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2009年6月17日記 最新中国株情報 WINTRADE


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中国ツアーで0−157集団感染
6人感染、帰国後1人入院 上海周辺7日間ツアー
調査後、感染源特定できず 阪急交通社
入院女性は旅行社と面会拒否


 
日本の大手旅行会社・阪急交通社(本社・大阪市北区)が今春から初夏にかけて定期的に行っていた5月の中国・上海パッケージツアーで腸管出血性大腸菌(0−157)による集団感染が発生し、一度のツアーで福岡市在住の男女6人が集団感染していたことが明らかになった。中国での集団食中毒が確実視されながらも感染源すら特定できず、阪急交通社は内部調査を行うのみ。中国当局への報告・調査依頼を行わず、在留邦人の安全を守る在上海日本総領事館には感染の事実すら公式報告が上がっていない。来年5月開幕の上海国際博覧会(上海万博)を控え、万博に日本から百万人以上の入場が見込まれる中、感染源特定ができない中国の「食の安全」問題が懸念されている。(深川耕治=09年6月17日記)


O157の集団感染が発生した阪急交通社の上海・江南巡りツアー参加者(新型インフルエンザ問題が発生した矢先、マスク着用者が多い)=上海浦東国際空港

 O157の集団感染が発生したのは阪急交通社の人気パッケージツアー「まるごと江南周遊7日間」(5月7日〜同13日)で、福岡発着の参加者56人の中の6人。

 同ツアー参加者は福岡、山口、熊本、長崎、大分の各県などから集まり、上海近郊の江蘇省蘇州、無錫、浙江省杭州などを巡り、上海観光をして7日間で帰国。感染が確認されたのは福岡市内在住の男性3人、女性3人の計6人だ。

 感染が最初に確認されたのは、ツアー中から気分が悪かった福岡市博多区在住の女性(60)。帰国後、血便による腹痛に苦しみ、地元の病院で検査し、5月15日に感染が確認された後、入院。その後、ツアー参加者全員に各保健所から連絡が入り、検便を義務付けられた。福岡市保健福祉局によると、同18日の段階で、市内在住の男女合わせて6人の感染が確認された。

 感染源は中国旅行中にレストランなどで食べたものとみられるが、現段階では特定されていない。血便と腹痛のために10日間前後入院していた女性は「韓国旅行は何度行っても素晴らしいが、中国は二度と行きたくない」と話しており、約2週間にわたって阪急旅行社側との面会を拒絶している。

 O157に詳しい国立医薬品食品衛生研究所(食品衛生管理部第一室)によると、O157を含む腸管出血性大腸菌感染症は国内での感染数が年間3000〜4000例。感染源が特定できたケースは年間1ケタ程度で、国内の集団感染例でも感染源となっている食材から菌を抽出するのは難しい。

 国立感染症研究所感染症情報センター第二室(発生情報調査担当)は「中国でのO157を含む腸管出血性大腸菌感染症の感染例は2007年が3例、08年がゼロ。このような感染症は旅行者が多いアジアで感染するケースが多く、中国、韓国、オーストラリアなどで発生し、海外での感染例は年間30〜40例前後」と話している。

 中国での感染が年間で1、2例程度でありながら、今回のように福岡市在住者6人が一度に集団感染したとすれば突出したケースと言える。

 しかし、中国での集団感染は06年9月12日〜16日までの上海、北京などを巡る佐賀県内の修学旅行の帰国者122人中半数以上が下痢、嘔吐の症状を起こし、1人が入院した例がある。最終的な感染者数はノロウイルス3人、毒素原性大腸菌2人、O157が17人となっており、中国団体旅行での食中毒感染例としては抜きんでている。

 この集団感染発生により、中国でのO157を含む腸管出血性大腸菌感染症の感染例は06年が合計22例となっているが、同集団感染を教訓とした日中間の「食の安全」対策強化は進んでいない。

 上海日本総領事館領事班によると、過去2年間、上海の在留邦人が当地でO157を含め、集団食中毒になった事例は報告されていない。今回の福岡からのツアーで集団感染が発生した事実も、旅行社側が報告していないため、事実確認すら取れてない状態だ。「在留邦人、日本からの旅行者を含め、上海、江南地方で食中毒が発生した場合、状況調査を行い、中国側に調査依頼が必要な場合は、上海市衛生庁に申告することになる」(上海日本総領事館)と話している。
0−157の集団感染が発生した阪急交通社の上海・江南めぐりツアー。レストランで食事するツアー参加者ら

 阪急交通社は現在も「阪急トラピックス」のツアー商品として「上海と蘇州・無錫めぐり4日間」など多数の福岡発着ツアーを継続発売している。北部九州の各支店でこれらのツアー商品をめぐるO157の集団感染事例が発生したことについては今月8日の段階でも「最近を含め、過去、当社の中国ツアーで食中毒の事例は断じてありません」(福岡、熊本、長崎、大分の各支店)と電話受付担当が答えるなど、集団感染発生についての情報が十分に通達されていなかった。

 今回、O157の集団感染が発生したのは、同社の主力商品である会員向け旅行情報誌「トラピックス倶楽部」と新聞広告でツアー応募を行うメディア型旅行商品の一つで、同ツアーだけでも約3000人が参加している。同社広報課は「当社の中国ツアーでO157感染が発生したことで現地へ調査員1人を派遣し、ツアーで使用したレストラン、ホテルの食事内容を再チェックしたが、感染源の特定はできなかった。感染発生は社内通達しているが、中国当局には集団感染について報告、調査依頼はしていない」と説明している。現地のレストラン、宿泊ホテルの手配については現地旅行社に委託しており、感染発生時に迅速な原因究明を行うのは困難だ。

 来年5月1日から10月末まで上海万博を開催する中国は、百万人以上の日本人入場者数を見込んでいる。「上海万博日本館のレストランに関しては食の安全に対して万全を期しているが、上海の食の安全については外務省の安全情報による注意喚起などを参考にするしかない」(上海万博日本館推進委員会事務局)のが実情だ。

 中国・天洋食品製造の輸入冷凍ギョーザに殺虫剤の原料となるメタミドホスが混入された事件の真相解明が進まないだけでなく、日中間で「食の安全」対策についての共同調査協力が遅々として進んでいない。O157の集団感染問題は旅行会社の社内調査のみに終始し、抜本的な安全対策や改善策が見いだせないまま、上海万博の開幕が近づいている。



【O157】牛の糞便中に数%程度検出されることのある強毒性の腸管出血性大腸菌の一種。菌は摂氏75度以上の加熱で死滅する。別名「ベロ毒素産生大腸菌」。牛の生肉などから感染するケースが多く、赤痢菌と酷似し、わずか50〜100の菌数で感染して大腸で増殖する。潜伏期間は3〜7日前後で初期症状は激しい腹痛と血便。ペロ毒素は人間の腸管壁から進入し、腸管を破って出血し、抵抗力の弱い幼児や高齢者は腎不全や血小板減少・溶血性貧血などを引き起こし、最悪の場合、死に至る。1996年、大阪府堺市の学校給食のかいわれ大根が0−157の感染源と発表され、女児2人が死亡。生肉を触れた包丁、まな板、食器から感染しやすいため、熱湯で消毒、手洗いの励行が不可欠。

【上海万博】 2010年5月1日〜10月31日に開催される中国初の万国博覧会でテーマは環境問題を意識した「より良い都市、より良い生活(Better City, Better Life)」。会場総面積528ヘクタール、予算総額は愛知万博(2005年)の2倍超となる286億元(約3713億円)で史上最大規模となる。入場者数も7000万人を見込み、過去最多の大阪万博(1970年)の6422万人を上回る。マスコットキャラクターは「四海之宝(世界の宝)」を意味する「海宝(ハイバオ)」で台湾のデザイナー・巫永堅の作品が採用された。185カ国を含む234の国・組織が参加予定で、日本からは「日本館(愛称・紫蚕島=日本語の通称・かいこじま)」と「日本産業館」のパビリオン出展、大阪府と大阪市による地方自治体による出展が準備されている。チケットは平日で大人160元(約2300円)。


 




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