香港:香港メディアの信頼度上昇
    親中紙が大衆紙抜く

 香港メディアの報道内容は、とりわけ中国情報について昔から「玉石混淆(こんこう)」と評さ
れ続けた。かつて「メディア天国」と呼ばれ、多様なメディアが氾濫(はんらん)する香港で、一
般の香港人たちやメディア関係者がTVメディア、香港各紙についてどう評価し、信頼している
かというと、中国返還前、返還前後、ここ最近では大きな違いを見せている。

 俯瞰(ふかん)すれば、一九七〇年代は「左派」「中立」「右派」に三分化され、八〇年代から
九七年六月末までの中国返還までは「親中国」「親香港」に二分、そしてその後は、二分されて
いたはずの「親中国」と「親香港」が一つになり、「親中港」とでもいうべき、中央政府と香港の
両方に有益な情報を評価する時代に変わりつつある。

 その傾向は、先月、香港中文大学の最新世論調査結果で鮮明に反映されている。

 同調査は九〇年、九六年、二〇〇一年の三回同じ設問で行われ、香港メディアへの信頼度
(十点満点評価)はそれぞれ六・四四、五・九一、六・五四となり、返還前後に信頼度が低下し
ていたはずのメディアが最近、「V字型」のように上昇してきている。しかも、信頼度が回復した
中でも商業主義を追求してきた大衆紙の評価は下がり、逆に中国系紙の評価が上がって両
者の立場が逆転したことだ。香港でより好まれるのは「精英紙(クオリティペーパー)」であり、
中国大陸と密接な関係を強める香港・中国中心の経済情報というのが結論だ。

 最新の世論調査による新聞メディア信頼度(メディア関係者対象)のベスト5は、信報(経済
紙、精英紙)がトップ、英字紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」(中立、精英紙)、明報(中
立、精英紙)、経済日報(経済紙、中立)、英字紙「ホンコンiメール」(中立)の順になっている。
TVメディアは香港電台(親香港)がトップで続いて無線電視、有線電視、商業電台、亜洲電
視、新城電台の順。

 編集の政治スタンスが高評価されている順位は反共路線のりんご日報がトップ、続いてホン
コンiメール、香港電台、有線電視、信報、星島日報、サウス・チャイナ・モーニング・ポストの
順。

 また、一般人対象のメディア信頼度調査結果によるベスト5は、新聞部門で明報がトップ、次
いで信報、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、星島日報、経済日報で、メディア関係者の評
価とほとんど変わりはない。

 香港人は中国経済の正確な動向、経済に大きな影響を及ぼす政治動向をより的確に分かり
やすく、コンパクトに報道するメディアを求めている。ビジネスマンの友人らに「香港で一紙だけ
買うならどの新聞か」と尋ねると「通勤途中に読むメリットのある新聞は信報」との答えが確か
に多かった。逆に「信用できない新聞は大衆紙」との声も多く、理由は誤字誤用が多く、統計デ
ータのケアレスミスが多いのも信用されない理由だ。むしろ中国系紙は中国共産党のプロパ
ガンダ的要素が強い割に誤字誤用や数字のミスは少なく、純粋な経済情報などは信用できや
すい、というのが計算高い香港人にとって高い評価につながっている。

(2001年12月31日記) 



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