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2008年5月28日記 最新中国株情報 WINTRADE


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M8でも耐えた小学校、生徒救う 四川省北川曲山村
厳しい建築監督、「生命守った」 四川大地震


 中国・四川大地震で多発した学校倒壊の要因の一つに「豆腐渣工程(おから工事)」と呼ばれる手抜き工事の実態が浮き彫りになりつつある。貧困地域では地元政府の財源で小中学校の建設をしなければならず、施工業者が役人を買収して鉄筋鉄骨を基準値を大きく下回るもろい建築物をつくり、四川大地震では授業中の児童らが倒壊した校舎の下敷きになって多数死亡。だが、震源に近い四川省北川県曲山村の劉漢希望小学校はほぼ原状のまま残り、教職員や児童約五百人は全員無事だったことが内外の注目を集めている。(深川耕治=08年5月28日記)

手抜き工事と対比浮き彫りに/耐震偽装、政府責任どこまで
“建築犯罪”の犯人捜しも加熱


孫暁東 漢龍集団主席

 08年5月12日に発生したマグニチュード(M)8・0の四川大地震は震源地の北川県で壊滅的被害を受け、震源地からわずか15キロの山間部に位置する北川県曲山村でも、村の建物や家屋がほぼ全壊。廃虚の中で唯一、劉漢希望小学校だけは壁の一部分がひび割れしただけで校舎が倒壊せず、教職員・児童が全員無事だった。

 広州紙「新快報」(5月19日付)で同小学校が大きく報道されて以来、内外メディアが注目し、ネット上では「史上最強の希望小学校」「学校建設は今後、この小学校を建設した会社に工事発注しよう」と高評価するほど関心が高まっている。
マグニチュード8の四川大地震でも倒壊することなく無傷だった四川省北川県曲山村の劉漢希望小学校=漢龍集団有限公司のウェブサイトより

 希望小学校は民間の寄付によって開校した小学校で、劉漢希望小学校の場合は、四川省の大型民営企業、漢龍集団有限公司が五十二万元(七百八十万円)を寄付し、地元政府が二十万元(三百万円)を出資して一九九九年に開校。十二日の地震発生時は十八クラス(教師二十八人、児童四百八十三人)で授業中だったが、三階建ての校舎は大きな揺れはあっても倒壊することなく、児童も教師も無事だった。

 漢龍集団は震源地南東部の綿陽市でも四校建設。劉漢希望小学校を含む五校は四川大地震で被害が壁面の一部亀裂にとどまっており、大多数の手抜き工事で倒壊した小学校との違いが浮き彫りになった形だ。
picture 福建省アモイ市内で四川大地震の被災者への募金箱に義援金を入れる人々=深川耕治撮影

 劉漢希望小学校を含め、全国に22校の希望学校を建設するために寄付し、建設の指揮を執った漢龍集団トップ、孫暁東主席は「校舎の安全性と耐震強度を高めるために一般の希望小学校建設費の3倍使ってしっかり工事した。平均的な小学校建設費の2倍を投じればマグニチュード8・0の地震に耐えられる」と話している。

 同小学校を開校するために寄付金を出し、建設を行った実質的な学校創設者は、1997年3月に資本金3億8000万元(57億円)で創業した四川省の大手民営企業、四川漢龍集団。電力事業や化学工業、バイオ医薬品、土木建設、不動産開発、食品販売、旅行業など多方面な業種をこなす社員数一万六千人の民営コングロマリット(複合企業)だ。傘下に30社を従え、総資産は100億元(1500億円)を超え、4年連続で納税額が2億元(30億円)以上。四川省内の高速道路建設や観光開発などを手掛けている。

 同社トップの孫主席は、両親が教師で本人も四川省内で臨時教師を務めた後、工場勤務して起業した。起業後、地元暴力団との癒着疑惑が一部で報道され、メディアの取材を一切拒絶。10年ぶりに香港紙の取材だけ受け、「四川省の辺境の村も隅々まで商売で回り、子供たちの姿に感動した」(香港紙「明報」5月26日付)と答えた。これが学校教育への寄付活動を続ける原点となっている。
picture 5月19日付の広州紙「新快報」で報道された劉漢希望小学校のルポ記事

 学校建設での地方政府と建設施工業者の関係については「多額の寄付金で学校建設する場合、施工業者が鉄骨を減らしてでも中間マージンをできるだけ取って儲(もう)けたい気持ちは分かるが、寄付した側は納得できない。良いことをした方がさらに良い結果を生むのが道理なので、自ら設計施工し、厳しい監督工事をすることが一番良い」と企業理念を強調。「どんなに不足していても教育だけは不足な部分があってはならない」が本人のモットーだ。

 漢龍集団は昨年6月、同省甘孜チベット族自治州やアバ・チベット族チャン族自治州に1100万元(1億6500万円)の教育事業費を寄付、同11月には500人の留守家庭の家屋修理のために1300万元(1億9500万円)を四川省政府へ寄付している。ほかにも被災者への義援金は5000万元(7億5000万円)提供。四川省の大手民営企業として地元密着型の教育振興事業への参画・貢献を積極的に進めている。

 北京紙「新京報」によると、四川大地震で被害を受けた学校は四川省だけで1万3451校。死亡した教職員・児童は計6581人で、同省犠牲者の1割を超えている。

 中国では公共施設の手抜き工事の横行は汚職の温床とされている。今回の震災で「手抜き工事を告発する」と保護者らが抗議デモを行うなど政府への怒りの声が噴出。同省綿竹市トップの蒋国華共産党委員会書記がデモに行く遺族に土下座してデモ中止を懇願するケースも起きている。

 中国政府は、遺族らの不満が政府批判にエスカレートしないよう被災地域の学校校舎建築の実態調査に乗り出すことを決めた。安全基準に満たさなければ学校使用を禁止し、責任者を処罰するなど、手抜き工事の責任はあくまで地方政府にあるとの姿勢を示している。

 ネット上でも手抜き工事の疑いのある学校を建設した施工業者や設計士のあぶり出しを呼び掛けている。国家地震局工程力学研究所の郭迅博士は「政府が建築物の耐震安全基準を厳格に求めるようになれば、手抜き工事が全体の一割程度まで低下するだろう」と話している。








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