台湾企画記事
2004年12月9日記

与野党、過半数めざす総力戦に 台湾立法院選挙
過半数届く勢い 与党連合 現有維持は困難 野党連合
他党との「配票」協力が勝敗の鍵

「台湾人意識」の高揚、焦点に


 12月11日の台湾立法院(国会、二百二十五議席)選挙を目前にひかえ、与野党各党は最終盤の追い込みに全精力を注ぎ、与党・民進党と台湾団結連盟(台連)の与党連合は過半数に届く勢いを見せ、国民党と親民党、新党の野党連合は現有議席の百十一議席に数議席届かない苦しい闘いが最後まで続いている。与野党とも他党との選挙協力が議席増減を大きく左右するとして各選挙区の「配票(複数の支持政党候補に均等に票を入れる調整工作)」に細かい神経を使う与野党の総力戦となっている。

 与党・民進党の張俊雄秘書長(党幹事長に相当)(写真左側=深川耕治撮影)は九日、同党本部で国際記者会を開き、「民進党は九十六議席プラスマイナス二議席、台連は十七議席プラスマイナス一議席で緑(与党のシンボルカラー)側は百十〜百十六議席の獲得が予想され、過半数の百十三議席の突破は充分可能な圏内に入った」と最終的な票読みを明らかにした。

 野党各党の獲得予想議席については「国民党六十七、新党一、親民党三十で野党連合は九十八議席前後となるだろう」と述べ、たとえ与党連合が過半数を征することができなくても、野党連合は与党連合より議席を減らし、無党籍の立法委員(国会議員)の半数以上を与党連合支持に取り込むとして多数派工作に自信をのぞかせた。

 民進党の獲得予想議席を九十六議席前後とやや弱気の見通しを示した理由について張秘書長は「本来は民進党が百議席前後を獲得できる勢いだったが、台連の支持率が終盤に急増して民進党の票を四議席前後減らすことになった」と説明。台連の最終盤での票獲得急増を認めた。

 民進党の李応元副秘書長(写真右側=深川耕治撮影)も「台連の支持率は二〇〇一年に七・八%だったのが八・二%となり、支持率は着実に増えてきている」と台連との協力体制の重要性を強調。台連内部でも「三年前の選挙では八十万票だったが今回は百万票を確保し、少なくとも二十議席獲得は堅い」と見ている。李登輝前総統が新憲法制定、正名運動などを呼びかけることで「台湾人意識」の高揚が与党連合の票配分の地殻変動をもたらしそうだ。

 一方、野党連合も負けてはいない。国民党組織発展委員会の選挙運動部が分析した同党最新調査結果によると、野党連合は国民党七十三、親民党三十四、新党一の計百八議席を獲得し、与党連合より四議席多いとしている。しかも、「民進党は過半数を取れなくても無党派の立法委員の半数以上を与党連合側支持に回せる自信があると楽観視しているが、当選が予想される無党派十一人のうち六人以上は確実に野党連合を支持する」(同党選挙運動部視導)と立法委員候補の具体名をあげて説明した。

 ただ、野党連合の現有議席である百十一議席を維持するのは困難で、確実に議席を減らすと暗に認めており、野党連合にとっては現有議席確保を死守する苦しい選挙戦となっている。民進党が得意とする「配票」工作を国民党も本格導入しているが、親民党から「不平等な調整だ」と不満の声が出ており、選挙協力に不協和音が広がることで選挙後の国民党と親民党の合併問題にも悪影響を与えそうだ。(04年12月9日記、台北で、深川耕治)