董長官、各団体と対話開始
あいまいな応答に民主派不満

 董建華・行政長官が民主派議員や経済・社会団体の代表者、メディアとの対話を開始した。
このほかにも政府本庁舎前で抗議する市民に歩み寄って陳情書を受け取るなど、七月十九日
に北京を訪れて胡錦涛・国家主席、温家宝・首相らと会談して以来、童長官の姿勢が大きく変
わった。

 ☆★☆必要な3つのP

 七月三十日、報道関係者と会談した童長官は「七月一日のデモの主な原因は何か?」と自
問し、「不動産の評価額が購入価格を下回り、給与が削減され、失業率が上がる ー といっ
た状況で市民は希望も活路も見いだせなくなっている。

 長年蓄積した問題を解決するには時間が必要だが中長期的には有効な政策であっても短
期的には市民とりわけ中流階層に負担をかける。私のやり方、政府の失策、対話不足によっ
て市民の不満を引き起こした」と自答し、施政の誤ちを認めた。

 そして目下の重要任務は社会と政局を安定させることであり、まず自らの政治姿勢を改善す
ると表明した。その一策として各方面と定期的に対話して意見を聴取するほか、メディアなどを
通じて市民との意思疎通を図っていくと語った。

 二十二日朝には閣議を始める前に本庁舎の門外へ出向き、中国本土生まれの香港人子女
の居住権を求める市民、老朽化した公共住宅の建て直しを求める市民らの陳情を聞く姿がテ
レビで流れた。二十八日には経済、労働、社会など六十団体の代表者百二十人余りと会っ
た。香港各紙によると、董長官は「政治リーダーに必要な三つのPすなわち政策(ポリシー)、
施政(ポリティクス)、広報活動 (パブリック・リレーションズ)のうち、施政と広報活動のやり方
を誤っていた」と語った。

 ★☆★自由党とは協調

 特に注目されたのは職業工人連盟の李卓人氏、民主党の李柱銘 (マーチン・リー)前主
席、前線(フロンティア)の劉慧卿(エミリー・ラウ)民ら民主派議員との対話だった。董長官は
香港基本法(ミニ憲法)第二三条の立法問題について公開諮問を全面的にやり直し立法の期
限を設けないとの考えを示し、反対勢力との対話を「有用な第一歩だ」と自ら評価した。

 しかし、「あなたの退陣を求める声を聞いていませんか」と問い掛けたラウ氏には「聞こえて
います。あなたが一番大きな声で叫んでいますね」とあいまいな応答でかわし、普通選挙制度
の導入や政治改革に対する意見を求められても即答を避けた。このため議員たちから「まる
で空気かブラックホールと話しているようだった」と揶揄(やゆ)された。

 翌二十九日には、先ごろ行政会議メンバーを辞任して政局を一変させた田北俊(ジェーム
ス・ティエン)主席はじめ自由党議員と会談した。この会談では政治問題だけでなく、不動産市
況、失業対策、教育問題にも話が及び、香港経済を振興させるため短期的には観光客誘致と
物流産業の活性化で就業機会を創出し、長期的には「より緊密な経済・貿易関係に向けた協
定(CEPA)」や珠江デルタ地域との関係強化が重要であるとの見方で一致したと発表。自由党
と政府との協調をアピールした。
(03年8月8日記)

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