独立志向を鮮明にする陳総統 台湾
−−住民投票で新憲法制定求める−−

 二十五日、台湾南部の高雄市で住民投票による新憲法制定を呼びかける十万人規模(地
元警察発表)のデモ集会が行われた。与党・民進党、李登輝前総統が後ろ盾となっている台
湾団結連盟、キリスト教長老教会などが共催する形で独立派の本省人(戦前から台湾に住ん
でいる人々)が立ち上がった。

 五十年以上施行されている中華民国憲法は李登輝総統時代、六回の修正が加えられた
が、なお現状にそぐわない部分が多く、同デモに参加した台北在住の林啓智さん(71)は「台湾
はすでに独立した主権国家なので台湾国として新憲法を早期制定すべきだ。第四原子力発電
所も建設中止するのが妥当」と述べる。

 参加者の声を代弁する形で、陳水扁総統は集会の最後に登壇。「この場で参加者に問いた
い。住民投票、新憲法制定が必要だと思う人は挙手してほしい」と台湾語で問いかけ、〇六年
までに新憲法草案を策定し、〇八年に新総統選出後、正式に新憲法を施行することを表明し
た。

 来年三月の総統選挙をひかえ、二大野党が共闘を組み、連戦国民党主席と宋楚瑜親民党
主席が野党統一の正副総統候補ペアとなって支持率は陳総統の劣勢が続く。今回、陳総統
が独立志向を鮮明にしたことで、南部の台湾優先意識が中部や北部に広がり、支持率の差を
じわじわ縮める戦略だ。

 懸念されるのは、同デモに二十代の若者が一割も参加していないことだ。陳水扁政権になっ
て以来、台湾の景気は低迷し、若年層の就職率も下がって政治に無関心な若者が急増してい
る。先回の総統選で鍵を握った若年層が次期総統選で投票所に行かなければ、与野党ともに
固定票しか頼れず、どちらが有利か、最後まで予断を許さない状況が続く。(03年10月25日
記、台湾南部の高雄市で)



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