香港企画記事速報
2004年11月14日記

民主派議員3人、住民投票に反対 香港立法会
民主派の足並みに乱れも 動議は否決、政府も反対姿勢

  香港立法会(議会・六〇議席)では民主派議員らが二〇〇七年の行政長官選挙、〇八年の立法会議員選挙での全面直接選挙を実現するため、必要是非を問う住民投票の実施を要求する動議を繰り返し提出しているが、11月13日、譚香文議員ら民主派議員三人が同動議への不支持を表明し、民主派の足並みの乱れが表面化している。

 〇七、〇八年の両選挙は、香港有権者の民意とは裏腹に中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会が四月に行った香港基本法(ミニ憲法)に対する法解釈によって全面的な直接選挙実施が否決された。

 これに対し、七月一日の香港返還記念日には両選挙の完全直接選挙実施を求め、五十三万人の民主化要求デモ(写真右=香港立法会議場前=深川耕治撮影)が行われ、香港特別行政区政府は曾蔭権(ドナルド・ツァン)政務官が率いる政治制度改革部会を立ち上げ、全人代の解釈の範囲内での制度改革を検討し始めている。

 親中派政党は二〇一二年以降の全面直接選挙実施を目標に掲げて民意を反映しようと主張しているが、七月一日の大規模デモを主催した民間人権陣線など民主派勢力は台湾の独立派勢力の動向にならって住民投票で是非を問う手段に訴えている。

 香港の立法会では民主派の張超雄議員(社会福祉業界選出)が直接選挙に関する住民投票を求める動議を繰り返し提出しているが、董建華行政長官は「香港基本法違反だ」と拒否しており、動議自体が否決され続けている。

 十三日、間接選挙枠(功能別)から選出された譚香文氏、郭家麒氏、李国麟氏ら民主派議員三人が同動議への不支持を正式に表明。郭家麒議員は「香港基本法との関係が微妙であり、香港社会が住民投票を強く望む世論になっていない以上、別の方法で直接選挙実現を勝ち取るべきだ」と話している。

 一方、同動議を提出している張超雄立法会議員は「失望したが、尊重するしかない」と述べており、民主派の足並みの乱れは九月の立法会選挙での民主派惨敗以降、じわじわと表面化している。(04年11月14日記、深川耕治)