■与党・民進党(民主進歩党)候補

総統候補 陳水扁(民進党主席、現職)


(写真は深川耕治撮影)


【ちん・すいぴん】
 台湾台南県(現・台南市)の貧しい農家の生まれ。苦学して台湾大学法学部を首席で卒業、在学中に最年少で弁護士資格を取得。弁護士になって、国民党の弾圧を受ける台湾人の側を擁護。一九七九年の民主化弾圧事件「美麗島事件」では民主派勢力の政治犯(後の民進党幹部)が逮捕・投獄されたが、夫人の助言で同裁判の弁護を担当、民進党の政治活動に傾注していく。同事件で本人も八カ月間、投獄される。

 その縁で八一年に台北市議、民進党中央常任委員を経て、八九年、立法委員(国会議員に相当)。九四年、初の直接選挙で台北市長に初当選した。九八年の再選で国民党の馬英九候補に惜敗、そのことが総統選出馬を可能にした。呉淑珍夫人は九二年、立法院選挙の政治テロ(交通事故)に遭って下半身不随のまま車いす生活を続ける。五一年生まれの五十二歳。

 先回の総統選では「阿扁」(アピエン)の愛称で台湾独立派の支持を受けつつ、新中間路線と呼ばれる現実路線を打ち出して浮動票取り込みに成功。とくに若い世代、学界からの圧倒的な支持を取り付けた。一九九九年末、出版した自伝「台湾の子」の表題通り、台湾で生まれ育ち、台湾人のために生きてきた自負の念が支持層を広げた。夫人への毎晩のマッサージだけは欠かさない愛妻家とも。