話題の人登場 2010年4月23日記(深川耕治)  最新中国株情報 WINTRADE

   



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上海万博PR曲を作曲して物議を醸した作曲家・繆森さん

 5月1日の開幕一ヶ月前に発表された上海万博のPRソング「2010年はあなたを待っている」を作曲した当事者。日本のシンガー・ソングライター岡本真夜さんのヒット曲「そのままの君でいて」にそっくりだと指摘され、中国の売れっ子作曲家は非難の矢面に立っている。

 上海万博PRソングは俳優のジャッキー・チェンさんらアンディ・ラウさん、劉翔さんなど著名人が万博会場をバックに華やかに歌うビデオが製作され、4月1日から国内の地方テレビ局を含む5000チャンネルで上海万博PRのCMとして流され、ネットでも堂々と公開されていた。

 しかし、国内ネット上では万博PRソングが発表された直後から盗作疑惑が浮上。4月中旬にはネット掲示板やブログで岡本真夜さんが1997年に発表した曲と比較しながら「国賊」「国の恥」「世界中から中国人の面子が潰された」「わが国の御用芸人は創造力が完全欠如」との書き込みや動画による比較がなされ、非難囂々(ごうごう)となった。日本のメディアでも大きく報じられたことで万博事務局は4月17日、曲の暫定的な使用停止を明らかにした。公式サイトからもPR曲の紹介内容は完全削除。

 岡本さん側は4月19日、上海万博実行委員会から楽曲使用申請があり、承諾したことを発表。上海万博実行委が楽曲の盗作疑惑を事実上、認めた形となった。

 上海万博PRソングが発表された直後、作曲を担当した本人は上海紙「東方早報」のインタビューで「今までの曲と違い、仕事場で何度も試行錯誤を繰り返し、インスピレーションが湧いて数日後に楽曲が誕生した」とオリジナルの独創的な曲であることを強調していた。

 パクリ疑惑がネットで流れ始めて以来、同疑惑へはノーコメントだったが、4月22日、本人が声明を発表。

 「国益と大局に立つため見解を控えてきた。下心のある者が意図的に大衆の評価をミスリードしたが、岡本さん側と協議して盗作論議を排除することで合意した」と疑惑を完全否定し、「岡本さんの曲とは全然違う」とあくまで盗作ではないと白を切る厚顔無恥な態度。

 これが中国で有名な音楽プロデューサーの標準的な態度なのかとの国内外の厳しい視線にも動じる動きはない。これまで多くの歌手をプロデュースし、次々と新曲をヒットさせてきたが、疑惑は到底払しょくできず、本人の評価は下がる一方。ネット上では「竹林風」「百変選択」などこれまでの作曲にも盗作疑惑が渦巻いている。中国では北京五輪のテーマ曲も国内で2005年にリリースされた「無覚」とメロディがそっくりと指摘され、盗作疑惑はいまだに晴れていないし、音楽やアニメ、建築物などに関する盗作疑惑は万博のような国際イベントの際、中国で悪い意味での名物になるほど深刻だ。

 上海万博の良いイメージを国際的に宣伝したかった中国側の思惑とは裏腹に、今回の盗作問題は中国に蔓延する知的財産権の問題点が改めて浮き彫りになる皮肉な形となった。

 東北地方の出身で1992年に上海音楽学院作曲指揮系を卒業。中国の人気歌手・韓雪を発掘プロデュースし、高い評価を受ける。陸毅、陳坤、韓雪の専属プロデューサー。ソニー/ATVと専属作詞作曲契約を結んでいる。


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