話題の人登場 2011年8月25日記(深川耕治)

   



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香港を訪問した中国の李克強副首相

中国の李克強副首相 8月16日から3日間、中国副首相の立場で香港を公式訪問した。胡錦涛国家主席らと共に香港に隣接する広東省深セン(土ヘンに川)でのユニバーシアード夏季大会の開幕式に参加し、北京五輪、上海万博、広州アジア大会に次ぐ国際大会で中国の国威発揚を誇示した後の香港訪問だが、過敏なほどの厳戒体制に香港住民からは不満の声も上がった。

 到着直後、「中央政府が香港の発展を支援する新政策措置を携えてきた」と記者会見。その後、何文田の福祉施設を訪問し、高齢者に電動車いすとテレビを贈呈した。歴代の中国指導者と同様、公共住宅や団地の一般家庭を訪問。温家宝首相のような親民路線を踏襲し、「家賃は高くないか」「施設の使い勝手は悪くないか」「経済発展と努力で生活は徐々に改善に向かう」「家和して万事成る」などと語った。

香港の一般住民の生活を視察する中国の李克強副首相 訪問時に住民の1人が「平反六四(天安門事件の再評価)」と書かれたTシャツを着ていて私服警官に連行されるハプニングも。拘束された住民は「香港には表現の自由があるはず。住宅の管理費も政府に納める税金も支払っている者がどうして拘束されなければならないのか」と抗議した。

 8月17日の中国と香港に関する貿易金融フォーラムでは人見元業務の拡大など36項目にわたる香港支援策を発表。香港大学百周年記念式典では「2千年以上前の中国の先哲の言葉『木を育てるには十年、人材を育てるには百年かかる』との明言を思い出した」と英語で流暢に講演した。

次期香港行政長官の有力候補である唐英年(ヘンリー・タン)政務官と握手する李克強中国副首相(2011年8月16日) 敵を作らない温和な性格は習国家副主席と似ているが、胡錦涛国家主席に近い共青団(共産主義青年団)派で太子党の習氏と派閥が違い、聡明な秀才肌が激しい権力闘争に生き残れるか未知数でもある。一時、健康不安説も流れたが、激務をこなしている。日本の政界では小沢一郎氏と懇意で、民主党の数少ない太い中国人脈となっている。

 1955年7月1日、安微省定遠県生まれ。北京大学法学部卒。同大学院で法学と経済学の博士号を取得。共青団中央常務委員を経て76年に中国共産党に入党。92年、共青団第一書記となり、99年に河南省長に就任。02年に河南省党委書記、04年に遼寧省党委書記に転じ、07年、二階級昇進の政治局常務委員に昇格。08年3月、副首相に任命され、12年10月の党大会でポスト胡錦涛の最有力候補である習近平国家副主席と共に次期首相の最有力候補と見られている。56歳。



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