中国関連記事 特選

2009年11月1日記 最新中国株情報 WINTRADE


  • 見出し一覧(戻る)
  • 香港情報
  • 台湾情報
  • マカオ情報
  • 中国指導者 WHO'S WHO








珠江沿岸で大規模な赤潮発生 広東省珠海周辺
300平方キロに拡大、工業排水が原因

水産養殖の場所移動不可避に
環境テーマの上海万博と裏腹

 広東省広州から同省珠海市近郊、マカオ、香港を通って南シナ海に注いでいる珠江。10月下旬から珠江の河口周辺300平方キロのエリアで大規模な赤潮が発生し、マカオや香港海域の生態系にも深刻な悪影響を及ぼしかねない事態に陥っている。珠江デルタ地帯は地元企業だけでなく、香港、日本、台湾の企業が進出している世界有数の製造業の集積地。地元政府のチェック体制の甘さから工業廃水による赤潮発生につながったとの見方も出ており、上海万博を控えた中国の環境対策に新たな難題が立ちはだかっている。(深川耕治、写真も=2009年11月1日記)

広東省珠海市の珠江河口から南シナ海を臨む。釣り客や漁業関係者も多い=深川耕治撮影
 赤潮は10月26日から発生し、珠海市野狸島から同市湾仔の水域エリアに拡大。香港の面積の約三分の一にあたる300平方キロに広がった。プランクトンの異常増殖により海や河川が変色する赤潮は多量のプランクトンが死滅し、その分解作用から酸素不足が生じて魚類が大量に死滅する被害が発生する。赤潮防止には水域に流入する窒素、リンを削減する富栄養化防止対策が必要だ。

 珠江の河口付近で深みのある褐色の赤潮が発生したことで、珠海市当局は直ちに遊泳禁止令を出し、漁民に赤潮防護ネットなどの措置を行うよう通達。珠海市海洋環境観測センターの専門家チームによる調査結果によると、赤潮が青藻の繁殖を助長し、赤潮がマカオに隣接する横琴島やマカオ一帯に拡大する可能性も指摘されている。養殖エリアに侵入すれば多大な被害になりかねず、最悪の場合、養殖場所を移転するしかない事態だ。

珠江河口の赤潮発生状況を調査する珠海市の担当者=広東衛視台のテレビ画面から
 南中国海赤潮学会の江天久常務理事は「赤潮の発生は自然が原因であることが多いが、工業汚染と密接な関わりがある。今回の赤潮発生は藻の富裕植物を繁茂させる原因となるが、毒性は比較的弱い」と分析する。

 現段階では養殖エリアに赤潮が侵入せず、養殖魚の大量死亡はないが、天候の変化によっては数日内で赤潮の拡大が進み、マカオと隣接する横琴島海域に拡散する可能性も否定できず、養殖生物への被害も受けかねない。

 中国本土の各都市は急速な経済発展の一方、環境保護意識は低く、工業用水が生活汚水と一緒に大量に河川に流れ込み、赤潮発生の温床となっている。広東省政府の統計によると、珠江には毎年平均40億トンの汚水が垂れ流され、すでに150種の魚類が絶滅している。

 「2008年広東省海洋環境質量公報」によると、珠江河口の海域は近年、汚染が深刻化し、渤海湾に次いで国内ワースト2。同海域の漁業資源は20年前の8分の1にも及ばず、漁獲量も激減し、わずか50種しか確認されていない。毎年、珠江に垂れ流されている40億トンの汚水のうち、生活排水が全体の7割、3割が工場排水。生活排水対策だけでなく、工場排水の規制が地元政府では徹底されていないのが赤潮発生にも大きく影響を与えている。

 漁民の生計は大きく脅かされており、1990年代に比べて漁獲した魚介類に工業汚水による重金属が含まれるケースが急増。転業を迫られる場合も着実に増えている。このほか、重金属の工業廃水によって漁船のスクリュー部分の腐食が早まり、従来より10倍のスピードで腐食。漁民は1年に最低3回、スクリュー部分を交換しなければならず、諸経費が一隻につき年間4万元(約50万円)かさむ厳しい経営に直面している。

広東省広州の珠江。向こう側は黄●(浦のサンズイをつちへんに)軍校=深川耕治撮影
 珠海海域では赤潮が数年おきに発生しており、養殖魚などの被害は深刻化している。1998年には広東省沿岸と香港海域で大規模な赤潮が発生し、経済損失は3億5000万元(1元=13円)に達し、2002年6月にも珠海から香港海域までの150〜200平方キロの範囲で赤潮が発生。03年5月には珠海近海300平方キロで赤潮が発生し、数千匹の白身の高級魚ハタが死亡。06年2月にも同様の赤潮が発生しており、珠江デルタ沿海の海洋生態系を脅かしている。

 工業廃水、生活排水による赤潮発生、大量の藻の発生は珠江河口だけの問題ではない。中国各地の沿海部では同様の現象が多発。北京五輪が環境五輪の観点から大気汚染など環境保護の問題点を海外メディアが厳しく指摘したように来年5月開幕の上海万博では工場排水による河川汚濁が水道水に悪影響を与える問題点が浮き彫りになっている。

渤海湾を望む河北省北戴河のリゾート地=深川耕治撮影
 上海では工場からの排水やゴミ処理をめぐる地表水の汚染は水道水の悪化をもたらし、上海の水源である黄浦江上流にあたる太湖では昨年5月下旬、水質汚染によるアオコが大量発生。太湖を水源とする無錫市の水道水が異臭で飲めなくなる騒ぎが起こるほど深刻化したほどだ。

 遼東半島と山東半島に囲まれた内海である渤海湾は北戴河などのリゾート地があり、一時は「魚の宝庫」と呼ばれていたが、近年は天津や唐山などの工業地帯からの有害性廃棄物を含む排水流入で海洋汚染が深刻化。「死の海」と呼ばれるほど漁業が壊滅状態に陥っている。

 中国では刑事処罰規定を持つ水資源汚染防止法はあるが、海洋汚染には該当されず、実質的案取り締まり法令がない。中国沿海部の赤潮多発は韓国、北朝鮮、日本の沿海部にも悪影響を与える深刻な海洋汚染になりつつある。


 




最新中国株情報 WINTRADE

日本に居ながら、中国IPOを100%ゲットする方法