鶏卵は香港での市価が約一〇%上昇した。

 二月四日、香港電台(RTHK)で「二月に入って本土からの入荷量は約三千箱(一箱三百六十個 )から約一千箱に減り、(箱単価は)数十香港ドル(1香港ドル=15円)高くなった」と卸商が語っている。

 しかし品薄感の傍ら、鶏卵自体の衛生管理を求める声もある。これに対して国家質量監督検験検疫総局は二月四日、「非感染地域で生産された鶏卵は引き続き香港への輸出を認める」と通知し、香港の衛生署は「鶏卵を介して鳥インフルエンザに感染するリスクは少ない」との見方を示した。林秉恩副署長は「鶏卵の食用を控えたり、本土に輸入停止を要請する必要はない」と述べ、ただし購入後は殻付きの卵を水洗いし、その後、必ず手を洗うように勧めている。
(深川耕治記=2004年2月5日)

【表・中国本土の鳥インフルエンザの発生状況】
【確認例】
2004年
1月26日:広西チワン族自治区商事市隆安県
1月27日:湖南省武崗市、湖北省武穴市
1月31日:広東省潮州市潮安県
2月1日:雲南省昆明市呈貢県羅羊鎮
2月5日:江西省★(顎の右側と左側はおおざと)渓市
【疑い例】
2004年
1月30日:安徽省広徳県、安徽省馬鞍山市雨山区、広東省掲陽市掲東県、上海市南匯区、
1月31日:湖北省郡州市
2月1日:浙江省永康市、湖北省宜昌市、河南省平興県、新彊ウイグル自治区農十二師
2月2日:甘粛省蘭州市安寧区
2月3日:甘粛省靖遠県、安徽省阜陽市穎州区、安徽省界首市、湖南省平江県、湖北省襄奨市、陝西省西安市長安区、
2月4日:雲南省昆明市官渡区、甘粛省皐蘭県
2月5日:江西省東郷県、雲南省石林県、広東省羅定市、広東省海皇県
資料:香港紙「星島日報」ほか


中国、鳥120万羽を処分 中国農業省発表(04年2月5日記)

 中国農業省と衛生省は二月五日、合同記者会見を行い、「鳥インフルエンザのヒトへの感染はない」と述べ、上海市で人間に感染したとの疑惑を否定した。

 衛生省の王瀧徳次官は「重症急性呼吸器症候群(SARS)発生からこれまでに検査したサンプルからH5Nl型ウイルスが検出された例はない」と述べた。

 一方、農業省は二月五日、鳥インフルエンザの流行状況を随時発表するシステムを始動させた。同日の発表によると、確認例は五件。中国全土で約五万羽の病死が確認され、これに伴い、百二十万羽を処分したという。


香港の鳥類飼育場所、軒並み休園
米埔保護区は運営に打撃
(2004年1月30日記)

 鳥インフルエンザへの域内流行を懸念する香港政府は一月三十日、新界の米埔自然保護区を二月二十九日まで入場禁止にすると発表した。香港漁農自然護理署は二〇〇二年以降、野鳥のフンを定期的に検査しており、これまでにH5型ウイルスを検出したケースはない。だが、衛生福利及食物局の楊永強・局長は「野鳥から家きん類や人に感染しないという保証はなく、近隣地域が不安定な状況にある中、予防に努めなければならない」と決定の理由を語った。米哺自然保護区は広東省深酬市の対岸にあり、渡り鳥も飛来する。

 しかし、この措置によって同保護区は運営が厳しくなっている。二月五日付香港紙「明報」によると、百三十団体が入場予約を取り消して四十五万香港ドルの入場料収入を失った。チャリティーイベント「香港バードウオッチング大会」も二月二十八日の開催が難しくなった。同イベントでは例年、百万香港ドル以上が募金されるという。

 一方、香港康楽及文化事務署は一月三十日、香港公園と元朗公園では観鳥園を一時閉鎖し、香港動植物公園と九竜公園では鳥類の飼育エリアを封鎖した。

 民間の施設でも休園が相次ぎ、海洋公園(オーシャンパーク)では雀鳥天堂など鳥類展示館の観覧を休み、雀鳥劇場も休演。香港ジョッキークラブでは沙田競馬場内のペンフォールド公園を一時休園している。(2004年1月30日記)

コクチョウが死亡 深セン野生動物園(04年2月5日記)

 中国広東省深セン市の深セン市野生動物園でコクチョウが数羽、相次いで死亡した。同園は一時休園し、園内を消毒。二月五日の香港TV局無線電視(TVB)ニュースによると、コクチョウの異変に気づいたのは一月二十三日。深セン市動物検疫所による検査の結果、鳥インフルエンザへの感染は認められず、広東省農業庁はその他の鳥類に異常は見られないと報告している。(深川耕治=04年2月5日記)
セン=土ヘンに川。

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