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2010年2月23日記 最新中国株情報 WINTRADE


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待遇向上でも民工来ず 中国広東省
珠江デルタ200万人不足

給与アップでも不足 最良の待遇求め職選び
出稼ぎ農民、故郷待機

 中国では大都市部で働く農民工(出稼ぎ農民)が春節(旧正月=今年は2月14日)期間に帰省し、春節明けから新規労働力を確保するために各企業が就職説明会を開くシーズンが到来している。労働集約型産業が集中する広東省では低賃金労働の職種は雇用不足が深刻化する一方、専門技術職の競争率は高く、大卒でも就職できない「蟻族(ありぞく)」が急増。農民工も待遇条件のより良い職場を選り好みし、出稼ぎより地元就職を優先する傾向が強まり、雇用環境が大きく変わりつつある。(深川耕治、写真も=2010年2月23日記)

専門技術職は就職難 過酷労働を拒絶
大卒の蟻族、職探し厳しく


広州駅で春節前の帰省を待つ農民工たち=深川耕治撮影
 2月21日、広東省深セン(土ヘンに川)市で春節後、初めてとなる合同就職説明会が開かれた。有名企業105社を含む約1400社が参加し、求人数は5万人で過去最多。今後1ヶ月間で同省珠江デルタ地帯では同様の就職説明会が百回以上開かれる予定だが、就職希望者は例年よりも減り、「民工荒」と呼ばれる労働力不足が深刻化している。広東省政府の予想では今年の珠江デルタ地帯の労働力不足は約200万人と見通している。

 深セン(土ヘンに川)に進出している香港企業の間では「大部分が給与を1割アップして農民工に勤続するよう呼びかけているが、広東省政府関係部門に支援を求めても短期間での解決は難しい」(香港工業総会)との重苦しい見方が広がっている。打開策として人手不足の工場では給料を3倍に増やしたり、熟練工に対しては月給1000元(1元=13円)以上、最高5000元にまで待遇を改善して引き留めるケースもあるという。

深セン(土ヘンに川)市内の工場で働く若い女性出稼ぎ労働者たち=深川耕治撮影
 深セン(土ヘンに川)市政府の発表によると、2009年第4四半期の労働力不足は81万9000人。製造業などの平均月給は残業代を含めて1700元から1800元となり、45歳の農民工でも就職容易な労働環境に変わった。農民工に対して低賃金労働で残業代すら支給せず、劣悪な労働条件で月給600元前後しか支払わなかった4、5年前とは待遇面で格段の差だ。

 広州市でも製造業、サービス業などを中心に約15万人の労働力不足が見込まれ、「今年は衣料、電子部品工場の単純作業労働に関して就業率が低く、一人当たり平均5職種の選択が可能になった」(広州市人力資源市場服務センター)という。

長江デルタ地帯も同様だ。浙江省杭州では昨年末の労働力不足は66万9000人だったのに対し、求職者数は14万3000人。上海でも各企業の給与を10〜20%増にしないと新規求人が集まらないケースが増えている。

 大都市部に農民工の就職率が上昇しない理由は内陸部の労働環境の改善、給与上昇がある。農民工の労働力を広東省や上海近郊に流出してきた湖南省や安徽省では給与が杭州の一般労働者を上回るレベルに変わってきているため、出稼ぎの魅力が半減している。むしろ、内陸部でも労働力不足の民工荒現象が広がっている。

広州の地下鉄工事をする農民工たち=深川耕治撮影
 一方、大卒以上で経験者が優遇される専門技術職は狭き門。昨年の同時期は金融危機の影響が直撃し、大卒者の就職難は深刻化して農民工の職種を大卒者が奪い合う事態にエスカレートしたが、今年は農民工にとって売り手市場で大卒者と競合することはない。大卒者はホワイトカラーの高級専門職を求め、倍率も数十倍の激戦だ。深?での就職説明会では現地で初めて販売経理職を10人募集した香港企業に400人以上の大卒者が殺到。遼寧省出身の大卒者まで職を求めて深?の就職説明会に参加するケースもある。

 大学を卒業しても自分の満足の行く給与待遇に合わない企業しか就職口がなかった場合、就職浪人のような立場でアルバイト職を続けながら共同で低家賃の場所に住む「蟻族(ありぞく)」と呼ばれる人々が昨年来、大都市部で増え続けている。

 蟻族(ありぞく)とは、1980年代以降に出生した若者で大学卒業後、正規の就職ができずに低所得のため都市郊外の低家賃の場所に住むグループを指す新語。高学歴でありながら北京、上海、広州、武漢などの都市部村落に群れを成して住む平均年齢22歳から29歳の世代で100万人以上が暮らしている。蟻族は農民や農民工、下崗職工(リストラされた失業者)に続く第四の弱者グループとされ、中国の経済政策の歪みによる新現象となっている。

 広東省では胡錦濤総書記の信任の厚い汪洋広東省党委書記が、旧来の労働集約型企業を省外にシフトし、ハイテク・IT産業を誘致して技術・資本集約型の産業構造に転換する動きを強化。広東省内の労働力不足はその象徴でもある。大都市部の労働条件、待遇の変化がもたらした沿海部と内陸部の人の流れは大きな地殻変動を起こし始めており、旧来の労働集約型企業は内陸部にシフトし、産業の地殻変動が進み始めている。

 【民工荒】 民工(出稼ぎ農民)が都市部の就業先を選別することで労働力不足が深刻化する現象。都市部に大量流入するかつての「民工潮」現象は終息し、雇用側が民工に残業など過酷な労働条件を強制した上、法令の最低賃金より低賃金しか支払わず、抗議行動を起こせば不当解雇する動きが急増。より条件の良い職場や他地域へ移動を始め、沿海部だけでなく内陸部でも同現象が広がっている。



 




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