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2006年4月27日記(深川耕治)

胡錦濤中国国家主席との会談後、福建省を訪れた中国国民党の連戦名誉主席

 「第一回両岸(中台)経済貿易フォーラム」に出席するため訪中し、十六日、胡錦濤中国国家主席と昨年四月以来、約一年ぶりに北京の人民大会堂で会談した。

 胡主席が「『一つの中国』の原則に関する『九二年合意』の堅持こそ両岸(中台)の平和と共同繁栄を実現できる」と述べ、台湾独立の動きを経済優遇策による微笑戦術で封じる提言を行ったのに対し、「昨春の会談以降、両岸の貿易交流が発展する基盤が築けた」と応じた。

 訪米を控えていた胡主席と会談したことは新たな「国共合作」を演出し、ブッシュ米大統領との会談で台湾問題が出ても問題化させない絶妙の政治的タイミング。ブッシュ政権に中台関係の融和推進をアピールする材料を与え、中国の台湾政策に理解を得させて独立志向を強める陳水扁総統を牽制した。次は総統候補の馬英九国民党主席と胡国家主席との会談が実現できるよう下準備も続けている。

 北京で万里の長城などを見た後、福建省へ移動。十九日、連氏の祖籍地である同省●(サンズイに章)州市の墓を訪れ、「先祖の方々、ついに帰ってきました」と墓前で焼香、敬拝した。九代前の先祖がここから台南に移住したという。

 同省のアモイ大学では名誉法学博士号を授与され、記念講演では「台湾で進められる『去中国化』(脱中国化、台湾本土化)は文化逆流であり、阻止できなければ孫文先生も外国人、媽祖(海を守る女神)も関公(三国志の関羽で財神)も外来宗教になってしまう」と話した。

 さらには「曽祖父(連横)は日本軍が台湾を支配した後、自宅を抗日総司令部に使った」と話し、国共合作のキーワードである反日、抗日をアモイ大学の教職員、学生らに訴え、中華民族の結束を促した。本人が「抗日こそわが先祖」と訴えたのは珍しく、現在の中国国民党の本音が反日による中国共産党との結束、中華民族の再興にあることが露呈した一瞬だった。

 陝西省西安の生まれ。台湾大学卒業後、二十九歳でシカゴ大学政治学博士を取得。元ミス・チャイナの連方夫人との間に二男二女。六十九歳。