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2008年12月22日記 最新中国株情報 WINTRADE


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カジノ依存、歪み深刻 中国返還9周年のマカオ
不況直撃、リストラの嵐
 国家安全法条例に反対デモ

 
12月20日、中国返還9周年を迎えたマカオは、カジノ一辺倒の産業振興策に陰りが見え始め、金融危機による米ラスベガス資本の資金繰り悪化で驚異的な経済成長が鈍化して重苦しい空気に包まれている。中国依存が政治的にも増して香港と同じ轍を踏みかねない綱渡り状態が続く。(深川耕治、写真も=08年12月22日記)
経営悪化、新規建設も挫折
中国人客でごった返す「ベネチアン・マカオ」のカジノ場。最近は規制で中国本土客が減り始めている=深川耕治撮影
  12月19日、中国の温家宝首相は北京・中南海でマカオの何厚●(金ヘンに華)行政長官と会談し、「中国政府は香港に14項目の経済支援策を約束したようにマカオにも同様の支援を行う」と約束。二十日の返還九周年記念式典で任期一年を切る何行政長官は「一国二制度下、住民が主人意識を発揮し、信頼と勇気を持って金融危機を必ず克服しよう」と話した。

 返還記念日の20日午後、民主派議員や労働者ら約一千人(マカオ警察発表は200人)が参加(=主催者発表)し、マカオ政府が制定を目指している国家安全条例の制定反対デモを展開した。同条例案は、反中国の活動は国家転覆行為として取り締まる内容であり、マカオ市民からも強い反発を招いた。昨年の返還記念日にはカジノ産業以外の産業地盤沈下に憤る7000人が参加する反政府デモが起こっており、デモの規模は一年前より小さい。

 20日午前、香港の立法会議員8人を含む民主派の香港人27人がデモに参加するため、高速艇でマカオ入りをめざし、民主党の立法会議員ら3人のみ入境。マカオ当局は残り24人に関して「過去、マカオの内部保安法を犯した経歴がある」との理由で入境を拒否した。入境拒否の現場となったフェリーターミナルには国家公安条例案の立法化に賛成する親中派のマカオ市民十数人が「マカオのことはマカオ人が決める」と横断幕を掲げ、民主派と衝突する一幕も発生した。

マカオ入りを試みて拒否された香港民主派の立法会議員や民主活動家ら
11月22日、マカオの何行政長官はマカオ基本法(ミニ憲法)第23条に基づいて国家安全条例の立法化に着手することを発表。何長官の任期が満了する2009年末までに立法化を目指して引退の花道にしようとしている。反中国の活動を規制する同条例案は、香港で2003年に立法会採決間際に50万人を超える反対デモが展開されて廃案となり、香港トップの董建華行政長官(当時)が政権運営が行き詰まって任期途中で辞任した経緯がある。

 香港政府はマカオでの立法化の動きについて「香港では当面、国家安全条例の立法化着手は考えていない」と否定。マカオでも同条例案への反発が返還10周年に向けて拡大していく可能性が高い。

12月20日、国家安全条例の立法化賛否をめぐり、マカオの民主派と親中派は激しい小競り合いになった
 批判が強まる何行政長官は今年4月、今後は新規カジノ建設を許可せず、既存のカジノへの管理強化も進める方針を発表。規制強化理由を「胡錦濤国家主席の意向による」と表明した。さらに6月からはマカオと隣接する広東省の住民がマカオ入りする回数を月1回に制限。マカオへの旅行客数は金融危機発生後も微増しているが、中国本土観光客数は減ってきている。

 人口約55万7000人のマカオは米資本のカジノであるラスベガス・サンズは金融危機の影響で融資が阻まれ、11月には第5期、6期の工事の中断を発表。中国本土労働者労働者5000人、香港人労働者4000人を含む計1万1000人の建設労働者をリストラした。米ラスベガス資本のベネチアンリゾートも外国人労働者のリストラを検討していることが香港メディアで繰り返し報じられている。

 ベネチアンマカオでは3カ所の系列カジノ場に勤務する従業員のうち、月給1万パタカ(1パタカ=13円)以上の約6800人に対し、2009年から1カ月に4日の無給休暇(10%減給に相当)を要請。大幅リストラへの序章と受け止められている。

 マカオの賭博収入は金融危機の影響で大幅減少している。10月の総収益が73億5000万パタカ(1パタカ=13円)で前月(98億9000万パタカ)より25億4000万パタカも激減。マカオ政府の賭博税収も10億パタカ減少した。カジノによる収益は今年九月まで毎月平均90億パタカを維持し、4月は104億パタカという驚異的な収益だった。しかし、ベネチアン・マカオが米国発金融危機の影響を受けて融資が頓挫し、1万1000人の労働者を削減することでカジノ産業一極集中の経済成長は大幅に鈍化し、10月以降、急下降している。

マカオ行政長官の普通選挙導入と汚職反対を帽子に書き込むマカオのデモ参加者
 12月17日、「マカオのカジノ王」と呼ばれるスタンレー・ホー氏(マカオ観光娯楽総裁)が70億パタカ(約910億円)を投じて建設したグランドリズボアホテル(スイートルーム431室)を正式オープン。返還前のマカオのシンボルだったリズボアホテルに隣接した巨大カジノ「新リズボア娯楽場」(240テーブル、スロット480台)が2007年2月に開業し、その上層階をホテルとして一年以上遅延して完成した形だ。

 8月末、タイパ島とコロアン島の間に造成された埋め立て地・コタイ地区にフォーシーズンズホテル・マカオ(三百六十室)がオープン。三千室のスイートルームを擁するベネチアン・マカオに隣接し、高級ブランド百八十店舗が出店するショッピングモールで連結されている。ラスベガス・サンズが開発を手がけたエリアにはヒルトン、シェラトン、ラッフルズ、フェアモントなどの有名ホテルも開業を予定しているが、金融危機の影響でカジノ・バブルがはじけ、暗雲が立ちこめている。

 マカオはカジノ景気に呼応し、次々と一流ホテルが進出しているが、「予想していた収益、稼働率は見込めない。カジノバブルはすでに終わってしまった」(香港紙「香港経済日報」)との厳しい見方が広がり始めている。大きな節目となる来年12月の返還十周年記念日には、何厚●氏からバトンを引き継ぐ新行政長官が胡錦濤中国国家主席を迎えるマカオは政治・経済状況が厳しさを増している。

【最近のマカオ賭博収益と税収(2008年7-10月期)】
10月 賭博収入 73億5千万パタカ 賭博税収 25億7千万パタカ
9月 賭博収入 98億9千万パタカ 賭博収入 34億6千万パタカ
8月 賭博収入 95億5千万パタカ 賭博収入 33億4千万パタカ
7月 賭博収入 102億8千万パタカ 賭博収入 35億9千万パタカ
(1パタカ=約13円)


マカオの最新統計(マカオ政府提供のウェブサイト)
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