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2009年9月25日記 最新中国株情報 WINTRADE


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建国60周年へ神経戦、厳戒最高潮 中国
閲兵式は兵器ハイテク化焦点

民族分裂の策動徹底抑え込み


 
新中国の建国60周年を祝う北京・天安門広場の閲兵式は10月1日、最新鋭の国産ハイテク兵器を披露し、陸海空軍の兵士ら約八千人が軍トップである胡錦濤中央軍事委主席の閲兵を受ける。毛沢東時代の苦難から改革開放による経済急成長を経て60年。生活レベルは急速に向上したが、民族問題の火種は各地に広がり、胡錦濤政権は後継者問題を含め、盤石とは言えない。国威発揚と愛国ムードを高める国慶節が無事に終わるまでテロや暴動の抑え込みは続き、厳戒態勢による神経戦が続いている。(深川耕治、写真も=09年9月25日記)

北京の中国人民革命軍事博物館で2007年8月に開かれた人民解放軍建軍60周年の記念展示=深川耕治撮影
 建国以来14回目となる国慶節での閲兵式は国自体が還暦を迎える大きな節目。今回の閲兵式では中国の56民族を象徴する56隊列(徒歩隊列、装備隊列、航空隊列)の参加が予定され、「節約」路線に沿って陸軍を中心に兵員をスリム化し、装備や情報通信機器のハイテク化が特徴となりそうだ。

 閲兵式の時間は66分間で北京軍区、済南軍区、南京軍区、広州軍区の四大軍区約8000人が受閲し、軍事用レーザー測定システムを使ってパレード時の隊列の時間的空間的ズレを最小限に食い止める方法を取っている。

 先回の建国50周年閲兵式(1999年)では披露された新型兵器・装備の95%が国産となり、戦力の主軸となるハイテク部隊をはじめ、初公開された戦略ミサイル部隊が注目された。

 今回は10年間の急速な軍近代化を経て陸軍・海軍・空軍・第2砲兵部隊(戦略ミサイル部隊)の高水準化だけでなく、武装警察部隊、戦闘機「殲十」、新型主力戦車、早期警報飛行機、長距離ロケット砲、無人飛行機、大陸間弾道ミサイル(ICBM)などが国威発揚と中国軍の軍事大国化を顕在化させることになる。

北京の中国人民革命軍事博物館で2007年8月に開かれた人民解放軍建軍60周年の記念展示。東風2号が展示されていた=深川耕治撮影
 閲兵式で披露される主要装備52台は「最新鋭ですべて国産。兵士も1980年代以降に生まれた若年世代が9割占めるのが特徴」(房峰輝・閲兵式総指揮官)だ。テロ対策特殊部隊(武装警察隊所属の雪豹突撃隊)の新登場や華やかさを彩る女性パイロット隊列を含む女性隊列も注目される。

 中国の国防費は2009年予算が前年度実績比14・9%増の約4806億元(約6兆9000億円)。実際に軍事目的に支出している額の一部にすぎないと欧米から批判されており、経済成長率が8%前後であることから比べても突出し、1989年から21年連続2ケタの脅威的伸び率だ。中国国防白書では初の航空母艦建造に着手していることを明らかにしており、強大さを誇示する軍事パレードは、国威発揚を高める国内向けとは裏腹に中国脅威論が高まる中で核保有国である中国が世界社会の警戒心を招きかねない状況とどう向き合えるかが鍵となる。

 閲兵式後の祝賀パレードや晩餐会の参加者は一般人を含めて約50万人で、北京市政府は衛生管理上の問題も踏まえ、提供する食事に細心の注意を払っている。中国政府は最も神経を使っているのは国慶節期間の保安問題だ。新疆ウイグル自治区ウルムチでは7月以降、大規模な暴動や過激な抗議デモが頻発。チベット問題と共に少数民族差別の不満噴出で「民族分裂勢力」によるテロを最も警戒している。

北京の中国人民革命軍事博物館で2007年8月に開かれた人民解放軍建軍60周年の記念展示=深川耕治撮影
 北京市の治安対策措置は北京五輪を上回る過去最高レベル。テロの未然防止へ民族分裂活動の徹底した抑え込みにかかっている。公共の場で個人のプライベート空間はなく、タクシー車内の会話も「突発事件の防止」を理由に監聴機器設置を義務づけられ、多数のタクシー運転手が同措置を「乗車する観光客の大半が監聴されていることを知らず、人権の侵害だ」と批判している。

 さらにタクシーに設置されたGPS機能は北京市公安局情報センターに直通し、監聴した会話内容と車の動向がチェックされており、政治問題を含む世間話が大好きな北京のタクシー運転手らは口を閉ざして最低限の対応しかできない状況だ。香港紙「明報」によると、北京の公安当局は市内のタクシー運転手1万人以上に建国記念日対策の「治安情報員」になるよう募り、重要事件の情報提供をした場合、最高で50万元(650万円)の報奨金が受け取れる非公式の報償制度を展開している。

北京の中国人民革命軍事博物館で2007年8月に開かれた人民解放軍建軍60周年の記念展示=深川耕治撮影
 国慶節期間中、中国各地から政府への陳情に訪れる直訴者に対しては旅館やレストハウスの宿泊拒否を行い、従わなかった宿泊施設経営者には当局が厳罰で対処することも指示されており、陳情者を追い払う対策も徹底している。

また、天安門広場から半径200キロ以内は徹底した空域監視が行われており、結婚式で使用される気球や飛行物、凧、伝書鳩を含み、一切禁止されている。国慶節当日は北京市内のホテル宿泊者は前日から屋外への出入りが禁じられ、徹底したテロ対策は建国を祝賀する一般市民の行動を細かく規制している。過去最高レベルの治安対策に悲鳴を上げる市民に対し、周永康中央政法委書記は「国家の安全のためだけでなく皆の安全のために理解してもらえるよう希望する」と理解を求めている。

 9月18日に閉幕した中国共産党の第17期中央委員会第4回総会(4中全会)ではポスト胡錦濤の筆頭である江沢民・前総書記の息がかかる習近平国家副主席の中央軍事委員会副主席任命が先送りされ、胡主席の出身母体である共青団(中国共産主義青年団)派の李克強副首相との後継レースが激化して胡氏の権力基盤強化はなお時間がかかりそうだ。愛国ムードの頂点に立つ一連の国慶節祝賀式典で国威発揚と権力強化を進めたい胡主席は、「党内民主」の拡大を進める一方、少数民族問題のアキレス腱を抱え、突発事件封じ込めにぎりぎりまで苦慮しながら閲兵式に臨む。



 




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