中国共産党のしくみ
【中国共産党の組織(党員数は2007年6月現在)】
総書記 1人
政治局常務委員 9人
政治局員 25人
中央委員 204人
中央委員候補 167人
党大会代表 2217人
党員 7336万人
※上から下にピラミッド型に末広がり、一党独裁を維持

第二期胡錦涛政権の顔ぶれと派閥
【政治局常務委員】(序列順、★は新任、()内は年齢、[]内は現職)
 胡錦濤(64) 胡錦濤派、共青団派 [総書記、国家主席、軍事委主席]
 呉邦国(66) 江沢民派、上海閥 [全国人民代表大会常務委員長]
 温家宝(65) 胡錦濤派 [首相]
 賈慶林(67) 江沢民派、上海閥 [全国政治協商会議主席]
 李長春(63) 江沢民派 [常務委員]
★習近平(54) 太子党 [上海市党委書記]
★李克強(52) 胡錦濤派、共青団派 [遼寧省党委書記]
★賀国強(64) 江沢民派 [党中央組織部長]
★周永康(64) 江沢民派 [公安相、国務委員]
【政治局員】(序列順、★は新任、カッコ内は年齢)
★王剛(65)  江沢民派 [前中央書記書書記]
 王楽泉(62) 共青団派 [新彊ウイグル自治区党委書記]
 王兆国(66) 共青団派 [全人代常務副委員長]
★王岐山(59) 太子党 [北京市長]
 回良玉(63) 江沢民派 [副首相]
 劉淇(64)  江沢民派 [北京市党委書記]
 劉雲山(60) 共青団派 [党宣伝部長]
★劉延東(61) 共青団派、太子党 [党統一戦線部長]
★李源潮(56) 共青団派 [江蘇省党委書記]
★汪洋(52)  共青団派 [重慶市党委書記]
★張高麗(60) 胡錦濤派 [天津市党委書記]
 張徳江(60) 胡錦濤派 [広東省党委書記]
 兪正声(62) 太子党 [湖北省党委書記]
★徐才厚(64) 軍人、江沢民派 [軍事委副主席]
 郭伯雄(65) 軍人、江沢民派 [軍事委副主席]
★薄煕来(58) 太子党 [商務相]
※政治局レベルでは大きく分けて江沢民派、共青団派、太子党の三派が拮抗しながら複雑に入り乱れている

【中国の新閣僚決定】(08年3月17日)

◆◆中央委員・中央委員候補の構成とその特徴

 中央委員・同候補の構成と特徴は以下の通りになっている。

 16期中央委員は合計198名で、15期より5名増、候補委員は158名で同じく7名増である。中
央委員選出にあたって、最近では、差額選挙制が導入されており、中央委員の場合、被選挙
者人数は208名、委員候補は167名が候補者名簿として提出された。差額選挙といっても、そ
れぞれ10名前後(5%程度)であり、民主選挙とはいいがたいが、党の選挙制度としては一歩
前進である。

 中央委員のうち、15期に引き続き再選(「再」)されたのは90名(45.5%)で、15期委員候補
からの昇格(「昇」)が40名(20.2%)、68名(34.3%)が新任(「新」)という内訳である。「昇格」
と「新任」を合わせると、54.5%が新任者であり、「再任」を上回っていることが特徴である。
 また、委員候補158名の内訳をみると、新任が120名、15期候補委員からの再任が37名、中
央委員からの降格が1名で、新任の比率が中央委員よりさらに高い(75.9%)ことが特徴であ
る。なお、15期中央委員・委員候補のうち、5名が汚職などで逮捕されている。

☆☆ 年齢別構成の特徴

 まず、年齢別構成の特徴を分析する。なお、年齢は選出時(2002年11月現在)による。
 「委員候補」は出生年の判明者が少ないことから、中央委員198名の出生年別にみると、表1
のとおりである。198名のうち、不明な9名を除いた189名の平均年齢は58.40歳で、14期に比
ベ2歳、15期に比ベ2歳若返っている。

 年齢構成の中心は1940年〜42年生(60歳〜62歳)で、68名がここに集まっている。政治局常
務委員の大半もこの年齢層に入っており、中央委員全体の36%を占めている。15期は1935年
〜39年生の年代に70名(37%)が集中していたのと大きく異なる点であり、まさに平均年齢以
上に世代交代が進んでいることがわかる。

 1949年の中華人民共和国建国後の世代である1950年以後生まれの中央委員(「第五世
代」)も15期はわずか1名であったのに対し、16期では13名と急増しており、うち2名は1960年代
生まれ(40歳)という若さである。委員候補の最年少は39歳で、中国では異例の若さで、今後ま
すます若返りが促進されることであろう。

 かつて、胡錦涛などが40歳前後で共青団書記をきっかけに、20年後の今日、トップリーダー
になったように、こうした世代の中央委員候補あるいは党員が、「ポスト・胡鋳潰」時代のトップ
リーダーとなっていくのであろう。世代別に具体的リーダーを示したのが、表2である。

 一般に中国では、毛沢東、朱徳、周恩来らの建国の指導者を革命第一世代、トウ小平、陳
雲、李先念らを第二世代、江沢民、李鵬、末路基らを第三世代と呼んでいる。16回党大会で
は、江沢民ら「第三世代」から胡錦涛らの「第四世代」に権力が移行したことを象徴する大会と
なり、大幅な若返りが図られたことが特徴であった。しかし、世代定義の仕方にもよるが、「第
三世代」の指導者がまったく姿を消したということではない。「第三世代」以後の世代について
は、厳密に定義されているわけではない。

2008年3月5日、全人代での政府活動報告要旨

 温家宝首相が5日に行った政府活動報告の要旨は以下の通り。

【過去5年間の回顧】
 2007年の国内総生産(GDP)は、24兆6600億元(1元は約14・6円)に達した。02年より65・5%増、年平均で10・6%の伸びで、世界6位から4位に飛躍した。
 中米関係は安定的に発展し、中日関係は改善されている。
 都市と農村や、地域間の格差の拡大傾向は続いている。物価上昇とインフレ圧力の強まりは、大衆が最も注目する問題となっている。昨年度の消費者物価は前年比4・8%上昇した。製品の品質・安全など、解決されるべき問題は依然として多い。一部公務員はサービス意識が希薄で、資質が高くない。腐敗現象は深刻だ。

【経済】
 GDP(国内総生産)の成長目標を8%前後とし、消費者物価(CPI)上昇率を4・8%前後、都市部の失業率を4・5%前後に抑える。
 財政赤字を前年比650億元減とし、長期建設国債を200億元減らす。財政支出と政府投資の構造を引き続き調整し、「三農」(農民、農村、農業の問題)や社会保障、医療・衛生、教育、省エネ・排出削減、安価な住宅建設などの支出を増やす。
 金融の引き締め政策を実施し、通貨供給と銀行貸し付けを抑制する。

【農業】
 
食糧、食用植物油、肉類など生活必需品の生産を強化し、工業用穀物と食糧の輸出を厳しく抑える。
 農業インフラを整備し、食糧生産を発展させ、農民の収入増と農産物供給を促す。「三農」関連支出は、前年比1307億元増の5625億元を計上する。

【品質管理】
 
食品、医薬品など約7700品目で安全基準を制定・修正する。規格や測定法はすべて国際標準を採用し、輸出品は国際標準を満たすばか、輸出先の国の基準や法にも合致させる。
【民生】
 
農村の貧困家庭の寄宿生に対する生活費補助を引き上げる。貧困家庭と出稼ぎ労働者の子弟が義務教育を受けられるよう措置する。今秋から義務教育段階の学費・雑費を都市部で全面免除する。
 
医療・衛生事業の改革と発展のため、前年比167億元増の832億元を計上、農村などに投入する。都市農村での最低生活保障制度を重点的に整備する。社会保障体系の整備を速めるため、前年比458億元増の2762億元を投じる。
【五輪】
 
我が国の経済・社会の発展を促進する意義を持つ。国際的連携を密にし、良好な環境を作り出して成功を確保する。
【民主・法制】
 
民生の改善、社会建設の推進、エネルギー資源節約、生態環境保全などの分野で立法強化に重点を置く。
【行政改革】
 
国務院機構改革案では(業務が類似する部門の統廃合で効率向上を目指す)「大部門休制」の導入を探求する。
【台湾政策】
 
両岸(中台)関係の平和的発展という主題をしっかりととらえ、経済文化交流を積極的に進め、「三通(直接の通信、通航、通商)」を促す。
 「台湾独立」をもくろむ分裂活動に断固反対する。


全国人民代表大会(全人代)
 中国の最高の国家権力機関で唯一の立法機関。日本の国会に当たる。代表は省、自治区、直轄市、軍から選ばれる。任期は5年。年1回、北京の人民大会堂で開かれ、主に基本的な法律の制定、改正、国家主席の選出、首相の指名、国家予算の承認などを行う。



◆◆ 16回党大会の意義

 中国共産党は1921年に設立された。抗日戦争、国内戦争などを経て、1949年に共産党率い
る中華人民共和国が成立し、建国後も度重なる権力闘争により、政権はめまぐるしく移り、正
式な手続きを経て指導部が交代することはなかった。16回党大会はこれまでと異なり、正式な
手続きを経て指導部が選出されたという意味で歴史的に意味をもつ大会であった。

 2002年現在で、中国共産党員は6600万人である。人口比でいえば、20人に1人の割合で共
産党貝ということになる。年々増加傾向にはあるが、かつてのような、絶対的な権威が薄れつ
つある。党員の汚職・腐敗が深刻で、大衆から批判を浴びているからである。

 しかし、執政党として、中国を動かしているのはまぎれもなく共産党である。行政単位、企業
組織および末端の基層単位にいたるまで、共産党組織が張りめぐされて、それを中共中央と
呼ばれる指導部が治め、13億の中国を動かしているのである。

 16回党大会は2002年11月に開催され、党代表は2136名で、15期に比べ、10人増であった。
党大会の最大の焦点は人事交代で、指導部はこれまでの「第三世代」から「第四世代」に移
り、一部には「第五世代」も台頭しつつある。

 他方で、江沢民は党中央軍事委員会主席に留任し、かつ、江沢民に近い指導者が要職に
就き、「胡錦涛体制」に対する一定の影響力を残した。「胡錦涛体制」のリーダーは、その多く
が大学卒で、理工系出身者が多いのが特徴である。


★☆★ 中国共産党と16回党大会の意義

 さらに、一部に欧米留学組(「海帰派」、「亀」と「帰」が同じ発音であることから「海亀派」ともよ
ばれている)も出始めており、さらに上海出身者(江沢民派)が多く登用されている。しかし、い
わゆる「上海閥」が第四世代を中心としているのに対し、胡錦涛の出身母体である共青団人脈
は、党・政府・地方のポストに張り巡らされており、しかも第五世代、第六世代という若い世代
である。中には、修士号、博士号をもつリーダーもあり、中国は長期的には、こうした若く、高
学歴の世代リーダーによって、これまでのイデオロギー重視から、より経済合理性重視に変わ
っていくであろう。共産党は政権維持にためには、“時代の要請に従っで,、自己変革していか
ざるを得ない。

 2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博に向かって、中国経済はより発展するであろ
うが、その担い手は現在の40歳代後半から50歳代初めの指導者(中央委員・同候補)である。
 16回党大会は私営企業家の共産党への入党を奨励する内容を織り込んだ新党規約を採択
した。中央委員候補には18名の企業代表が選出されたが、ほとんどが代表的な国有企業の
責任者であり、私営企業家は選出されなかった。しかし今後は、私営企業家の中央委員が誕
生する可能性も大いにありうるであろう。

【中国の新閣僚決定】(08年3月17日)


話題の人物登場(プロフィール詳細)

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