台湾関連情報 2004年12月11日記

与野党が大接戦、与党やや有利か
立法院選挙、きょう投票 台湾
無所属議員への議会工作が鍵
総統選の延長戦、最終決着へ


 台湾の立法委員(国会議員に相当、定数二二五)選挙は12月11日投開票され、同日夜に大勢が判明する。最大の焦点は与党・民進党の陳水扁総統が唱える「台湾新憲法」制定による台湾アイデンティティの高揚が与党連合の議席過半数奪取につながるか、中台関係の現状維持を求める野党連合がどこまで議席を保持できるか、に絞られている。

 民進党(現有議席八〇)と台湾団結連盟(台連、同一二)の与党連合(同九二)はいずれも大幅な議席増が見込まれ、国民党(同六六)=写真右=深川耕治撮影=と親民党(同四五)の野党連合(同一一一)は親民党の議席激減、国民党の議席増で現状維持は困難な状況だ。与党連合は過半数確保に届く勢いがあるが、過半数に届かなくても無所属議員を取り込んで議会多数派になる下準備を進めている。野党連合は与党と最後まできっ抗するが、数議席減で多数派形勢は困難な見通し。

 今回の選挙は中選挙区制の選挙区(百七十六議席)と比例代表(四十九議席)を合わせ計四百九十三人が立候補。三月の総統選で総統狙撃事件という前代未聞のハプニングの後、数万票レベルでの大激戦を征した陳水扁総統だが、今選挙は総統選の無効を求める野党連合の不満や怨念も絡み、総統選の延長戦の様相を呈している。

 以前より独立志向を強めて「台湾人意識」の高揚を有権者に鼓舞する与党・民進党は十六議席増の九十六議席の確保を見込む。台湾正名運動や新憲法制定の後ろ盾となっている李登輝前総統が精神的指導を行う台連は、各候補者に知名度がなく苦しい選挙戦が続いたが、終盤の李登輝効果で支持票が急増し、十七議席以上の獲得で与党連合過半数の実現に望みをかける。

 一方、最大野党の国民党は民進党の選挙戦の巧さを見習って緻密な「配票」(複数の同党候補に当選ラインに届くよう票を配分調整する)作業を行い、野党連合の候補者選びでも「総量管制」(以前の各党の投票結果に照らして立候補の配分を各党別に事前調整)を実行。民進党の躍進を防ぐため、七議席増の七十三議席で着実な当選議員確保を狙う。

 ネックは資金力不足で議席激減が予想される親民党の議席数の行方。同党所属の台東県長が民進党候補者支持に鞍替えし、宋楚瑜党主席のカリスマ性だけでは限界であることを地方レベルでも物語っており、不利な情勢が続く。張昭雄党副主席は十日の記者会見で「最悪でも三十一議席確保で食い止めたい」としている。退潮著しい親民党の影響で野党連合は三ケタ台の議席数確保が至上命題で無所属議員の取り込みは野党に不利に傾きそうだ。

 投開票後は当選した無所属の立法委員の取り込み工作が開始され、与野党がきっ抗する立法院は無所属議員の動向次第で多数派形勢が決まる微妙かつ不安定な議会運営も生じかねない。焦点は議会工作の主導権争い、そのための無所属議員の議会取り込み工作に移ることになる。(04年12月11日記、台北にて、深川耕治)